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   NDロードスター・・・

 

デザインでは、魂動デザインを深化させ、乗る人の姿が際立つ美しいプロポーションと、オープンカーならではの気持ち良さを堪能できる外観、内装デザインを構築。また、歴代ロードスターの中で、最もコンパクトなボディサイズと、現行モデル比で100kgを超える軽量化を実現。

マツダは、この新しいロードスターについて、第1世代に回帰し、オープン・ライトウェイト・スポーツの基本的な楽しさを追求した、とコメントしている。そのことは、第3世代のロードスターよりもコンパクトに、そして軽量になったことからも窺い知れる。

 

  4代目NDロードスター

 

ロードスター試乗レポート

6つのポイントとは

失った3つの伝統

注目!タイヤサイズ

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    新型ロードスターには作り手の強いメッセージがある・・・

デザインは歴代モデルで最高の仕上がり

ロードスターのデザインはとても素敵だ。歴代モデルのなかで文句なしに最高の仕上がりだと思う。先代よりコンパクトになっているのに、存在感は明らかに増しているし、より大人っぽく、より艶っぽくなったのも僕としては大歓迎だ。昼間の太陽の下で見るロードスターも素敵だが、夕暮れ時の艶っぽさといったらもうハンパじゃない。複雑な構成の面に光が映り込むことでボディの立体感がさらに強調され、抑揚のある陰影がなんともいえない情緒感を伝えてくるのだ。
プロのカメラマンさんはそのあたりを計算し、たとえ日中の撮影であっても、光の角度や周囲の映り込みを考慮しながら、ロードスターがもっとも美しく見える瞬間を見事に切り取ってみせる。

皆さんがこのページでご覧になっているのはある意味ベストショットなわけで、屋内のショールームやディーラーの店頭で見ると、これほどの艶っぽさは感じないかもしれない。でも心配は無用だ。実際に所有し、様々なシチュエーションで付き合えば、時間や天候や周囲の景色によって様々に変化する愛車の表情にどんどん惹かれていくに違いない。

そんな新型ロードスターのカッコよさを骨の髄まで味わいたいなら、映り込みや光線状態で表情が大きく変わるボディカラーを選ぶといい。ソウルレッドはもちろん、ブラック系やブルーリフレックスマイカあたりもオススメだ。一方、従来のロードスターオーナーで「新型はちょっと大人っぽくなりすぎたな」と感じている人はホワイト系を検討してみて欲しい。映り込みが少ない分、歴代ロードスターに共通する「いかにも運動神経がよさそうなプロポーション」がより強調されるからだ。僕がもしロードスターを買うなら、新型の魅力を120%味わえるソウルレッドプレミアムメタリックを第一候補に据えつつ、“素”の魅力を巧みに表現しているセラミックメタリックと大いに悩むだろう。

すべてのグレードにシートヒーターを!

ロードスターのグレードは3つ。安い方から「S」、「Sスペシャルパッケージ」、「Sレザーパッケージ」となる。Sは6速MTのみだが、スペシャルパッケージとレザーパッケージでは6MTに加え6ATも選べる。

上に行けば行くほど装備内容が充実していくのは当たり前のことで、これ自体に文句はない。ただし、レザーパッケージ以外ではオプションでもシートヒーターが選択できなくなるのは大いに不満だ。詳しくは後述するが、Sの乗り味はとてもいい。日常メインでライトウェイトスポーツを味わうのには最高のグレードである。ところが、Sを選んだ瞬間に、オープンカーにとって必須アイテムともいうべきシートヒーターが欲しくても手に入らなくなるのは何とも惜しい。オートエアコンや、ボーズのオーディオも選べない。ポルシェのようにフルオーダーが可能になれば最高だが、少なくともシートヒーターぐらいはすべてのグレードに用意しておいて欲しい。

インテリアの質感が大幅に向上したのも新型ロードスターのトピックだ。プレミアムカーではないから高級な素材をふんだんに使っているというわけではない。けれど、ダッシュボードやドアトリム、ステアリング、シートといった大物パーツだけでなく、シフトノブ、メーター、エアコン吹き出し口、カップホルダーといった小さなパーツにまで、エンジニアの機能へのこだわりと、デザイナーの美意識がしっかり行き届いている。Sだとエアコンのダイヤルスイッチ&エアコン吹き出し口のベゼルが地味なブラックになるが、これは購入後にパーツ単位で発注することで、自分でも簡単にアップグレード可能だ。

1.5Lエンジンの動力性能は充分か?

まずはレザーパッケージの6MTを選択。これでもかというほど低い着座位置と、ほぼ垂直にレイアウトしたステアリングが、スポーツカーに乗っているんだという実感をリアルに伝えてくる。着座位置が低いためさすがに楽ラクと乗り降りできるとは言えないものの、サイドシルの幅は控えめだし、シート形状も必要以上にサイドサポートが盛り上がっていないため、本格的スポーツカーにしては気軽に乗り降り可能だ。

シートに座りステアリングに手を伸ばす。ステアリングはチルトのみでテレスコピックはない。人によってはテレスコが欲しいと感じるだろうが、身長170cmの僕の場合、最小の調整でドライビングポジションはバッチリ決まる。足元が広々していて、アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダルが理想的な場所に配置されているのも大きな魅力だ。ただし、シートの上下調整が角度のみで行うタイプなので、小柄な人はシートをもう少し高い位置に調整したいと感じるかもしれない。

2Lから1.5Lにダウンサイズし、なおかつ過給もしていないエンジンに対し、動力性能的にどうなの? と思う人も多いだろう。僕もそうだった。だが、走りだしてしまえば動力性能に対する心配はあっという間に消え去る。太い低中速トルクは常用域で優れた反応を示すし、上まで回すと約1トンという軽量ボディは「スポーツカー」の名に恥じない勢いでグイグイ加速していく。

もちろん、300psとか400ps級のスポーツカーのような圧倒的な加速はないけれど、そもそもライトウェイトスポーツにそういったテイストを求めるのは野暮というもの。適度なパワーだからタイヤもそこそこのグリップで事足り、だからサスペンションやボディにかかる負荷が少なくなり、軽く作れるからだ。いたずらにパワーを上げてしまったらライトウェイトスポーツではなくなってしまう。新型ロードスターの軽量ボディと1.5Lエンジンは、ライトウェイトスポーツのオーナーが求める動力性能水準を十分にクリアしている。それどころか、サウンドやトップエンドに向かって上り詰めていくパワーフィール、高回転域でのスムースさを含め、期待以上の気持ちよさを実現していると自信をもって報告できる。

過去3代のロードスターとは次元が違う

サスペンションで驚いたのはしなやかな乗り味だ。その独特の感覚は走り始めの10メートルでわかるほど。10km/hとか20km/h程度の極低速でも足が路面にきれいに追従している様子が伝わってくる。ダンパーを含め、サスペンション系のフリクションを徹底的に管理し、なおかつダンパーが仕事をしやすいよう、ボディ側に十分な剛性を確保したからこその上質な乗り味である。こうしたフィーリングを味わえるオープンスポーツカーの代表格はポルシェ・ボクスターだが、その半分以下の価格でしかない新型ロードスターが、ボクスターに通じる上質感、気持ちよさを備えていることに正直驚いた。言い換えれば、走り出しの10メートルで、新型ロードスターが、過去3代のロードスターとは質的に異なる次元に達しているということを確信できた。

足がしなやかに動くのと、サスペンションが柔らかいのは必ずしも同じものではない。事実、ロードスターはペースを上げてワインディングロードを走らせても実に気持ちのいい体験をもたらす。箱根、伊豆周辺を思い切り走ったが、走り込めば走り込むほど、ロードスターの本拠地はやっぱりワインディングロードなんだなと思ったほどだ。

ステアリングの反応はシャープだが、ドライバーの期待を超えてキュッと曲がるような尖ったものではない。むしろシャープなのは重量、前後重量配分、重心、低ヨー慣性モーメントといったクルマ全体が醸しだす挙動であり、それを、初期応答をやや抑え気味にステアリングで中和しているという印象。結果として、インに切れ込みすぎることも、アウトに膨らむこともなく、ドライバーの意図通りのラインを見事に、嬉々として描く特性に仕上がった。S字の切り返し時の動きなどはもう鳥肌が立つほど。ノーズどころか、クルマ全体の重さをまったく感じさせない動きは、他のクルマではちょっと味わえないものである。

「楽しく走ること」重視なら「S」がおススメ

ベースグレードのSは、リアのスタビと、ボディ補強用パーツ(トンネルブレースバー)の一部を外している。と聞くと、ああコストダウンしたのか・・・と思うかもしれないが、断じてそうではない。スペシャルパッケージとレザーパッケージのMT車が、サーキットを含めた限界走行時の操縦安定性やトラクションを考慮した仕様であるのに対し、Sが重視しているのはあくまで一般道路走行。そのためリアのスタビライザーを外して積極的にロールをさせるセッティングを施した。ボディ補強パーツを取り外したのも、コストダウンのためではなく、サスペンションセッティングとのバランスをとるためだという。

事実、Sで走るワインディングロードはゴキゲンだった。限界の7〜8割といった「気持ちよく飛ばす」程度の走りでは、むしろ上位グレードよりも動きは素直だし、荒れた路面ではスタビがない分、接地感も高まる。ステアリングを切り込むたびにスーッと自然なロールが起こるから、横Gのレベルを感じやすいのも運転している実感を高めている理由のひとつだ。

たしかにコンマ1秒のタイムを削り取っていこうと思ったら上位グレードのほうが有利だ。しかし、スポーツカーはレーシングカーではない。「速く走ること」ではなく「楽しく走ること」を重視するのであれば、Sを選択する意味は大いにある。もちろん、人によって楽しさの定義は違うから、どちらを楽しく感じるかも人それぞれだが、少なくとも僕は良好な乗り心地を含めSの味付けが大いに気に入った。売れ筋はスペシャルパッケージのようだが、もし試乗するチャンスがあれば、ぜひ一度Sに乗ってみることをオススメする。そうすれば「手抜き」グレードではないことを理解できるに違いない。

ATを選ぶか、MTを選ぶか?

6速ATを選ぶと、スペシャルパッケージにもレザーパッケージにもリアのスタビとボディ補強パーツは付かない。そのことからも、6MTの両グレードが本格的スポーツ走行を重視していることがわかる。つまり、ATを選ぶと上位グレードでもMTのSとほぼ共通のキャラクターになり、レザーパッケージを選択すればシートヒーターも手に入ることになる。とはいえシートヒーターのためにATを選択するのは非現実的。ATorMTは、やはり走りの違いを念頭に置いて決めるべきだ。

トルコン式6速ATはマツダ独自のスカイアクティブ・ドライブではなくアイシンAW製だが、ロックアップ領域が広く、一般的なトルコン式ATと比べるとダイレクト感はかなり強い。電光石火のごとき変速スピードを含め、デュアルクラッチにも負けないドライビングプレジャーを得られるのが自慢だ。それでいて、デュアルクラッチがやや苦手とする極低速域ではトルコンならではのイージーさがちゃんとある。コンパクトなボディを含め、運転があまり得意ではない奥様にもためらうことなくキーを渡せるのがATモデル最大のメリットだ。もちろん、疲れているときや長い渋滞時でも、ATのもつイージードライブ性は大きなアドバンテージになる。一方、ワインディングロードなどではパドルを使った小気味よいシフトも可能だ。

とはいえ、MTと乗り比べてしまうと運転する歓び、自分が積極的にクルマを操作しているという実感はどうしても希薄になる。今のところ、約75%のユーザーがMTを選択しているそうだが、その結果を聞いて、うんうん、さすがロードスターオーナーはドライビングプレジャーのなんたるかをよくわかっているな、と思った。スタイルとしてライトウェイトスポーツを楽しむのであればATも悪くない。が、せっかくロードスターのようなクルマに乗るなら、ここはMTを第一候補にしておくことをオススメしたい。

249万5000円〜という価格設定は驚異的に安い!

規模の競争がますます厳しくなるクルマ産業において、ロードスターは、まさに奇跡のクルマだ。200万円以下のグレードもあった初代、2代目と比べて値段が高くなったという批判の声もある。しかし、仕上がりや装備レベル、消費税の違い等々を考えれば、新型の249万5000円〜という価格設定は驚異的に安い。

というのも、ロードスターは縦置きエンジンのFR車。専用エンジン、専用トランスミッション、専用プラットフォームを必要とする、きわめて高コスト体質のモデルだからだ。他メーカーにしてみれば、どうやったらこれほどの本格的スポーツカーを、これほどの低価格で提供できるか不思議で仕方がないといったところだろう。事実、200万円台そこそこで専用プラットフォームをもつFRスポーツカーを出しているメーカーなど他にはない。他にはないからこそ、ロードスターは26年間4代にわたって多くの人から愛され、2シーター小型オープンスポーツカーの生産台数世界一としてギネス記録を更新し続け、間もなく累計生産台数100万台に達するメガヒット作になったのだ。

そんな、他車では絶対に味わえない魅力をもつオンリーワンの存在であることが、ロードスターのまずはいちばんの魅力である。そして今回、マツダは4代目のロードスターで、オンリーワンの魅力にさらに磨きをかけてきた。デザイン、質感、快適性、走る歓びは文句なし。加えて、この種のクルマを購入する際の障害となる使い勝手に関しても、片手でスッと開閉できるソフトトップや、機内持ち込みサイズのキャリーを2個収めるラゲッジスペースなど、ユーザーの立場にたった心憎い気配りを施してきた。

作り手からの強いメッセージがある

もちろん、それでも2人しか乗れないクルマを購入するのには思い切りが必要だ。しかし、荷物がほとんど積めないホンダS660と比較すると、ロードスターは少なくとも独身やカップルならファーストカーとしても使える必要最小限の実用性を確保している。普通のクルマに乗っている人からすると、とんでもなく使い勝手の悪いクルマだと感じるだろうが、20代のとき初代ロードスターに乗っていた経験から言えば、買ってしまえば案外何とかなるもの。

そしてここが重要なポイントだが、ある種の割り切りをしてロードスターのようなモデルを手に入れると、クルマに対する概念がガラリと変わる。A地点からB地点までの移動に使う便利な道具である以上に、A地点からB地点までの移動の時間をいかに楽しく過ごすか。さらに言うなら、クルマを趣味の一部として生活にとりいれることの素晴らしさにきっと気付くはずだ。

もともとロードスターに興味がある人にしてみれば、スポーツカーに乗る意義の説明など、何をいまさらという感じかもしれない。けれど、クルマの道具化が進み、趣味性を求める人がどんどん減っているいまだからこそ「クルマ」という商品を再定義することが求められているのだと僕は思う。ガレージに収まっている姿を想像するだけで気持ちが高ぶり、走らせれば魂が震え、ひいては人生を楽しく豊かにしてくれるもの。誰が言ったか「一台のスポーツカーは風景を変える」という言葉がある。平凡な風景であっても、そこに一台のスポーツカーがあるだけでグッと色づいて見える。それと同じように、一台のスポーツカーは間違いなく人生を彩るスパイスになる。クルマはもっともっと楽しくなるんだ。ロードスターから感じるのは、そんな作り手からの強いメッセージであり、また将来のクルマの在り方に対する希望でもある。

 

  スペック例

 

 【 S 】
  全長×全幅×全高=3915mm×1735mm×1235mm
  ホイールベース=2310mm
  車両重量=990kg
  駆動方式=FR
  エンジン=1.5L直列4気筒DOHC直噴
  最高出力=96kW(131ps)/7000rpm
  最大トルク=150Nm(15.3kg-m)/4800rpm
  トランスミッション=6速MT
  サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
          後:マルチリンク式
  タイヤサイズ=195/50R16
  JC08モード燃費=17.2km/L
  使用燃料=プレミアムガソリン
  車両本体価格=249万4800円

 【 S レザー パッケージ 6MT 】
  全長×全幅×全高=3915mm×1735mm×1235mm
  ホイールベース=2310mm
  車両重量=1020kg
  駆動方式=FR
  エンジン=1.5L直列4気筒DOHC直噴
  最高出力=96kW(131ps)/7000rpm
  最大トルク=150Nm(15.3kg-m)/4800rpm
  トランスミッション=6速MT
  サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
          後:マルチリンク式
  タイヤサイズ=195/50R16
  JC08モード燃費=17.2km/L
  使用燃料=プレミアムガソリン
  車両本体価格=303万4800円

 

    ロードスター、買って乗って実感したこと これは「一般道で運転を愉しめる」クルマだ

 

日本向けには5月21日に発売となり、同時に納車が開始されたマツダの新型「ロードスター」。
1989年5月に米国で初代モデルの販売が開始されてから26年以上もの間、多くのファンに支えられてきたロードスターは、この第4世代モデルでマツダブランドを象徴する車として位置付けられるに至った。
シートを2座しか持たない小型軽量のオープンカーに、自動車メーカーとしてのブランドを象徴するアイコン的な役割を持たせてしまおうというのだから、なかなか大胆だ。
しかし、ロードスターのような誰もが選択するわけではないパッケージ

でありながらクルマ好きなら思わず注目してしまうアイコニックな存在には、大メーカーとは異なるマツダの“生き残り方”が投影されているように思えてくる。
ND型と呼ばれる今回のロードスターは、2014年9月の世界同時発表会を皮切りに各所で少しずつ情報が解禁され、今年3月30日から先行予約を開始。最終的に2000台を超える受注を得て生産・デリバリーが開始され、発売1カ月後には受注台数が5000台を超えたことが発表された。
過去の記録を振り返ると、NC型と呼ばれる前モデルの2倍以上、2代目のNB型も越えるスタートダッシュだという。ロードスターは「MX-5」の名称で販売される北米、欧州、とりわけ欧州市場での人気が高いため、今後はさらに生産台数を伸ばすことだろう。
そんな新型ロードスターを日常の足として使い始めて2カ月半が経過した。関東にデリバリーした最初のロットと伝え聞いている愛車にも慣れてきたところで、新型ロードスターについてレポートしたい。
これまでに自動車関連の取材をする機会が何度かあった。趣味でモータースポーツに参加することも、しばしばある。しかし、基本は“一般的なクルマ好き”に過ぎない。ITやエレクトロニクスが専門のため、車の電装関連について話をすることはあっても、車体関係について記事を書くことはない。また、歴代ロードスターのファンでもないし、マツダというメーカーのファンというわけでもない。
ロードスターファンによる初期デリバリー車両の争奪戦が予想される新型を、なぜ試乗もできないようなタイミングで予約してまで購入したか。ひとことだけその理由を述べるなら、“比較すべき車がほかに存在しなかった”からだ。
ロードスターは2座のオープンカーであると同時に、スポーツカーでもある。人々がスポーツカーに求める要素はさまざまだが、絶対的な速さ(強烈な発進加速や中間加速、高速域での余裕)を求めるのであれば、ロードスターは向かない。パワフルさとそれに見合う車体設計という点では、自国に200km/hを越える速度を許容する高速道路を有するドイツメーカーが優位なことは間違いないだろう。
「GOLF V R32」のオーナーとして9年目を迎えているが、そのパワフルさとスタビリティ(安定性)の高さに感心したものだ。ドイツでのレビューツアーでは最新のGOLF 7 GTIでの高速移動も体験した。
メーカーや車種によって程度の違いこそあれ、ドイツ製の高性能車が指向しているのは、世界中を見回しても例がない自国の高速道路網での性能、安全性だ。そのおかげで、低速度域での安心感も演出できていることは間違いないだろう。
一方でスポーツカーには“操る愉しさ”も求められていると思う。真っすぐな高速道路を超高速で移動する能力だけではなく、車の姿勢を思いどおりに制御しながら発進し、減速し、向きを変え、加速し、停止する。一連の動作に対するフィーリングも重要だ。
実は9年目を迎えた前出の車種を買い換えるのではなく、1.5Lという小排気量(馬力もトルクも排気量も前車に比べ約半分)の新型ロードスターを“追加”しようという結論に達したのは、日本の道路事情や日常的に使う車として考えた際に、自分自身で“操る愉しみ”を感じさせる車がいいと考えたからだ。
そうした観点で言えば、新型ロードスターとほぼ同時期に発売されたホンダのS660、あるいはトヨタ/スバルの86/BRZもあるではないか、との声もあるだろう。そうした中からロードスターを選んだのは、夫婦2人が移動するのに充分な積載性を持ちつつ、スポーティなハンドリングを獲得するために重要な“軽さ”を考えてのことだ。
新型ロードスターは、現行の安全基準を満たしながら、先代モデルから約100kgもの軽量化を果たしてしまった。進化の積み重ねをしてきた新型ロードスターだからできることで、マツダ以外のメーカーがそれを超えるような車づくりをできるとは思えない。細かなフィールはアフターパーツで調整できても、基本構成は購入時に選ぶしかないのだ。歴代ロードスターのファンでもない筆者が、試乗もせずに購入に至ったのは、そうした判断による。
結果から言えば、この選択は間違っていなかった。
納車直後は、不自然さがあった。ステアリングの応答性がニュートラル付近では比較的ルーズなのに対し、切り込んでいくと、ある閾値を超えたところでフロントノーズが内側に切り込んでいく印象を受けたのだ。しかし、新品の装着タイヤが落ち着いてくると不自然ではなくなった。
ドイツ車などでは、走行時にステアリングが中立点で固定される感覚が強いが、この車は切り始めの抵抗感が小さい。では直進性が悪いのかと言えばそうではなく、高速道路でも特別に気を使う感覚はない。中立点周辺の、極々狭い領域での応答が緩く作られているからだろうか。
そこから少し切り込んだところでの回頭性は、気持ちよさを感じさせるに充分なものだ。硬めの脚を持つ車の場合、切った瞬間にヒュンと素早く動くのに対し、ロードスターは姿勢変化を感じさせながら曲がり始める印象だ。
これは加減速時も同じ。後輪駆動車のため、車体は加速時に上を向き、減速時には下を向く。そのアクションはやや大げさで不自然にも感じられたが、その不自然さも納車直後だけだった。
納車後、軽く慣らし運転をして感覚をつかんだ後、ロードスターの素性を推し量るために「ワンデイスマイル広場トレーニング」に参加した。これはSuper GTドライバーでもある澤圭太氏が主催するドライビングレッスンで、F1開催のために整備した広大な富士スピードウェイの駐車場で行われるものだ。
このレッスンでは前後・左右へと姿勢変化を起こす車体をアクセルとブレーキ、そしてステアリングでコントロールしながら、車の操作に対する姿勢変化のメカニズムを学び、スムーズに車を操る術を身に付けることができる。“コース”ではなく、パイロンを使うため、初めて操る車の特性をつかめずに失敗しても車、設備ともに壊すことがない。新しい車の特性を確かめるにはピッタリだ。
さて、このイベントに参加して分かったのが、体感的にも、また視覚的にも、車の姿勢変化を感じ取りやすく設計されているということだ。そして、この脚周りの作り方が、一般道における運転の愉しさにもつながっている。
ブレーキを“ドン”と踏んで減速すると車体が前のめりに傾き、前輪荷重になる。その瞬間、スーッとハンドルを切り込めば、クイッと鼻先が内側に向かい始める。ブレーキ踏力を残しながらコーナーの頂点に向かう際、前外輪が沈んでいることが感じられる。
少々古いネタで恐縮だが、昔ヒットしたコミック『よろしくメカドック』の、前外輪が沈み込みながらグィッと回り込むデフォルメされた画が頭に思い浮かんでくる。集中しながら運転していると、そんな状態を明確に感じることができる。
クリッピングに微かに残していたブレーキをリリースしてアクセルを踏み込むと、スイーッと鼻先が上がる。今度は、後輪の駆動力と踏ん張りが伝わってくる。
S Lether PackageというグレードのMT(マニュアル)版は、ベースグレードのSや全グレードのAT(オートマチック)版にはないLSD(リミテッド・スリップ・デフ=左右の両輪にトルクを伝える仕掛け)とリア・アンチロールバー(カーブでの安定性を高める機構)が装着されているため、非装着車とは感じ方が異なるかもしれないが、後輪が踏ん張る中で、穏やかな効き味のLSDの動作を感じながら、落ち着いてアクセルを踏み込んで行くことができた。
新型ロードスターは、着座位置が従来モデルよりも少し後ろになっているためか、前後・左右に起きる姿勢変化の中心点が、自分よりも少し前、おへその前、膝頭の上あたりにあるように感じられ、姿勢変化がわかりやすい。
横滑り防止装置がオンの状態では、この一連の動作もややぎこちなくなる時もあるが、慣れてきたところで“オフ”に切り替えて走行すると、実にスムースに車体の動きが繋がる感覚を、単なる“車好きオヤジ”の筆者でも愉しむことができた。
その上で、限界付近での走りを繰り返していると、納車直後に感じていた“ややオーバーアクション”という印象が誤りではなかったことも実感する。
ミニコースのセッティングをしたいとのことで、講師だった東徹次郎選手に車両をお貸しし、実際に限界付近の走行をするのを拝見したが、一般的なスポーツカーの2倍ぐらいのロール量(左右に曲がる際の車体の傾き)がある。ロールが早く量も大きいが、その分、内輪の伸び側ストロークを長くすることで接地を確保している様子が見て取れた。
もし筆者がサーキットでスポーツ走行をするのであれば、新型ロードスターの足回りは少し柔らかすぎると感じるかもしれない。しかし、よく吟味されたセッティングは、極端な挙動をさせてみてもサスペンションの底をガツンと突くことはなく、決して破綻しない中で良好な乗り心地も実現している(筆者所有の車で比較すればGOLF V R32よりも新型ロードスターの方が乗り心地はいい)。そして、何より姿勢変化が判りやすいからこそ、FRレイアウトの車を操る愉しさも身近に感じられる。
限界走行に近い状況ではオーバーアクションに感じていた新型ロードスターの動きも、ごく普通に制限速度の範囲内で街中、峠道、高速道路のジャンクションなどを走り抜ける場面では、むしろ適度に車体の姿勢を感じることができ、好ましく感じられるようになってきた。固い足回りで”フラットライド”を志向するクルマとはまったく違うやり方だが、こちらの方がドライビング感覚を楽しむことができる。
さらに決定的な”感覚”の良さは、やはり車体そのものの軽さがもたらしているのだと思う。最軽量モデルは990キロしかない新型ロードスターは、回頭性が良いといった一義的な意味での軽さではなく、身のこなし全体が軽い。この軽さの感覚が、単なる移動をエンターテインメントの場に仕立て上げてくれる。
普段着で愉しむドライビングカーという視点で言えば、新型ロードスターのセッティングは、まさにちょうどいい塩梅だ。もし、限界付近での姿勢変化をもっと抑えたいのであれば、オーナー自身が脚周りを換えればいいだろう。
少なくとも、日常乗り回す軽量コンパクトな車として使いながらも、移動中のドライビングをもっと楽しみたい、という筆者の目的を達成するには、最善の選択だったと思う。
新型ロードスターを入手してからというもの、不思議とスタイリングやデザインについて質問を受けることはない。一方、何人かの知人がエンジンが非力すぎるのではないか、という質問をしてきた。
スタイリングに関しては、その小ささ(歴代でもっとも前後長が短い)と、小さいにもかかわらず寸詰まり感がない(人間が入る空間を小さくするには限界があるため、短い車はずんぐりしがちだ)のは見事だと思うが、このあたりは好みだろうか。実物をご覧になっていただきたい。
一方のエンジンだが、パワフルかと問われれば、否定せざるを得ない。しかし、エンジン出力に不満があるかとの問いなら、充分満足と応えておきたい。そもそも、この車で何か別の車種と1秒を争うタイムトライアルをするわけではないだろう。一般道でのドライビングを楽しみ、高速道路での迅速な移動が目的というなら、専用チューニングが施された1.5Lエンジンで充分だ。
新型ロードスターに搭載されエンジンには、毎秒3500回転未満の領域における「意外にイケるね」という粘り強いトルク感と、毎秒4000回転以上からレブリミットの毎秒7500回転まで吹け上がる“軽い”回転上昇感の両方が混在している(実際のトルク特性とは異なるかもしれないが)。
高回転域まで軽くスムーズに回る感覚があるため、MTならば少し低めのギアに入れて回転を合わせれば、難なく必要な加速を得られる。普段から併用している約2倍の出力を持つ車と比べても、「残念」という気持ちはない。
実はマツダが独自にプログラムしたという、アイシン製の6速AT車にも試乗したのだが、こちらも車好きのことを考えた作りで、得たい加速をインスタントに得られるという意味で、モノグサに操作するMTよりも遙かによいフィールを得られるものだった。
もちろん、絶対的な速さという意味で、北米や欧州向けには出荷されている2L版エンジンを欲しいという声もあるだろう。しかし、“一般道でのドライビングを愉しむ”という観点で見たときに不満かといえば、まったくそんなことはない。
その回転フィールの軽さや吹け上がる際の、控え目ながら気持ちよいサウンドは、感覚的な気持ちよさを上手に演出していると思う。
冒頭でも述べたように、スポーツカーに求める要素は人それぞれだ。と同時に、ロードスターという車に求めるイメージも異なるだろう。
自動車という複雑な機械ゆえに、使い込んで突き詰めて行けば、どこかに自分の感覚とは異なる部分は見つかるものだ。しばらくの間、新型ロードスターを乗ってきて、その特徴をつかみ始めてきた今、もう少し、足元を固めてもいいかな?という気になってきているが、一方で標準状態のバランスのよさには“この状態を壊したくない”と思わせる絶妙の味付けだ。
これまでハイパワーのスポーティーな欧州車にばかり目が向いていたのが嘘のように、車に対する考え方が変化した。
同時にマツダという会社の価値が何であるのかも感じた。グローバルの自動車市場において、小規模ながらも生き抜くためには、独自性が重要ということだ。
かつて、筆者はマツダのアテンザが登場する際、その試乗企画に参加して房総をドライブしたことがある。日本車らしからぬ力強いスタイリングと、ディーゼルとは思えない回転フィールを持つエンジンに驚いたものだ。
自動車業界はグローバルでの再編が進み、巨大な恐竜が大きな足跡を残しながら市場を席巻している。しかし、だからこそ、その大きな足跡には、埋められない隙間も生まれるのではないだろうか。
工業製品を量産する中で、“感覚”すなわちフィーリングが安定する領域まで、追い込んで生産するのは難しいことだ。少量生産の高級ブランドならば可能でも、誰もが手を出せる価格帯の量産品でフィールを追求することは、効率を求める大メーカーには難しい。
新型ロードスターが追求しているのは量産車におけるフィーリングの追求であり、それこそがマツダの生き残り戦略なのだと感じた。
マツダは車体、エンジンなど自動車を構成するコンポーネントすべてを新しい技術レベルで落とし込んだSKYACTIV技術を推進してきたが、この新型ロードスターで第1世代のSKYACTIVは完成。第2世代のSKYACTIVへと進むという。
もし新型ロードスターの感覚性能を、あらゆる第2世代SKYACTIV車に盛り込めるとすれば、マツダブランドの大きな武器になるだろう。

 

 

 

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