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  NC・ND ロードスターニュース

 

  3代目マツダ ロードスターはありそうでなかったスポーツカー【10年ひと昔の新車】              2021年8月18日

 

2008年、3代目マツダ ロードスター(NC型)がマイナーチェンジを受けた。等身大のスポーツカー、「人馬一体」のロードスターはこの時、どう進化したのか。Motor Magazine誌の興味深い考察を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年4月号より。写真手前がVS RHT(リトラクタブルハードトップ)、奥がソフトトップのRS 6速MT仕様)
i等身大かつ日常的なスポーツカー
マツダ・ロードスターはギネスの世界記録を更新中だ。1989年にデビューして以来、これまでの世界累計生産台数は85万台を突破し、「世界でもっとも売れている2シーターオープンスポーツカー」として認定されている。ロードスターがどこの国のどんなスポーツカー愛好者にも熱烈に支持される最大の理由は、「等身大かつ日常的なスポーツカー」だからだと私は思う。歴代(3代)のロードスターに特別な仕掛け飛び道具はない。コンパクトで軽量なボディのFR、適度なパワーのエンジン。

きわめてコンサバティブな作りだ。この重要なポイントをマツダはきちんと押さえ、代を重ねる毎に進化・熟成させてきた。もし無用なパワーアップをしたり、ボディをサイズアップしていたらロードターはギネスに載ることはなかったと確信する。折りしも同じオープン2シーターのホンダS2000の生産が中止されるというニュースが飛び込んできた。S2000はホンダのお家芸である高回転高出力エンジンを搭載し、ホンダファンならずともスポーツカーファンを大いに喜ばせたが、いささか日常性に欠ける、つまりデリケートに過ぎるところがあった。デビュー時のキャッチコピーは「本籍はサーキット」。そう聞けば大半のユーザーは尻込みしてしまうだろう
マイナーチェンジでさらなるブラッシュアップ
それはさておき、今回のお題は3代目ロードスターのマイナーチェンジモデルである。3代目は各部品の重量をグラム単位で算出し、涙ぐましいほど徹底した軽量化を図るとともに高剛性ボディを構築したことで話題を呼んだ。もはや完成形ともいえる仕上がりだったが、今回のマイナーチェンジでさらなるブラッシュアップが施されている。
まずエクステリアでは従来のオーバル形のフロントグリルをマツダのファミリーフェイスであるファイブポイントグリルに変更。サイドビューはサイドシルガーニッシュにキャラクターラインを加えリアバンパーへ連続させて安定感を強調。リアバンパーはボディとの一体感を強めたニューデザインとなった。
なお、RHT(リトラクタブルハードトップ)はソフトトップとフロントグリルの意匠が若干異なる。RHTはクロームメッキで縁取ったメッシュタイプでソフトトップはフィンタイプとなる。
インテリアはメーターパネルの変更をはじめ、質感を向上させた。
そして新型ロードスターの最大の目玉はエンジンの500rpm高回転化である。それはクランクシャフトを鍛造スチール製としたため剛性が向上したことによる。さらにエンジン音の演出にも手が入っている。具体的には吸気音を増幅させてコックピットに導く方法で、アクセルオンの時だけ作動する。
トランスミッションは6速MT(ベースモデルは5速MT)と6速ATだが、こちらも細部が改良され、前者は3-4速のシンクロのサイズアップ、後者はAAS(アクティブ・アダプティブシフト)と呼ぶ、スポーティ走行時に積極的なシフトを自動的に行うシステムが全車標準装備となった。
さて、試乗はマツダの鶴見研究所をスタートし、横浜経由で逗子までの往復。往路は6速ATのVS RHTを選択した。この電動トップ仕様は受注の80%に達しているという。耐候性やセキュリティの面を考慮するとやはりこちらが売れ線だろう。首都高速に進入するまでの渋滞路で車体サイズのコンパクトさに安堵する。
右アップ、左ダウンのステアリングシフトスイッチを駆使して遊ぶもよし、Dレンジに入れっぱなしもまたよしである。エンジンのサウンドは確かに気持ちよさを増していた。コーナリングの気持ちよさもまたしかりだ。これはフロントサスペンションのリファインによるもので、自然なロール感を伴い、従来型に散見されたばたつき感も抑えられ、キャッチフレーズの「人馬一体」にさらに近づいた。

 

  マツダ次期型「ロードスター」は脱炭素化? 歴代オーナーが将来のロードスターに期待すること        2021年7月12日

 

され続けるロードスター、脱炭素化にオーナーたちの反響は?
1989年の登場から30年以上もの長い歴史を持つマツダ「ロードスター」は、ライトウェイトスポーツカーとして多くの人気を集めるクルマです。
そんななか、2021年6月17日にマツダはロードスターについて「電動化するラインナップのひとつに入っている」かつ「e-fuel(イーフューエル)などの内燃機関でも使える燃料の開発もおこなっている」と明言しました。
では、現オーナーたちはロードスターの脱炭素化についてどう思うのでしょうか。
次期型「ロードスター」の行方が示唆された? マツダの脱酸素化はどうなっていくのか?
ロードスターは、丸みを帯びたボディと軽快な走りが魅力のライトウェイトスポーツカーです。

初代であるNA型は当時のユーノスブランドから発売され、現在でもファンの多いモデルです。
ロードスターといえば、NA型から現行のND型まで、あえてターボチャージャーなどは搭載されておらず、高回転までなめらかに吹き上げる自然吸気(NA)らしいレスポンスの良さが特徴として挙げられます。

そんななか、前述の通り2021年6月17日にマツダが実施した「中期技術・商品方針説明会」においてロードスターの脱炭素化に言及する場面がありました。
同社の専務執行役員・廣瀬一郎氏は「2030年にはグローバルにて電動化100%を目指していますので、ロードスターもそのなかに含まれています」と説明。
さらに、常務執行役員・小島岳二氏は、「現在、ロードスターに乗っていられるお客さまに対しての回答として、マツダは『e-fuel(イーフューエル)』などの内燃機関でも使える燃料の開発もおこなっていますので、そのあたりも含めて期待頂ければと思います」と内燃機関の継続を模索している様子も明かしています。
そうしたロードスターに関する将来の話が出たなかで、SNSでは「電動化良いね!」「EVでも良いかも」といった賛成の声が挙がっています。

一方で、「時代の流れか…寂しい…」「電動化するなんてロードスターも落ちたな」などの反対派の声も見受けられ、ネットでの意見は賛否両論といえる状況です。
では、実際に初代NA型から現行のND型まで、ガソリン車としてのロードスターを所持しているオーナーたちはどう感じているのでしょうか。

初代NA型を所持しているA氏は、ロードスターの電動化について「電動化自体に反対はしませんが、ロードスターらしい走りの楽しさは残ってほしいです」と話します。
続いて、現行ND型を最近購入したというD氏は「基本的なロードスターの理念が受け継がれるなら、電動化も全然良いと思います。ガソリン車(ディーゼル車)が廃止の流れのなかで新たなロードスターが生まれることが嬉しいです」と肯定的な意見でした。

また、2代目ロードスターを所有しているB氏は、「人馬一体が損なわれないなら乗りたい」とパワートレインに関係なく、マツダが大切にする一体感を重視する声もありました。
人馬一体とは、マツダが掲げているコンセプトで「安全かつ安心な人間が扱いやすいクルマ」を差しています。

ロードスターが好きなユーザーの間では、この「人馬一体」が重要視されており、SNSではB氏同様の意見が多数見受けられました。

世界中で愛されている、マツダ「ロードスター」の歴史。そんな人馬一体を掲げて開発されたNA型はライトウェイトスポーツカーとして、1989年にマツダのユーノスブランドから登場しました。
必要のないものを削ぎ落として開発されたNA型は、非常に軽量なうえ、低いボンネットフードによって重心が下げられ、操縦安定性と運転操作の的確さが確保されています。
パワートレインは、1.6リッター(前期)/1.8リッター(後期)の直列4気筒エンジンが搭載されたNA型の魅力について、前出のA氏は「エンジンのレスポンスも良く、エンジンやマフラー音も気に入っています」と話します。
NA型は発売の翌年である1990年に世界中で9万3626台も売り上げる大ヒットモデルですが、実は人気を集めたのはNA型だけではありません。

1997年に販売が開始された2代目のNB型も初代の人気を引き継ぎ、多くの人の愛車として現在でも乗り継がれているモデルです。

NA型同様に丸みのあるボディとあえて手動開閉式にされたソフトトップ、もちろん軽量で爽快な走行が可能です。
ヘッドライトは固定化され、NA型では前期と後期で排気量が異なりますが、NB型では発売時から1.6リッターと1.8リッターのパワートレインが選択できるようになっています。
NB型の魅力について、前出のB氏は「NB型は比較的価格が安いうえに、内外装ともに洗練された雰囲気があります」と話します。

続いて2005年に登場した3代目のNC型は、NA型やNB型と比較するとややボディサイズが大きく、電動開閉式のハードトップ「RHT(リトラクタブル・ハードトップ)」が採用されるなど現代的なモデルとなっています。
採用された電動式ハードトップは、当時世界最速となる約12秒という開閉スピードを誇り、マツダの技術力を広める要因になりました。

ボディサイズが大きくなったことで、先代より重厚感があるようにも感じられますが、車重はソフトトップ仕様の場合では約10kgの増加にとどまり、アルミ素材やプラスチックパーツを多用することで、軽量化が図られています。
NA型やNB型、そしてNC型まで登場のたびに注目を集めたロードスターは、2015年に現行となる4代目のND型の販売が開始されました。

先代のロードスターの曲線美を活かしつつ、シャープで少しエッジの効いたデザインであるND型は非常に人気を集め、2019年3月期には国内で2万9364台が生産されています。
ND型には先代から引き継いだソフトトップ仕様と、新たに登場した電動ハードトップ仕様の「ロードスター RF」がラインナップされました。

RFはソフトトップ仕様のND型と比較すると少し異なるボディ形状を持ち、サイドから見るとハッチバッククーペのような印象を受けます。
オープン時にピラーが残るように設計されているため、ソフトトップと一風変わったデザインとなっているのもポイントです。
前出のD氏は現行型のなかでもRFを選んでおり、オーナーとして感じる魅力について以下のように話します。
「電動ハードトップ開閉時のメカニカルな動きが好きです。
以前までのロードスターは可愛らしい印象でしたが、ND型はシャープでかっこ良いと感じています」
1989年の発売から世界中で愛され続けているマツダ「ロードスター」
全4世代となるロードスターは国内だけでなく、海外でも根強い人気があります。
ロードスターは海外で「MX-5」として発売されており、北米では「MX-5 MIATA(ミアータ)」とサブネームが付けられて親しまれています。

現行のND型だけでなく、4世代それぞれにファンがおり、ロードスターが長く、そして幅広く人気であることがうかがえます。
国内外問わず人気が根強いことから、マツダにとってロードスターの存在は非常に大きいと考えられます。
各自動車メーカーではそのブランドを象徴するスポーツモデルを持っていますが、決して量販車となることはないために開発や販売を中止することも長い歴史のなかではありました。
しかし、最近ではその自動車メーカーを象徴するスポーツカーを復活&継続させる動きも徐々に出てきており、マツダは「カーボンニュートラルの実現」に取り組む一環として、ロードスターの電動化やe-fuelの活用に踏み切ろうとしているのかもしれません。

 

 マツダ「ロードスター」9年以内に電動化へ 次期型で大きく変わる? エンジン車には「e-fuel」の選択も?                         2021年6月22日

 

専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎氏がプレゼンした後、常務執行役員 R&D管理・商品戦略・技術研究所・カーボンニュートラル担当の小島岳二氏も加わり、記者からの質疑応答がおこなわれました。

冒頭のロードスターに関する発言は、その質疑応答の際、筆者(桃田健史)からの質問にマツダ側が答えたものです。

筆者の質問は「本日の発表を踏まえて、マツダの象徴である『ロードスター』はEV化を含めて、永遠に不滅でしょうか?」という内容です。
これに対して、まず廣瀬氏は「2030年の電動化のスコープ」にロードスターは入っているとしたうえで、ライトウエイトスポーツカーとしてのロードスターのDNAを大切にした電動化を実現していきたいとの考えを示しました。

 

続いて小島氏は、廣瀬氏が語ったことは新型車の将来構想であるとしたうえで「これまでロードスターを購入して頂いたお客さまには、eフューエルなどバイオ燃料を使った内燃機関を活用して、マツダとしてカーボンニュートラルを実現してきたい」という既存ユーザーを含めた話をしてくれました。

このように、マツダが次期ロードスターについて具体的な方針を公の場で示したのは今回が初めてです。

今回は時間の関係で、筆者からさらに一歩踏み込んだ質問はできませんでしたが、廣瀬氏は決して、ロードスターのEV化について明言も否定もしていません。

では具体的に、ロードスターの電動化にはどういうものが考えられるのでしょうか。

マツダの「2030年グローバルで電動化100%」は、全体の25%がEVで、残りの75%は「内燃機関+電動化技術」という表記をしています。

そのうえで、マツダがスモール商品群と呼ぶ「マツダ3」などCセグメント以下のモデルの電動化は、SKYACTIV-X、24Vマイルドハイブリッド、EV、そしてロータリーエンジンを発電機として使うレンジエクステンダーという大きく4種類で、これらすべては横置き型です。

一方で、ラージ商品群という「マツダ6」以上のモデルでのエンジン搭載は縦置きとし、直列6気筒のガソリンエンジンのSKYACTIV-G、ディーゼルエンジンのSKYACTIV-D、SKYACTIV-X、直列4気筒SKYACTIV-G、プラグインハイブリッド、さらにガソリンとディーゼルそれぞれの48Vマイルドハイブリッドというラインアップです。

こうしたパワートレインから考えると、ロードスター向けの電動化には、ラージ商品群で用いるSKYACTIV-Gを48Vマイルドハイブリッド化の可能性が考えられます。

なお、スモール商品群での24Vマイルドハイブリッドについて他記者の筆問に対して、廣瀬氏は、「回生エネルギーを効率的に扱うためには48Vが有利という技術的な確認をしている」と答えています。

さらに、コストなどを踏まえてスモール商品群では24Vを採用したが、将来的には48Vのコスト削減も進むことが期待されるため、マイルドハイブリッドが全48Vになる可能性を示唆しました。

そのほかには、今回初めて明らかになった、2025年以降に市場導入する「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」による、ロードスターEV化も考えられると思います。

ただし、ライトウエイトスポーツカーというロードスターのDNAを考えると、EV化の可能性としてはかなり低いとは思いますが、可能性がゼロともいい切れないでしょう。
これまで3回のロードスターのFMC(フルモデルチェンジ)を振り返ってみると、初代NA(1989年から1998年)、2代目NB(1998年から2005年)、3代目NC(2005年から2015年)、そして現行のNDは2015年に登場しています。

歴代車ではNCが最長10年間に渡り生産されており、それをNDに当てはめると、次期モデル(NE)登場は2025年頃となり、いま(2021年)から4年後です。

今回公表された、「今後の電動化商品計画」では、2025年をひとつの区切りとしているため、マツダ電動化のネクストステージのイメージリーダーとして、2025年の電動化されたNE(仮)発売の可能性が出てきます。

2025年は東京モーターショーの開催年にあたるため、電動化NEのワールドプレミアは2025年秋口の東京モーターショー、またはその前後で開催されるマツダ独自イベントというシナリオが見えてきます。

また、もしも電動化ロードスターが、マツダ全体で電動化100%となる2030年に登場となると、ND登場から15年にも及んでしまいます。

そこで、例えば、この15年間をざっと2分割して、東京モーターショー2023でSKYACTIV-Gにeフューエルなどマルチ燃料が対応可能な5代目NEが登場し、東京モーターショー2029でロードスター初の電動車となる6代目NFがワールドプレミアという仮定も成り立つのでないでしょうか。

いずれにしても、電動化によってロードスター廃止という、世界のロードスターファンにとってのワーストシナリオは回避できそうです。

 

  マツダ、電動化「ロードスター」も投入! まずは2022年から3年で新型電動車13車種を導入へ            2021年6月17日

 

マツダ、トヨタHV含む電動車を13車種展開! ロードスターの電動化も明言!
マツダは、2030年に向けた新たな技術・商品の開発方針を2021年6月17日に発表しました。
マツダの「2050年カーボンニュートラル化への挑戦」や、それに伴う今後の商品展開はどのようなものになるのでしょうか。
オープンスポーツカー「ロードスター」の電動化も明言された(画像はロードスターRF)今回、マツダは2020年に新たに公表していた中期経営計画の見直し、2050年カーボンニュートラル化への挑戦をふまえたいくつかの方針に沿って2030年に向けた技術・商品の開発を進めていくとしています。

ひとつめは、「モノ造り」の部分となり、 マツダは基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで、優れた技術を効率的に届ける「ビルディングブロック戦略」を一貫して展開。それにより、 2007年以降の「SKYACTIV TECHNOLOGY」を中心とした内燃機関の刷新に電動化技術を積み上げて、2012年以降のさまざまな商品に対応する技術資産を築いてきました。

現在では、内燃機関の進化(SKYACTIV-X/直列6気筒)と電動化技術の拡大を継続するほか、スモール商品群用の横置きパワーユニットとラージ商品群用の縦置きパワーユニットに対応した「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー 」 をベースとして、国ごとの電源事情や環境規制などユーザーのニーズに応じたマルチソリューションを展開していく計画です。また、水素技術に関して、専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎氏は次のように述べています。

「過去にマツダは、水素ロータリーエンジンの技術の実用化を市場に展開しました。

現在までにさまざまな環境要件で止まっていましたが、昨今の水素活用の動きやインフラ整備が整いつつあるので、過去の実用化した技術のベースを元にモデルの開発やリサーチに活用していきたいと考え、進めていきたいです。

まずは、ロータリーエンジンを活用した電動技術を早く世の中に出して、さまざまな燃料の活用なども視野にいれて展開してきたいと思います
 そして、2025年以降は、さまざまな車格やボディタイプのEVモデルに適応できるマツダ独自のEV専用プラットフォーム「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー 」を新たに導入する計画だといいます。

マツダは、これらの戦略について「コモンアーキテクチャー、一括企画、モデルベース開発など、高効率の開発手法にさらに磨きをかけ、協業パートナーと共に、本格的な電動化時代への技術資産を構築していきます」と説明しています。

具体的な商品導入については、「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」の商品として、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)の合計9車種を日本、欧州、米国、中国、アセアンを中心に、2022年から2025年の3年間にかけて順次導入する予定です。これらの内訳は、HVを5車種(マイルドハイブリッドモデルは除く。トヨタからOEM供給を受けるTHS搭載車を含む)に加えて、PHEVを5車種、EVを3車種となっています。
さらに、「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」の商品として2025年頃から2030年にかけて複数のモデルを導入する予定です。

また、マツダを代表するスポーツカー「ロードスター」の電動化について、前出の廣瀬氏は「2030年にはグローバルにて電動化100%を目指していますので、ロードスターもそのなかに含まれています」と説明。
常務執行役員 R&D管理・商品戦略・技術研究所・カーボンニュートラル担当の小島岳二氏は、「現在、ロードスターに乗っていられるお客さまに対しての回答として、マツダは『e-fuel(イーフューエル)』などの内燃機関でも使える燃料の開発もおこなっていますので、そのあたりも含めて期待頂ければと思います。
 こうした電動車の導入計画に基づいて、マツダの「2050年カーボンニュートラル化への挑戦」として、2030年時点での生産における電動化比率は100%、EV比率は25%を想定しているといいます。
 マツダの安全への取り組み、そしてコネクテッド技術への挑戦とは
また、マツダでは「事故のないクルマ社会」の実現に向けた「人」中心の安全技術の普及を目指しているといいます。
安全技術のビルディングブロックにおいても、人間中心の自動運転コンセプト「Mazda Co-Pilot Concept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」を新たなブロックとして積み上げ、商品として展開していくとしています。

「Mazda Co-Pilot」とは、ドライバーの状態を常時モニタリングし、突然の体調不良を検知した際に、自動運転走行に切り替えて安全な場所に移動、停車し、緊急通報をおこなうもので、第1段階の「Mazda Co-Pilot 1.0」は2022年のラージ商品群から導入を開始する予定です。

この機能は、2018年3月29日に国土交通省がガイドラインを定めており、自動運転技術を活用して可能な限り路肩などにクルマを寄せて停止させる「路肩退避型ドライバー異常時対応システム」として、スバル「アイサイトX」や、トヨタ/レクサス「Toyota/LEXUS Teammate」でも同様の機能が備えられるなど普及し始めています。また、マツダでは次世代の移動サービスの基盤となるコネクテッド技術、ソフトウェア技術への挑戦を掲げています。

次世代の移動サービス「MaaS(Mobility as a Service)」や、無線通信でソフトウェアを更新する「OTA(Over the Air)」によるクルマの機能アップデートなどへの対応に向けて、基盤となるソフトウェア技術の開発を強化。

より安全で快適なコネクティッドサービスの早期提供に向けて、マツダを含む5社(スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ)で、次世代の車載通信機の技術仕様を共同で開発し、通信システムの共通化を推進します。

さらに、車両内外の迅速な情報通信を可能にする次世代「電気電子アーキテクチャー」(Electric Electronic Architecture:EEA)の開発をおこなうなど、さまざまな技術を革新させるようです。
今後、マツダ車のコネクテッドサービスはどのような進化を遂げるのか?(画像はマツダ コネクト)

また、マツダは「人中心の開発哲学」を主軸として商品開発をおこなってきましたが、カーボンニュートラルやCASE時代での展開について、次のように説明しています。

「『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030』に定める『地球』、『社会』、『人』の3つの領域の中心に『人』を置き、人が持つ本来の能力と人間らしさを尊重した『人』中心の開発哲学を、この先のカーボンニュートラル時代、CASE時代にも継承していきます。

人が持つ本来の能力を最大限に発揮することをサポートするクルマを提供することで、人間らしさにあふれたサステイナブルな社会の実現を目指してまいります」
 昨今の自動車業界は、「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動化)」「Shared/Services(シェアリング/サービス)」「Electric(電動化)」の頭文字を合わせたCASEに重きをおいた戦略を基本としています。
これまでの車両開発以外の分野においてもさまざまな要素が求められるなかで、既存の自動車メーカー以外からの新規参入も目立っており、革新的なアイデアややり方が求められています。
そうしたなかで、日本の自動車メーカーが大切にする「モノ造り」をどこまで続けられるかという不安要素もありますが、マツダはその想いを今後も一貫して通していくようです。

 

 マツダ 新型 ロードスター 5代目 フルモデルチェンジ 2022年発売                       2021年4月8日

 

マツダは「ロードスター」のフルモデルチェンジを行い5代目を2022年に発売する。現行4代目ロードスターは2015年5月21日発売から発売されており、7年でのモデルチェンジとなる。
 
現行4代目は「SKYACTIV TECHNOLOGY」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を全面採用したモデルとなるが、新型MAZDA3から始まる新世代商品として5代目モデルに大きな進化を与える。

マツダの新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブテクノロジー)」と世界初となる「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」採用した次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」。1310MPa級高張力鋼板を取り入れた新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)

を採用。現行同様に車両重量を1,000kg以内にすることにこだわる。全方位で洗練されたダイナミック性能を実現。

インテリアはメーターパネルを液晶化し、マツダコネクトは最新の「NEW MAZDA CONNECT(ニューマツダコネクト)」TFT 8.8インチのインフォテインメントシステムが搭載「Android Auto」と「Apple CarPlay」に対応となる。
 「i-ACTIVSENSE」技術を標準装備する。更に
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)に夜間歩行者検知機能を追加。
 
「i-ACTIVSENSE」技術を標準装備する。更にアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)に夜間歩行者検知機能を追加。TJA(交通渋滞アシスト)FCTA(フロント・クロス・トラフィック・アラート)DM(ドライバーモニタリング)TSR(交通標識認識システム)など最新の機能を採用。

  • ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)
  • 交通標識認識システム(TSR)
  • フロント・クロス・トラフィック・アラート(FCTA)
  • リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)
  • スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)(AT車のみ)
  • リアパーキングセンサー(センター/コーナー)
  • アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)夜間歩行者検知機能あり
  • AT誤発進抑制制御[前進時](AT車のみ)
  • 先進ライト
  • ハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)
  • アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)車線逸脱警報システム(LDWS)
  • 交通渋滞アシスト(TJA)
  • レーンキープアシスト(LAS)
  • ドライバーモニタリング(DM)

 

  2022年にフルモデルチェンジか 次世代エンジン等を装備してエコなスポーツカーへとモデルチェンジ情報      2021年3月13日

 

日本を代表するオープンカーであるマツダ「ロードスター」が2022年にフルモデルチェンジを実施する見込みです。

次期フルモデルチェンジで誕生する5代目ロードスターは、マツダの次世代車両構造技術である「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」や、次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」を導入して、2021年にEUで施行される見込みの厳格な環境基準をクリアするエコなスポーツカーとなる予定です。プラグインハイブリッド車のラインナップも噂される新型ロードスターのエクステリアや販売価格等についても予想を交えて紹介します。

 

 【東京オートサロン2017】マツダ、ロードスターにクラシックレッドを復刻…限定販売も             2017年1月13日

 

マツダは、オープンスポーツカー『ロードスター』の初代および2代目に採用されたクラシックレッドを現行車に施し復刻したモデルを初公開するとともに、2月28日までの期間限定で販売することを明らかにした。
そんなマツダが東京オートサロン2017の会場で、2017年最初の新型車を発表しました。それは限定発売される「赤いロードスター」。
「いやいや、赤いNDロードスターなんて普通に売っていて街を走っているし」と思ったかもしれませんが、そうじゃないんです。

NDロードスターに用意されいる通常の赤は「ソウルレッドプレミアムメタリック」。ですが、限定発売されるロードスターは「クラシックレッド」と、赤は赤でも違うんですよ。ソウルレッドに比べるとソリッドで、真紅といった感じでしょうか。

 実はこの「クラシックレッド」は、初代ロードスターのメインカラーとして設定されていた赤を再現した色。ロードスターの歴史を支えたカラーとして、本来は設定のないNDロードスターにも限定車として発売することになったのでした。
ファンにはたまらないコレクターズアイテムになること間違いなしですね。
 そのうえで「ロードスター クラシックレッド塗装車は全国のマツダ販売店を通じて本日予約受付を開始、今年2月28日までの期間限定で販売する。価格は車両本体価格プラス3万2400円。ロードスターの新たな歴史の1ページにとなるモデル」と紹介した。

 

  マツダ ロードスター「RF」が世界のクルマ好きを引きつける理由                              2017年1月5日

 

マツダのロードスターに「RF」が仲間入りした。RFとは、リトラクタブルハードトップのRと、ファストバックスタイルのFから取ったものだ。テーマカラーのグレーから、硬質無機質でメカニカルな美しさをまとったRFの魅力に迫ってみたい。

■流行色協会も認めたグレーカラー

RFの特徴の一つにテーマカラーであるマシーングレープレミアムメタリックがあるこの外装色とオーバーンの内装色が、日本流行色協会のオートカラーアウォード2016においてグランプリを受賞した。受賞者には「マシーンの鉄をイメージさせるグレーを、液体を思わせるような金属感により、グラマラスでセクシーなデザインとして作り上げた」とあり、これはこのボディカラーを見た多くの人が同感するだろう。

この塗装には、カラー層、反射層、クリア層の3コート塗装が施され、反射層にはごく薄い高輝度のアルミフレークが含まれている。乾燥過程で収縮することで、このアルミフレークがフラットな厚みになっている。

また、カラー層と反射層にはジェットブラックの顔料が含まれている。とくにこのグレーは、ハードでクールな印象のロードスターRFになっている。

ルーフの開閉は、ポルシェの911タルガに似た感じだ。ボタンを押すとリアハッチが起き上がり、ルーフ全体が電動でリアにすいこまれていき、ハッチが元の場所に戻っていくさまは、繰り返し開閉したくなるほど優雅だ。トップロック解除を含むスイッチ操作開始からルーフがロックされるまでの時間は約13秒だが、同社調べでは、純正部品である電動ハードトップ搭載の市販自動車として、世界最短だそうだ。10km/hのゆったりとしたスピードなら屋根を開閉することができるのも便利だ。

初代ロードスターからこだわり続けている127リッターの独立型トランクもついており、利便性も高い。

■エリアによって排気量の設定が異なる

マツダのロードスターは、MX-5と呼ばれ、アメリカやイギリスでも人気がある。もともと1960年代からヨーロッパを中心にライトウエイトスポーツカーブームが起きた。とくにイギリスではオースティンやロータス、ケータハムなどライトウェイトスポーツカーの名車がたくさん生まれている。マツダのロードスターもこのようなライトウェイトスポーツカーの復権を目指して開発が行われ、苦労を重ねて1989年に初代ロードスターが誕生したというわけだ。

当然ながらこのRFも、海外でも販売されるが、排気量やグレードは国ごとに異なる。このRFでは、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G1.5」と「SKYACTIV-G2.0」の2種類を市場に合わせて導入していくという。

現行のソフトトップの4代目ロードスターは、日本では1.5リッターだが、アメリカでは2.0リッターのエンジンだ。このRFでは日本も2.0リッターが導入され、ガソリンエンジンを縦置きにして専用チューニングが施されている。S、VS、RSと3グレードの5モデル用意され、価格は324万円〜370万円台となっている
ソフトトップに比べステアリングやサスペンションに変化はないが、最上級モデルのRSには、ソフトトップモデルで人気のブラックのアルカンターラ素材をベースに、ナッパレザーに赤のアクセントを施し、レカロ社と共同開発で造りあげたシートのほか、オプションでブレンボのブレーキ設定もあり、価格以上の上質感が感じられる。

■「将来的にはあるかもしれない」?

ライトウェイトスポーツカーのお膝元ともいえるイギリスでは2.0リッターの4モデルがラインアップされ、価格は円換算で330万円〜410万円となっており、日本とあまり差がない。だがイギリスでは、2017年3月に1.5リッターエンジンが、315万円と350万円の2モデルで加わる予定だ。

日本では今のところ1.5リッターを販売する予定はなさそうだが、このRFはソフトトップに比べて80〜110kgほど車両重量が重たくなっている。それを考えると1000kgを切るソフトトップのロードスターのように1.5リッターでキビキビ走らせるよりも、2.0リッターで余裕のコーナリングを楽しむ方向性が合っているのかもしれない。いや、むしろ、よりハイパワーが望ましいのかもしれない。

各国でも同じことを考えている人がいるようで、面白いエピソードがある。

イギリスのメディアがマツダに「ターボ搭載あるいは、MPS(マツダパフォーマンスシリーズ)バージョンは出さないのか」と聞いたそうだ。すると「今のところはない」ときっぱり言われてしまった。だが、同時に「将来的にはあるかもしれないが」とも付け加えられ、嬉しくなったようだ。

記憶にある人もいるかもしれないが、「ロードスターMPS」は、2001年に発表されたN/Aで200馬力出せるコンセプトカーで、当時は市販化が噂されたものだ。しかしながら、そんな質問をついしたくなるくらい、このRFには、ロードスターのハイパフォーマンスモデルの夢を掻き立てるものが存在するようである。

現在、燃費や積載についてばかり注目される実用車が圧倒的多数を占める中で、このロードスターRFは、その塗装やデザインも含めて、クルマ好きに刺さる希望の星ともいえるのではないだろうか。

 

  マツダ ロードスター RFとソフトトップ、どちらが買いなのか!?【徹底解説】               2016年11月22日

 

■いよいよ“ファストバックスタイル”のハードトップを備えたロードスターRFが発売開始
ホンダからS660やNSXが加わったものの、依然として国産スポーツカーは車種が少ない。2/3ドアクーペは10車種に満たない状況だ。

そうなるとバリエーションの追加も、選択肢を広げる上で大切になる。マツダ ロードスターは、電動開閉式ハードトップを備えたロードスターRFを追加設定した。2016年11月10日に予約受付を開始して、発売は12月22日だ。

先代ロードスターにも電動開閉式のRHT(リトラクタブルハードトップ)が用意されたが、現行ロードスターRFはハードトップの開閉方法が異なる。

オープンにした時でも後部のピラー(柱)が残り、ソフトトップとは違う外観に仕上げた。
これをファストバックスタイルと呼ぶ。リアウインドウが傾斜せずに直立しているから、正確には異なる表現だが、ボディを側面から見た時の形状はファストバックだ。

エンジンも国内ではRF専用とした。ソフトトップは直列4気筒1.5Lのみだが、RFでは北米や欧州に設定される2Lを搭載する。RFに1.5Lはない。

グレードはベーシックなS、ビルシュタイン製ショックアブソーバーを装着したスポーティなRS、ナッパレザーのシート生地が採用された上級指向のVSがある。SとVSには6速のMTとATが用意されるが、RSはMTのみだ。このあたりの基本的なグレード構成はソフトトップに準じる。
●気になるグレード選び!!
次はグレードの選び方を考えたい。S(324万円/価格はすべて6速MTで表記)とVS(357万4800円)では33万4800円の価格差があるが、VSはブラインドスポットモニタリングなどを含めたセーフティパッケージ(Sのオプション価格は10万8000円)、Boseサウンドシステム(7万5600円)、CD/DVDプレーヤー&地デジTVチューナー(3万2400円)を標準装着する。さらに2万円相当のシートヒーターも加えた。

そうなると装備の違いだけで約23万6000円に達するから、VSの特徴とされるナッパレザーのシート表皮は約10万円になるわけだ。VSが割安とはいえないが、前述の装備を含めてニーズに合うなら選択の余地があるだろう。逆にさほど魅力を感じないなら、Sにセーフティパッケージを加える買い方を推奨したい。

RS(373万6800円)は、Sに比べて49万6800円高い。装備も充実しており、セーフティパッケージ(10万8000円)、Boseサウンドシステム(7万5600円)、CD/DVDプレーヤー&地デジTVチューナー(3万2400円)、エンジンの吸気音を聞かせるインダクションサウンドエンハンサー(1万2096円/ディーラーオプション)を標準装着する。シートヒーター(2万円相当)を加え、これらの合計は約24万8000円だ。
そうなると残りの約25万円がビルシュタイン製ショックアブソーバー/フロントサスタワーバー/レカロ製シートという、RSの専用装備に支払う金額になる。

これも妥当だろう。軽自動車のダイハツコペンにはSグレードが用意され、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、レカロ製シート、MOMO製ステアリングホイールなどをセットにして約20万円の価格上昇だ。ロードスターRFで25万円なら高くはない。個別に交換する時の工賃込みの価格に比べれば大幅に安い。

それでも足まわりとシートの上級化で25万円の上乗せになると、判断に迷いそうだが、乗り心地、走行安定性、操舵感にこだわるなら選ぶ価値はある。
RFとソフトトップ、どちらが買い得なのか?
価格ではRFとソフトトップの違いも気になる。RFには電動開閉機能も備わり、どの程度の価格上昇になるのかを考えたい。

注意したいのはRFとソフトトップではグレードと装備が異なることだ。VSはソフトトップに用意されないので、条件を整えやすいRS同士で比べる。

RFのRS(373万6800円)は、ソフトトップのRS(319万6800円)に比べて54万円高い。ただしRFはソフトトップにオプション設定されるi-ELOOP&アイドリングストップ(8万6400円)を標準装着した。排気量はRSが1.5リッターだからRFは500ccの拡大になり、相場は「100cc当たり2万円」だから10万円に換算される。

このほか16インチアルミホイールの17インチ化、ブレーキサイズの拡大、内装の質感向上なども含めると、RFには総額で25万円相当の価値が加わる。この金額を車両価格差の54万円から差し引いた約29万円が、電動開閉式ハードトップの対価だ。

ソフトトップもオープンモデルだから、電動機能が加わるだけで29万円では割高な印象もあるが、簡単に開閉できるメリットに加えて快適性やセキュリティの安心感も高まる。そこまで加味すれば、あながち割高ではないだろう。先代型のRHTも同程度の価格差だった。つまりロードスターは、RF、ソフトトップのどの仕様を選んでも、買い得感に大きな違いはない。
ドライバーが積極的にクルマの挙動をケアしながら走る面白さ
そしてロードスターは趣味性が重視されるスポーツカーだから、価格の割安感よりも運転感覚の好みで選ぶべきだ。特にRFとソフトトップでは、世界観がまったく違う。

ソフトトップは、初代ロードスターへの原点回帰も視野に入れて開発された。1989年に1.6Lエンジンを搭載して登場しており、後輪駆動の楽しさを味わえる半面、当時でも走行安定性には疑問があった。ハンドルの舵角とアクセル開度を一定に保ちながらコーナーを回り込んでいくと、後輪側から横滑りを開始する。そこを不安定とするか、クルマと一体になって運転する楽しさと考えるかが、評価の分かれ目だった。

しかしこの運転感覚が多くのユーザーの共感を呼び、今でも初代モデルのファンが多い。ドライバーが積極的にクルマの挙動をケアしながら走る面白さは、ロードスターならではだ。「乗せてもらっている」印象になりがちな高性能スポーツが増えた今日では、特に貴重な運転感覚だろう。
現行ロードスターはこの点に力を入れて開発され、ソフトトップのベーシックなSは、6速MTでもあえてリアスタビライザーをはずした。カーブの出口で加速しながら車両の後部を沈ませ、後輪を若干腰砕け気味に横滑りさせる感覚は、まさに初代ロードスターの再来だ。個人的には、初めて試乗した時はちょっと感涙気味になり、このまま走り続けたら30年近く前の自分に戻れるような錯覚に陥った。

堪らないほど愛しいが、ロードスターの過去を知らない人が乗ったら、果たしてどう感じるのか…。ソフトトップのRSにも似たところがあり、1.5リッターエンジンの動力性能を含めて、「ちょっと頼りない感じのスポーツカー」と思うのではないか。さらにいえば「マツダってこういうクルマを造るメーカーなの?」と誤解するかも知れないなどと、余計な心配もしたくなる。
楽しいカーライフを送る理想は・・
その点でRFは普通に良くできたスポーツカーだ。

RSを試乗したが、ボディ後部のピラーが残ることで剛性が高まり、トップを閉じた状態では一層しっかりした印象になる。むしろボディ後部の剛性が高まりすぎたので、底面の補強材をソフトトップよりも弱めた。

操舵に対する反応がソフトトップよりも正確で、後輪の接地性を高めたから安心感も伴う。ハンドルを握る手首を捻っただけで、瞬時に車両が向きを変えるようなソフトトップの軽快感はないが、歴代ロードスターに不慣れなドライバーが運転することも考えるとRFは違和感が生じにくい。

乗り心地も向上する。ソフトトップのRSはビルシュタイン製ショックアブソーバーを備えながら硬めの印象で、常に上下方向に揺すられる感覚だが、RFでトップを閉じるとセダン的な快適性が得られる。

2Lエンジンも当然ながら実用回転域の駆動力が高く、予想したほどパワフルではないものの運転がしやすい。アクセル操作による挙動のコントロールも容易だ。
ソフトトップのSと、RFのRSと両方を所有できたら、楽しいカーライフが送れると思う。今の自分でいたい時にはRFのRS。若い頃に戻ってクルマと対話を楽しみながら、少し気を使って運転したい時はソフトトップのSを選ぶ。愚息にはソフトトップのSを運転させて、正確な操作を学んでもらう。こんな妄想をさせるクルマは、ロードスター以外にあり得ない。

皆さんも試乗する時から、ロードスターを大いに楽しんでください。仮にRFを買いたい時でも、まずはソフトトップを試乗して、世界観の違いを堪能した上で判断されるのが良いと思います。

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 「マツダ ロードスターRF」はロードスターなのか?                             2016年11月21日

 

今年12月22日、マツダはロードスターに電動金属ルーフを備えた「ロードスターRF」を追加発売する。いろいろな意味でロードスターとしては異端である。異端なのだが、正直なところ本当に良かった。

「幌のモデルはスポーツカーそのものに向き合うクルマ、RFはスポーツカーのある生活を楽しむクルマだ」。
■歴代ロードスターとは何か?
 
歴代ロードスターとは、そもそも低速コーナー特化型のスポーツカーである。具体的に言えば2速、あるいはせいぜい3速までで楽しむクルマだ。ボトムスピード時速80キロメートル以下がスイートスポットだ

もちろん高速が使えないわけではないが、圧倒的におもしろく、「ロードスターは唯一無二だ」と思わせるスイートスポットは低速だ。

厳しい言い方をすれば、高速での挙動は落ち着かない。短く丸いリヤデッキは、リヤに荷重を掛けるのが難しい。四輪車はその基本特性として、前輪は俊敏性、後輪は安定性をつかさどる。そして、タイヤは垂直荷重に比例して能力を発揮する。前輪への荷重を増やせばよく曲がり、後輪への荷重を増やせば安定する。余談だが、マツダはFF車のGベクタリングコントロールで、わずか2キログラム程度の荷重の増減でハンドリングが変わることを証明してみせた。

つまり高速コーナーを安定して走ろうと思えば、リヤに荷重を掛ける必要がある。フロントミッドシップで、基本荷重を50:50にしてあるのだから……と言いたいところだろうが、それでは足りない。たった数キロでもかまわないから、空力の助けを借りないと十分な安定性が手に入らない。

だが、ロードスターは決然と前後オーバーハングを短く、またその重量を徹底軽減する道を選んできた。リヤは空力形状的にダウンフォースを得にくい上に、着力点とタイヤの距離が近いからテコが効きにくい。だからロードスターは低速コーナーでは唯一無二の痛快さを持つが、高速コーナーはその本領を発揮するステージではないのだ。

その見事な割り切りこそがロードスターの神髄であった。ところが、ロードスターはグローバル車なので、欧州でも北米でも売れる。かの国々では平均移動距離が日本とは比べものにならないほど長く、アベレージが高い。日本よりはるかに高い速度レンジを日常的に使う。だから「高速安定性を何とかしてくれ」という声は長らく開発陣に届けられていたのだ。

■2つのアシを作り分けたNDロードスター

そこで、2015年に登場したNDロードスターでは足回りのセッティングを複数用意した。1つはスタビライザーによって旋回時のロール剛性を高めて、高速旋回能力を強化したモデル。これがSレザーパッケージとSスペシャルパッケージである。いわばグローバル対応モデルだ。

対して、ロードスターの本貫である低速特化型の日本専用モデルとして用意されたのがSである。Sはスタビライザーと補強板が一部省略されている。スタビライザーがないので、ターンインから外側フロントを沈めたダイヤゴナルロールへ、さらに駆動力を掛けて外側前後輪が平行に沈む平行ロールへという各段階の移行においてリヤサスの伸びが邪魔されず、素直に動く。その結果、減速からターンイン、旋回に入るまでの挙動が自然で、外乱にも強い。

最廉価モデルであるがゆえに、お買い得用の装備簡略版と見なされることが多いが、実はこれこそが開発チームに「NAロードスターの再来を目指した」と言わせる本命モデルだ。平行ロールに入ってからの定常旋回の長いコーナーではスタビライザーがあった方が良いが、そこまではスタビライザーはコーナリングの邪魔をする。ターンインの後、すぐ脱出になるようなワインディング路であれば、スタビライザーは邪魔なことも多いのだ。

ただし、タイヤはコストとの兼ね合いで、すべてのモデル(追加車種のRFは異なる)が同一タイヤを採用しなくてはならなかった。その結果、本来低速スペシャルのSには過分なグリップのタイヤが採用されている。ハイグリップタイヤによって増えた横力は、旋回時にリヤタイヤを支持するブッシュの弾性変化を大きくし、リヤタイヤのトーインを大きくして、曲がることに抵抗をする挙動を引き起こす。これがSのわずかな瑕疵(かし)となっている。念のために書いておくが、それを割り引いても、Sこそが歴代ロードスター後継として本命モデルであることは間違いない。

つまり日本でのユースを考えると、高速道路の山岳区間を気持ち良く走りたいならSスペシャルパッケージかSレザーパッケージを、もっと低速のワインディングを走りたいならSを選ぶと、一番おいしいところが楽しめるという構成になっている。

さて、こうしてアシを作り分けたのは、ボディを軽量コンパクト、ショートオーバーハングにしたかったからだ。同じシャシーを使うアバルト124スパイダーを見ると、同一のホイールベースに対して、全長が145ミリも長い。つまり前後オーバーハングがそれだけ増えていることになる。

ロードスター用のシャシーを提供したマツダはきっとこの数値を見て頭を抱えただろうが、低速の俊敏さより、高速の安定性を取るなら、長いトランクとトランクエンドのデザインによって高速でのスタビリティが確保できるのもまた事実だ。これは何を取るかの問題だ。そして世の中にはアバルト型のクルマが多く、マツダのような手間と暇をかけてまで徹底的にオーバーハングを削るメーカーは少ない。

NDロードスターは車両の前後端と乗員の肩の後方に衝突安全のための横方向メンバーが通っている。このメンバーは当然強度が必要だから重くならざるを得ない。しかし、前後端で重量が増えればヨー慣性モーメントが増えるし、肩の後方はと言えば、これもまた車両の一番高い位置で、重量が増えればロールが増加する。だからコストをかけて金属バットに使う7000番台のアルミ押し出し材を使って軽量化を行った。ある意味一点豪華主義とも言える高価な部品である。そんなことをやってくれたからこそ、その低速俊敏性においてロードスターは多くの人の胸を打ったわけだ。

こうやってギリギリのせめぎ合いの中で軽量、低ヨー慣性モーメントを徹底したクルマの、クリティカルに重心高に影響を与える位置に、重量増加一直線の電動金属ルーフを載せようというのだから、その真意をマツダに聞きたくなる。Sの原理主義にシンクロするユーザーなら「気でも違ったのか?」と言いたくなるところだ。筆者もそれを憂えていた一人である。

■あらたな付加価値を得たRF

ではマツダは一体何を目指してRFを作ったのか? ロードスターのエンジニアリングにはすべて理由がある。例えば、エンジン1つを取ってもそうだ。従来モデルの1.5リッターのエンジンは、デミオ用のユニットだが、それをポンと載せたわけではない。はじめに「躍度(やくど)」の徹底研究があった。躍度とは加速度の上昇率、つまり加加速度のことである。

開発陣は、車両重量1トンのクルマを必要なシチュエーションで、必要なだけ加速させるために、各回転数でどれだけのトルクが必要かをプロットして、最初にトルクカーブを描いた。それを実現するために必要な改良をエンジンに加えることで、気持ち良い躍度を実現していったのだ。そのために鍛造のフルカウンタークランクを用い、吸排気を新設計した。つまり、NDにとってのベストとなる動力源としてエンジン「SKYACTIV-G 1.5」は採用されている。

だから北米の販社から「1.5なんていらない。2.0だけ寄越せ」と言われたとき、マツダは怒った。「1.5を売らないと言うならロードスターは出さない」。世界で最も台数が売れるマーケットに対してである。それだけマツダは1.5に自信と執着があった。ただし、エンジニアによくよく聞いてみると、2.0を否定しているわけではないのだ。「バリエーションとしてはありだ」と彼らは言う。ただ、基本が1.5であることは譲れないのだ。

幌モデルの最軽量グレードであるSは990キロ。RFは1100キロである。普通に考えると、RFのエンジンが2.0に改められたのは重量増加対策である。それはある一面で真実かもしれないが、実は乗ってみるとちょっと違った。

Sはアクセルを深く踏み込んでエンジンを回して楽しむクルマ。対して、RFはその余裕のある低速トルクの粘りで、静かに走ることができる。首都高速道路の渋滞は2速固定でほとんど済ませられた。もちろんそこから踏めば、スポーツカーの名に恥じない加速をする。低速の余裕あるトルクがクルマの振る舞いに新しい付加価値を加えているのだ。

心配したハンドリングは多少マイルドになっているが良好だ。直接比較をすれば差はあるが、別にレースをやるわけではない。穏やかになったとはいえ、凡百のスポーティカーとはレベルが違う。考えてみれば重量はNCロードスターの最軽量モデルとほぼ同一。RFは現行スポーツカーの中で最軽量グループに入る一台なのだ。

もう1点、大幅に改善されたのは高速の直進安定性だ。記述のように、歴代ロードスターは低速にパラメーターを全振りしたスポーツカーだった。NDで多少高速旋回のスタビリティに手が加えられたとは言え、直進はまた話が違う。低ヨー慣性モーメントは、ハンドリングに絶大なメリットがあることと引き替えに、路面の不整で車両の進路が乱されやすい。チョロチョロするのだ。それがウソのように改善されていた。試乗から戻って最初にしたことは、操安性のエンジニアを捕まえて、何をやったのかを聞くことだった。リヤサスペンションのブッシュ容量を増やしたことが一番大きいのだと言う。

そうした積み重ねの結果、普段はアシとして実用的に使いながら、時にスポーツカーとして鞭(むち)を入れて楽しめるクルマを求める人にとって絶好の一台に仕上がっている。率直な感想は現代版のMGBである。

価格は324万円からと、幌モデルとはもうレンジが違う。複雑なルーフ開閉機構を採用し、どうやっても同じ価格レンジには収められないと悟ったマツダは、ナッパレザーのインテリアを採用するなど、質感の向上に努め、RFを「大人のためのスポーツカー」と定義した。幌モデルとの差額を考えると正直高いと思うのだが、グローバルでこうした2座のクーペがいくらするのかを考えると、日本人に生まれた幸福を感じざるを得ない。このスタイルならば、「オープンカーの屋根を閉めて走っている軟弱者」という妙なプレッシャーからも解放されるだろう。屋根を開けるも閉めるも自分が主体的に決めることができる。

 

  マツダ・ロードスターRF VSプロトタイプ(FR/6AT)【試乗記】                     2016年11月19日

 

「マツダ・ロードスター」に、スイッチひとつでルーフが開閉する電動ハードトップモデル「RF」が追加された。開発者のこだわりがつまったリトラクタブルハードトップの出来栄えと、ソフトトップ車とは一味違う走りをリポートする。
不都合を逆手に取ったスタイリング

今回の4代目マツダ・ロードスターも商品企画の初期段階から、電動ハードトップありきだった。先代の3代目ロードスターでも途中に「RHT(リトラクタブルハードトップ)」を追加してからは、ソフトトップよりRHTのほうが販売台数が多くなったからだ。……なのに、先行したソフトトップの設計開発では、そんなことはお構いなしにギリギリのパッケージングをした。

そこにソフトトップよりかさ張るハードトップを押し込めようとしても、とても入りきらない。当然である。

その独特のスタイリングから「RF(リトラクタブルファストバック)」と名づけられた新型リトラクタブル・ロードスターは、そんな不都合な現実(?)を逆手にとったデザインだそうである。試作段階では強引にフルオープン形状にする方法も検討されたそうだが、それでもソフトトップと同じスタイルにはならない(=オープン時には先代RHTと同等か、それ以上に盛り上がりが残る)し、RHTとは比較にならないくらいに複雑怪奇で重い機構になってしまう。

「収納してもハミ出てしまうなら、ハミ出した状態でカッコよくすりゃいいじゃないか」との発想が、そのハミ出し部分を美しくカバーするタルガトップ風スタイルにつながった。

ロードスターRFは見た目にはタルガトップだが、実際のリアウィンドウは格納ルーフと一体である。オープン時にはウィンドウも同時に格納されるので、シート背後は貫通した巨大ロールバーのような形状になる。よって厳密にはタルガトップではなく、オープン時の開放感はタルガトップを確実に上回る。

デザイナーの理想をそのまま実車に

ロードスターRFを特徴づけているのは、1970〜90年代のミドシップスーパーカーを思わせるリアクオーターピラーの造形である。

ソフトトップのロードスターに続いて、RFでもチーフデザイナーをつとめた中山 雅氏(現在はロードスター企画開発全体の主査に昇格)によれば、RFのデザイン画は、迷いなく、あっという間に、ひと筆描きのごとくできあがったという。

ルーフを逆手に取ったファストバック(あるいはタルガトップ)にする着想を得た時点で、「もともとのロードスターのフェンダーラインや全長を生かすなら、ルーフの曲線、そしてファストバックの着地点は、これしかありえません」と中山氏。あとはビジュアル的には寸分も動かせないセンを、いかに技術的に再現するか……だった。

とくに苦労したのは「機内持ち込みサイズのキャリーバッグ2個を収納できる」というソフトトップと同等の積載能力を両立させること。普通はピラーの着地点とトランクリッドの分割線が同じ位置になるが、そうするとルーフラインかトランク開口部のどちらかが犠牲になる。

そこで、RFではクオーターピラーを含む可動カバーとトランクリッドを“はめあい”形状にすることで解決した。これを言葉にするのは簡単だが、実際にはギリギリのスキ間にモーターを仕込んで、車体に複雑な荷重がかかった状態で作動を保証するのは簡単なことではなかった。

その開発には壮大なドラマがあったのだろうが、最終的には中山氏に「最初にひと筆描きしたラインをほぼ完璧にカタチにできた」といわしめる結果となった。
ルーフを開ける動作でさえも美しく

片道約13秒というRFのルーフ開閉タイムは、マツダによれば「2016年10月現在で、メーカー純正電動ハードトップ市販車で最速」だそうだ。

それはおそらく正しい情報だろうが、あえてツッコミを入れさせていただければ、現時点では最速でも、歴代最速ではない。少なくとも、先ごろまで生産されていたフランスの「ルノー・ウインド」は12秒をうたっていたからだ。まあ、ウインドは1枚のルーフパネルが反転するだけのシンプル構造だったから、技術的にはロードスターRFのほうが何倍も困難だろうけど……。

現時点最速のハードトップ開閉を実現している最大のキモは“カバーが持ち上がる→トップを折り畳む(もしくは展開する)→カバーが下がる”という3動作がブツ切れでないことだ。ひとつの動作の終わりと次の動作の始まりが、並行してシンクロしながら、結果的に全行程がひとつの流れで進行する。また、カバーやトップが最終的にロックされる瞬間も“ガチャ”ではなく“スッ”という感じ。

ここもチーフデザイナーの中山氏やトップ開発エンジニアのゆずれない一線だったそうで、実際に見ると、なるほど見事なものである。しかも、10km/h以下なら走行中でも開閉可能。実際のオーナーになって、気分次第でトップを開け閉めするシーンを想像すると、こういう細かい親切はなんともありがたい。

日本で販売されるRFはソフトトップとは異なる2リッターとなる。もちろんRFが1.5リッターで成立しないわけではなく、欧州仕様のRFには1.5リッターも用意される。また、北米向けは欧州とは対照的に、ソフトトップ、RFともに2リッターだ。

われわれとしては日本でも選択肢をすべて用意してほしいところだが、マツダの開発陣は「ソフトトップは使いきれる1.5リッター、RFは余裕ある2リッター……という日本のラインナップがベスト」とゆずらない(笑)。
ボディー剛性もアシのチューニングも好印象

今回は試乗もできたのだが、発売直前の プロトタイプを都心でチョイ乗り……という条件だったので、細かいことは書きづらい。

試乗車は穏健グレードの「VS」。タイヤがソフトトップより大径の17インチとなるのはRFだからではなく、2リッターだからである。海外向けの2リッターはソフトトップでも17インチが基本だ。

車重が1.5リッターのソフトトップより約50kg重いので、全体に重厚感があるのは当然としても、同時に、RFはより落ち着いたフットワークを意図した調律になっている。なるほど従来のソフトトップより、低速でもアシは滑らかに動いている感じである。

また、 クルマ全体の剛性感もソフトトップより好印象なくらいで、「ブリヂストン・ポテンザS001」というタイヤチョイスもあって、路面からの突きあげも、いかにも丸められて快適だった。

ただ、今回のRFのサスペンションは細部のチューニングだけでなく、リアアッパーアーム付近に新しいフリクション低減策が盛り込まれているのも、奏功しているっぽい。ソフトトップ(のリアスタビライザー装着車)にあるリアが少し突っ張るようなクセが、RFではまったく気にならなかったからだ。

この新リアサスはどうやらRF専用というわけでもないようで、開発陣は明言しなかったが、遠からずソフトトップにも適用される気がしてならない(あくまで個人の感想です)。

2リッターは1.5リッター比でトルクが太いだけでなく、許容回転数も600rpmほど下げられている。つまり、1.5リッターのようにブン回すのではなく、もっと気軽な走りを想定している。

そういうこともあって、RFももちろん6段MTで気持ちよく走ったが、MTに対する6段ATの印象も相対的に上がっている。クルマまかせでも、ちょうど2リッターエンジンのおいしいところを引き出してくれるのだ。

もともとロードスターの6ATはトルコンATとしては 屈指のキレ味であることもあり、とくに今回のVSような上級グレードでは、6ATのほうがクルマ全体のリズム感にはマッチしているように思えた。

 

【マツダ ロードスターRF 試乗】クーペそのものの乗り味も味わえる…                     2016年11月19日

 

マツダ『ロードスター』のラインアップに電動ハードトップを備えた「RF」(リトラクタブルファストバック)が追加された。
リトラクタブルファストバックの名が示すとおり、ロードスターRFはソフトトップ仕様とは異なるカッチリしたスタイリングで独特の魅力を放っていた。試乗グレードはもっともスポーティなRSでミッションは6MT。ボディカラーは最近追加された新色のマシーングレーメタリックで、よりリトラクタブルファストバックのスタイリングが際立っていた。
ハードトップの開閉は12〜13秒程度で完了する。操作はインパネ中央の下よりにあるスイッチを上下させるだけ。ルーフのロックを外すという

行為も不要だ。10km/hまでなら走行中でも開閉が可能だということで、クルマをゆっくりと発進させながらルーフをオープンした。オープンカーは走りながらルーフを開けた方が絶対にカッコイイ。
スイッチは押し続けないとならないので、本当にゆっくりと走りながらの操作。かなり空いている道じゃないと、この快感は味わえない。
ルーフが全開になったところで、アクセルも全開…といきたいところだが、都内一般道の試乗なので自制心を働かせたアクセルワークでクルマを進める。ソフトトップのロードスターが1.5リットルエンジンを搭載するのに対し、RFに搭載されるエンジンは2リットル。最高出力&最大トルクは158馬力/200Nmで、1.5リットルに比べて27馬力/50Nmほどスペックアップされている。
普通はエンジンの排気量を増やすとギヤを低く(重く)して、燃費や快適性を向上するものだが、ロードスターRFはそれを拒否した。
ミッションは1.5リットルと同じで軽々とつながりのいいセッティングのまま。1.5リットルと同じくリズムに乗った走りが可能で、コーナーに向かってシフトダウンしていくのが楽しい。
そしてコーナーだ。RFは1.5リットルよりも1サイズ太い205/45R17サイズのブリヂストン・ポテンザS001を履く。加えてRSグレードはビルシュタインダンパーが組み合わされるのでコーナリングの安定感はバツグンにいい。ボディ剛性もソフトトップモデルより向上されているようで、ステアリング操作に対するクルマの動きの正確さは高い。
ルーフを閉めて走った際の快適性はよく、クーペそのものの乗り味を味わえる。とくに風切り音はよく抑えられていて、ソフトトップのロードスターとは一線を画す静粛性を実現している。55×40×25cmサイズのバッグを2個搭載できる容量のトランクも備え、ハードトップタイプのオープンルーフを持つ2ドアモデルとしてはかなり高い実用性を誇ると言える。
ただし、価格はソフトトップモデルと比べるとグッとアップ。RFは324万円〜373万6800円の価格帯で、250万円を切る価格設定のあるソフトトップモデルと比べるとかなり上級のイメージとなる。

 

  日伊合作で復活した名車「アバルト124スパイダー」                                 2016年11月16日

 

「アバルト」のスコーピオンエンブレムには、長い歴史がある。
元をたどると、フィアットの小排気量車をベースにしたエンジンチューンやレース車両の製作を手がける自動車メーカー、「アバルト&C.」へと行き着く。「アバルト&C.」は1971年、フィアットに買収されレーシング部門を担うようになるが、1981年には会社自体が消滅。
アバルトの名は残ったが、会社としての歴史は途絶えた。「アバルト&C.」の名称がFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルス)の一組織として復活したのは2007年。その翌年の2008年には、新型「フィアット500」をベースとした「500アバルト」を発表。
世間の耳目を集めた。そのアバルトが新たに手がけたのが「アバルト124スパイダー」である。

「マツダ・ロードスター」をベースにアバルトが味つけを施した「124スパイダー」
 
そもそも「124スパイダー」は、WRC(世界ラリー選手権)をはじめとする様々なレースにおいて、幾多の栄冠を手にした名車である。
その名が、40年の時を経て『アバルト』ブランドとして甦った。
ベースとなったのは、新型「マツダ・ロードスター」。生産はマツダが本社工場にて行い、スタイリングデザインやパワートレイン、室内装備・材料、サスペンション及びステアリングフィールはFCAが独自で開発した。心臓部には、1.4Lマルチエア4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力170ps、最大トルク250Nmを発揮し、0-100km/hの加速は6.8秒(欧州仕様参考値)となっている。軽量素材の使用によって車両重量は1150kg(マニュアルモデルは1130kg)に抑えているので、パワーウェイトレシオはクラストップの6.2kg/hp(乾燥重量1060kgの場合)を達成した。
また、エンジンノートは、エンジンの回転数に応じて排気経路が変わる「レコードモンツァ・デュアルモード・エキゾーストシステム」をアクセサリーで設定。心地よい深みのあるサウンドを愉しむことができる。
 トランスミッションは6速マニュアルと6速オートマチックを設定。マニュアルはストロークの短いダイレクトなレバーによる速やかで正確なシフトが特長だ。オートマチックはトルクコンバーターを採用し、エンジントルクをフルに活用するとともに本格的なレーシング感覚を実現している。エンジンとトランスミッションから産みだされるパワーを路面へと伝えるサスペンションには、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアに5アームのマルチリンク式を採用。コーナリング時や減速時の安定性を高めるよう特別なチューニングを施した。

マツダ・ロードスター」とは異なる「アバルト124スパイダー」独自のデザイン
 
インテリアは見られることを意識したスタイリッシュな造作だが、その根底にあるのはドライバーズファーストの思想。シートはサポート性と快適性を兼ね備えていると同時に、ドライバーがクルマの挙動を感じやすいように可能な限り後方に低くセッティングされている。ちなみに、シートの素材はアルカンターラとレザーの組み合わせに加え、オプションでオールレザーを選択可能だ。
 オープンカーらしいのは、快適性の確保のために標準装備されたシートヒーター。そして、防音型のウィンドスクリーン、リアウインドウ、2層ソフトトップを設置することで高い遮音性能を実現した。ソフトトップの開閉は手動だが、運転席から片手で簡単に行うことができる。
軽量でキビキビと、鋭く走る姿は、小さくても侮れない一刺を持つサソリそのもの。40年ぶりにその名が復活した「124スパイダー」に、伝統の『アバルト』のチューニングと「ロードスター」の技術が加わった1台。走りを堪能できるピュアスポーツであることは間違いないだろう。

 

  マツダ・ロードスターRF VS (国内初試乗)                                 2016年11月10日

 

どんなクルマ?
確かに車名はマツダ・ロードスターという今までのロードスターと同一のものではあるが、今回新たに追加されたリトラクタブル・ハードトップ・モデル、RFは、オープン・モデルのロードスターとはまったく別の異なるシーンを想像させるクルマだった。

NC、つまり先代、3代目のロードスターからバリエーションとして追加されたパワー・リトラクタブル・ハードトップ(PRHT)はただ単に標準的なロードスターのソフトトップの部分をハードトップにしました、といったようなモデルであった。それに対し、新しいRFは美しいファストバック・クーペ(というよりもベルリネッタと呼びたい)ボディをまとった華麗なモデルに仕上がっているのだ。

もちろん、メカニカル的にも大きな変更点はある。それはパワー・ユニットの変更だ。これまでの直列4気筒1.5gノーマル・アスピレーション・エンジンから2.0gノーマル・アスピレーション・ユニットに変更されたことだ。パワー、トルクは158ps/6000rpm、20.4kg-m/4600rpmだから、1.5gユニットに対して27ps、5.1kg-mほど上がったことになる。しかし、最高出力の発生回転数は1000rpmほど落ちている。また、排気量アップしたエンジンとリトラクタブル・ハードトップの追加によって110kgほど重量がアップしている。

更に、足まわりはハードトップらしい上質で靭やかな走りを感じさせるための独自セットアップとなっている。具体的には重量と剛性の変化に伴って、ダンバーのガス圧、フロント・スタビライザー、リアのスプリングとバンプストップ・ラバー、サスペンション・リンクの変更などを行っている。また、ホイールもオープン・モデルでは16インチと17インチが用意されていたが、RFでは17インチ1本に絞られてる。

この他、ラグジュアリーな雰囲気に合わせて、オープン・モデルではいわゆる普通の本革をオプション設定していたが、このRFのVSグレードには高級なナッパ・レザーがオプション設定されるなどしている。

グレード展開は、ベーシックなS、最もメインにとなろうVS、そしてMTモデルのみの設定となりブレンボ・ディスクなどがオプション設定される走りのモデル、RSの3グレードだ。
どんな感じ?

そのリア部分を真横から見た姿はランボルギーニ・ミウラのようであり、リアを斜め後ろから見た姿はディーノ246GTを思い起こさせた。特に40歳代、50歳代のスーパーカー・ブームの洗礼を受けた人間には少なくともそう想起させるスタイリングだ。デザイン本部長の中牟田泰氏や、チーフ・デザイナーの中山雅氏にストレートにこれをぶつけてみたら、「うふふ、パクりました。」という答えが返ってきた。もちろん、パクりましたというのは冗談だが、1960年代から70年代のスーパーカーといわれたイタリアン・エキゾティックのデザインをオマージュし、リスペクトしているという意味だろう。この美しさはガンダムチック(これも古い言葉だが)なデザインの多い昨今、貴重な存在だ。

本当にファストバック・クーペの美しさを追求したのだろう。そのこだわりは、実に細かいところまで作り込まれている。例えば開閉するルーフとボディのつなぎ目のラインは、単純にルーフの開閉機構を収納するためにここをこう切りました、ではなく、RFのボディ・ラインを崩さないところにパーティング・ラインを入れ、そのラインを保持するために最後の最後まで開閉機構の小型化などを行ったという。

ルーフ自体の開閉も、ボタンひとつで操作が可能。NCではルーフのロックをマニュアルで外す作業が必要だったが、RFではメイン・コンソール中央下部のスイッチを押すだけで全てが終了する。これも、オープン化する時、あるいはクローズド化するときの操作を優雅に見せたいというためのもの。更に、ルーフはフロント&ミドル・ルーフ部と、リア・ルーフ部に分かれるが、この2つのパーツと、バック・ウインドーの開閉動作がオーバーラップして動くようにしている。その結果、13秒という世界最短のルーフ開閉時間が実現されたのと同時に、非常にシームレスな美しい動きを見せるのだ。中山氏は、クルマがショーウインドーに移ったときなどにルーフを開けてみてその美しさを確認して欲しいと言っていた。
さて、少しメカニカルな面にも触れておこう。SKYACTI-G 2.0ユニットは、110kgほど重くなったボディに対してもそのパワー・アップ分でお釣りがくるほどの動力性能をロードスターに与えている。特に、中低速でのトルク感の向上は、排気量が33%もアップされたのだから誰もが実感できるもの。最高出力の発生回転数が1000rpm落ちた分、エンジンの吹け上がりなどの軽快感はすこし削がれたようだが、それでもまだまだ軽快なユニットだ。パワー・デリバリーはスムーズなまま。また、足まわりもオープン・モデルよりもジェントルなタッチで、街中や高速クルージングでは明らかにRFのほうが落ち着きが良い。

それでも、ステアリングの初期応答性といったロードスターの命とも言える「人馬一体」感が少なくなったというわけではないから安心してほしい。今回試乗したのはVSグレードであり、スポーティ・グレードのRSではなかったが、このVSグレードのサスペンションの味付けがベスト・チョイスだと容易に想像ができた。また、トランスミッションも6ATと6MTの2つが用意されるが、6ATでもパドル・シフトを備える上に、その出来は非常に良いものであるから、敢えて6MTをチョイスする必要を感じなかった。3ペダルを操る楽しみもあるかもしれないが、おそらく普通のドライバーが乗る分には6ATの方が速いに違いない。

そして、クローズドの状態での室内の静粛性についても不満はまったくなかった。さすがにソフトトップ・モデルの幌を閉めた状態とは比べものにならない。ボディ剛性についても、問題はなしとしたい。
「買い」か?

冒頭に書いた、まったく別のシーンを想像させる、とは、オープン・モデルのロードスターが、どちらかといえば軽快な走りを求めるユーザーに訴求したクルマであるのに対し、RFは優雅にオープンエア・ドライビングを愉しむ、あるいはクローズドでの美しいスタイリングを愉しむクルマでだということだ。実際にはそれほど大きな差はないかもしれないが、オープン・モデルは比較的若いユーザーがワイディングなどを軽快に走るのに対し、RFは子供達も独立し夫婦2人で余暇を過ごすアダルトがゆったりと愉しむGT的なスポーツカーだと思う。

本当にオープン・エアを楽しみたいのであればオープン・モデル一択だ。しかし、普段は屋根を締めて、気持ち良く走れる郊外のワイディング・ロードや、日差しが心地好い季節に屋根を空けて風を楽しみたいという向きにはRFの方がベスト・チョイスだ。

日本市場では、オープン・モデルは1.5g、リトラクタブル・ハードトップ・モデルは2.0gというマツダの選択も正しいものだ。オープンの2.0gやリトラクタブル・ハードトップの1.5gは不要だ。

価格は、3,261,600円から3,736,800円と、オープン・モデルに対して70万円ほどのアップだが、その美しいボディとパワーアップしたエンジンを手に入れる差額とすれば、決して高いものではない。

   マツダ・ロードスターRF VS

  価格  3,596,400円
  全長×全幅×全高  3915×1735×1245mm
  ホイールベース  2310mm
  乾燥重量  1130kg
  エンジン  直列4気筒1997ccガソリン
  最高出力  158ps/6000rpm
  最大トルク  20.4kg-m/4600rpm
  ギアボックス  6速オートマティック
  サスペンション  ダブル・ウィッシュボーン / マルチリンク
  ブレーキ  ベンチレーテッド・ディスク / ディスク
  ホイール+タイヤ  17 x 7J + 205/45R17
  燃費(JC08モード)  15.6km/?

 

 

 【SEMAショー16】マツダ ロードスターRF に「Kuro」…7馬力向上                        2016年11月6日

 

マツダの米国法人、北米マツダは11月1日(日本時間11月2日未明)、米国ラスベガスで開幕したSEMAショー16において、新型『ロードスターRF』の「Kuroコンセプト」を初公開した。
同車は、米国市場で発売されたばかりの新型ロードスターRFをベースに開発されたコンセプトカー。新型ロードスターRFは、電動リトラクタブルハードトップを装備。クーペボディとオープンボディが、簡単に切り替えられる。
SEMAショー16で初公開されたKuroコンセプトでは、ボディカラーをサテンブラックメタリックで塗装。黒色に近い灰色、チャコールのセミマット塗装が、類まれな存在感を主張する

足元は、BFグッドリッチ製の215/45R17サイズ「Rival G-Force」タイヤを装着。レイズ製のホイールを組み合わせる。ブレンボ製のブレーキと調整式サスペンションは、レーシングカーの『グローバルMX‐5カップカー』から移植された。
この他、軽量なセンターエグゾーストシステムを装着。北米マツダは、「最大でおよそ7hpパワーが向上した」と説明している。

 

  アバルト124スパイダー(FR/6MT)【試乗記】 124スパイダーマツダの違いは                  2016年11月2日

 

アバルト流“快楽へのアプローチ”
アバルトのオープンスポーツモデル「アバルト124スパイダー」に試乗。市街地や高速道路、ワインディングロードなど、さまざまなシチュエーションを走り、ベースとなった「マツダ・ロードスター」との違いを浮き彫りにする。
日本人はスゴいのが好み

アバルト124スパイダーを転がすたびに、そういう気持ちがほんわかとわき起こる。その理由は、このスポーツカーが“マルチエア”と呼ばれる1.4リッターの直噴ターボエンジンを搭載しているからに他ならない。

イタリア本国では(少なくともオフィシャルには)マツダの“マ”の字も

語られていないとの話を聞いたが、ご存じの通りこのアバルト124スパイダーはマツダ・ロードスターのシャシーを使って作られた、後輪駆動のオープン2シーターだ。当初はアルファ・ロメオがこれを使って次期型「スパイダー」を作るとアナウンスされていたが、いつの間にかそのプロジェクトをフィアットが引き継ぎ、あれよあれよという間に仕立ててしまった経緯がある。

アバルトというからにはそのベースがあり、ヨーロッパと北米ではベーシックグレードを「フィアット124スパイダー」として販売しているようだが、日本では今回試乗した「アバルト」のみ。これは筆者の推測でしかないが、日本には本家であるマツダ・ロードスターがあるからバッティングを避けたのだろう。
また日本はアバルトに限らず、ベーシックグレードよりもスペシャルモデルが特に売れる傾向がある。ロータスが世界で一番売れているのも日本だし、ルノーでも「ルノースポール」の販売台数は、やはり世界で3本の指に入る。ポルシェにしても「911」は北米や本国ドイツの次くらいに人気があるはずである。

懐かしのターボエンジンの味

話を戻すと、エンジンのキャラクターというのはその“時代感”によって構築されていくものだ。現代の潮流は、完全なる「トルク型」。その理由は間違いなくエミッションコントロールと燃費性能の追求で、低中速トルクのパンチ力と、多段化したクロスレシオのトランスミッションによって、エンジンを回さずとも加速力と高速巡航性能を得られることがスタンダードになっている。

そんな世の中にあって、このアバルトがちょっと面白いのは、はやりのダウンサイジングターボと古典的なターボの特性が、うまくミックスしているところだろう。

1.4リッターの小排気量エンジンをターボ化したものだから、過給がきちんと掛かるのは3000rpmを過ぎてから。
ローギアードな1速や2速の加速はよいとして、例えば街中を3速以上でクルージングしているような場面でいきなり目の前が開けても、きちんとシフトダウンしてやらないと、加速体勢に入らない。

これが筆者には、ちょっと懐かしい感じがした。イマドキのダウンサイジングターボならたとえ1500rpmでもアクセルをちょこっと踏み足すだけで、トルクがわき起こってクルマは進む。それができないアバルトに最初には「む?」と眉をひそめたけれど、それによりいかに自分が現代慣れしていたのかを確認できたし、このシフト操作による“ひと手間”こそ、クルマ好きがスポーツカーに求める対話なのだと久々に思い出した。

今回試乗したのは6MTで、その手応えは本家ロードスターよりもちょっと曖昧なフィーリングだが、これは先代「NC」型のトランスミッションを採用したことが理由らしい。NCロードスターは確かに2リッターだったし、25.5kgmのトルクに耐えるにはうってつけなのだろう。北米仕様の2リッター用トランスミッションは使えなかったのかな? などと想像を巡らしつつも、ほどよく緩い感じがその乗り味とも絶妙にマッチしていたので、それほど悪い気はしなかった。

そう、アバルト124スパイダーは、普段使いでは実にまったりと走ってくれるのだ。過給ゾーンを外すと出ばなをくじかれるけれど、これをキープすれば必要にして十分なトルクが得られ、そのしなやかなサスペンションとともに快適なクルージングができる。
「SPORT」モードで本領発揮

ターボ化とエクステリアのデコレーションによって、最も軽い「ロードスターS」との比較では140kgも違う車重がそうさせるのか、乗り味も落ち着きがあっていい。特にロードスターで感じた操舵における初期応答性の過敏さが街中では薄らいでいる。最初からフロントに荷重(プリロード)が掛かっているために、サスペンションの沈み始めが穏やかなのである。また路面からの突き上げ感も、重量増によって対策されたのであろうダンパーのダンピングが、うまく衝撃を吸収してくれる。

そう書いているとこのスパイダーがロードクルーザーだと勘違いされてしまいそうが、それだけじゃない。もちろんその性格も持ち合わせているのだが、お楽しみは過給圧をはじめとしたエンジン制御が先鋭化する「SPORT」モードボタンをポチッと押してからだ。

ジキルとハイドとまでは言わないが、このモードに入るとスパイダーは、インタークーラーターボの実力を発揮して、きちんと“サソリの毒”を前面に押し出して来る。

エンジン回転のリミットは6500rpm付近と低めで、針がリミッターに当たってもエンジンは“モォ〜”っとうなるだけなのだが、そこまでの行程はパンチがあり、ひとことで言えば本家よりもずっと速い。なおかつトルクの出し方がうまく、これがオープンエアの走行フィールと合わさると、本当にドンピシャな刺激になる。
ロールでクルマと語り合う

17インチタイヤを履くことでスタビリティーは確保されているが、きっちり走らせるとハンドリングの本質は本家ロードスターと同じ。前輪のグリップをあてにして、ブレーキング重視でコーナーへノーズをねじ込んでゆくと手応えが薄く、ステアリングを切り込んだ際のインフォメーションが希薄になる。これはオープンボディーゆえにフロントのサスペンション剛性を上げられないこと(乗り心地からの要求)と、電動パワーステアリングの操舵フィールによるものだろう。

だからアバルトを気持ち良く走らせるには、ブレーキングをあまり追い込まず、さっさとターンしてしまうに尽きる(アンダーステアは出さずに、だ)。ターンインではなくターンミドルで外側ふたつのタイヤに荷重をかけると、実に気持ち良いグリップ感でコーナリングを開始してくれる。ロールモーメントでクルマ(およびタイヤ)と会話することができるのだ。

そのとき生きてくるのがターボパワー。この穏やかで力強いトルク特性が、後輪をジワジワさせるのも、逆にグリップさせるのも自在にこなしてくれる。その際に機械式LSDが絶妙なトラクションを与えてくれるのはとても助かる。ドライバーは自分の運転がうまくなるほどに「ポテンザRE050」のグリップを「やや高いかな」と感じるだろうが、それまでの安全を保証してくれる意味では、そのチョイスも絶妙だ。
マツダとはここが違う

ちなみに富士スピードウェイでアバルト124スパイダーを走らせたときは、オーバーハング重量の増加がサスペンション剛性に対して余計なイナーシャ(慣性)を生み出していると感じたが、ワインディングロードではその影響が出るほど飛ばさないから、ノーマルサスペンションでも十分に楽しく走ることができた。

本家ロードスターは少ないパワーを使い切って走らせる楽しさを追求するタイプ。それゆえにチョット本気を出すと、常に高回転をキープして走り続けなければならない。それがバイクのようで楽しいのだけれど、「アドバンスポーツV105」を標準タイヤとすることからもその高いグリップが支配的で、タイヤとの会話を楽しむには、少しばかり限界が高いと筆者は思う。

対してアバルト124スパイダーはパワー&トルクがあり、場所を選べば本家よりもイージーにマシンコントロールを楽しめる。それが結果として、走りを追い込まない“ゆるさ”になっていると思う。この快楽に対するアプローチの違いが、マツダ・ロードスターとの一番の違いだ。

どちらが欲しい? と聞かれたら悩んでしまうけれど……マツダ・ロードスターにこのエンジンを積んでくれたらいいかも! と今回は逃げておくことにしよう。

 

  フィアット124スパイダー                                             2016年10月30日

 

■プロローグ

“2対のボンネットの隆起はオリジナルの124スパイダーへのオマージュ。かつては大きくなったエンジンを収めるための膨らみであったが現在は……?” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
あなたがこのクルマをどのように捉え、どのような印象を抱いているかはひとまず置いておいて、フィアット124スパイダーの登場はグッドアイデアだったと、わたし自身は思っている。

なぜならフィアットは、500以外に売るクルマを持ちあわせていなかったからだ。いちおう「ティーポ」なるモデルも復活したが、あれはマーケティング上の意図もあっただろう。だから124という小さなスポーツカーを作ったことはよい判断だった。

特にアメリカのマーケットは、124スパイダーの登場を喜ぶはずで、だからこそかつて親しまれた124スパイダーの名をつけたというのもあるだろう。

ただ、マツダがMX-5を1990年代から継続的にラインナップの支柱としているのに対して、フィアット・バルケッタやアルファ・ロメオ・スパイダーは浮かばれない時期が少なからずあった。

よって、現行の124スパイダーの投入は、フィアットにとっての正念場といえよう。

オマージュのオンパレードで、MX-5の影に居続けるしかないか、あるいはトリノのアイデアが正しかったかどうか? いざテストをはじめよう。
■特徴

“ブラボー、フィアット! トランク・フードを開けるためのスイッチをMX-5の位置から移設した点をまずは褒めたい。ほかにも同じような配慮があればいいのだが” ― ニック・カケット(ロードテスター)

124スパイダーとMX-5を見間違えるひとはいないだろう。たしかにシャシーや内装は共通パーツが目立つが、ボディ・パネルは1枚として同じものを使っていないからである。プロポーションは確かに似ているものの、全長がMX-5より長いのは一目瞭然だ。
デザインはフィアットが独自でおこなった。500ほどオリジナルと似てはいないが、リアのフェンダーなど、ヴィンテージ・モデルの要素を積極的に、しかも賢く取り入れていることはよくわかる。

真のスポーツカーといえるかどうかは、より客観的な見方をしなければならないが、すくなくともAUTOCARのテスターのなかで、124のデザインを「不快だ」という者はいなかった。

ボディ・キットやターボチャージャーが加わっているにもかかわらず、車重が1125kgに抑えられているのもよいではないか。と、思う。

ここ英国では、MX-5には1.5gの自然吸気ユニット(131ps)と2.0gの自然吸気ユニット(160ps)が組みあわせられるが、フィアット124スパイダーは1.4gの「マルチエア」ターボ・ユニット(140ps)の一本立て。アバルト版が同エンジンの170psを発揮するタイプを搭載する。

1.5gのエンジンを搭載した標準のMX-5と同じくLSDは組みあわせておらず、ダンパーもビルシュタインではなくスタンダードなものとなる。

サスペンションは4本とも独立式で、セッティングは124用に改められている。形式はマツダと同じくダブルウィッシュボーンとマルチリンク。ステアリングはデュアル-ピニオンの電制方式。
ギア比は異なるが、ほかのメカニカルはMX-5と同じ。プラットフォームも特に改められておらず、製造は日本の広島県でおこなわれる。

インテリア

“手動で開閉する幌は構造的に優れている。電動式より早く開閉できるのもよし。片手で操作できるのはもっとよし” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

エクステリアはMX-5と異なっているが、車内に乗りこんでみるとインテリアは共通している部分が多い。つまりマツダがフィアットにパーツを提供しており、フィアットがエンブレムを張り替えている。

したがって7.0インチのタッチスクリーンがダッシュボード中央に設置されるわけだが、124スパイダーの場合、エントリー・グレードでは組みあわされない。ただ、手放すことを考えると、査定のうえでは必須項目だといえよう。

タッチスクリーンは往々にして操作しやすく、メニュー・ボタンやスクリーン上の表示など、いかに直感的に見せるかを(マツダは)かなり慎重に考えたのだろうと推測できる。ちなみに「ルッソ・プラス」と呼ばれるグレードには、BOSE製のスピーカーがつく。
小物入れが決定的に不足しているのはマツダMX-5と同じだが、荷室容量はMX-5よりもわずかに大きくなっている。といっても、その差は10?程度だ。たいした差ではない。

パフォーマンス

“ESPは切り替え可能。ただ、124スパイダーは、あり余るほどのパワーや、それをタイヤに伝えきるほどの安定感があるわけではない” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

以前テストした際、124スパイダーのエンジンは高回転域でゼイゼイと息を荒げていた。

が、それから3000km以上の距離を重ねたテスト車は、以前よりも軽くエンジンが回るようになった。

といってもターボ・ユニットであるから、ミドル・レンジがもっともおいしいのは変わりない。ちなみにピーク・パワーは(140ps/5000rpm)、ピーク・トルクは(24.5kg-m/ 2250rpm)。

2000rpmが力不足なのは気になるが、2000rpmを超えるとエンジンのパンチ力は一気に増す。吸気音も魅力的である。

ただし数値が示すほど、体感的には速くない。

よって0-97km/hタイム(=7.3秒)よりも、0-48km/hタイム(=2.5秒)のほうが魅力的に感じるだろう。この数字は、ほとんどのFFのホットハッチよりも速い。

レスポンスは全般的には不満がなく、ターボ・ラグもほとんど看守されない。タービンが回っているような音がしないのもよい。

6速マニュアルのシフト・フィールは明快で、ギア比もエンジンの出力特性にマッチしている。ペダル配置もよく考えられているからヒール・トウもしやすい。制動力も不足しておらず、ペダルを踏んだ感触も気持ちがよかった。
乗り心地とハンドリング

“急な操舵を試みると、ボディのゆるさが気になる” ― ニック・カケット(ロードテスター)

どうしてもベースを共有するMX-5と比べることになるが、124スパイダーはMX-5と比べるとソフト。「大人っぽい」とも感じる。

あまりストイックな走りをしたくないが、後輪駆動であることを理由にMX-5を選んだ人にとっては、124スパイダーの「気楽さ」が受けるだろう。

その代わりに、英国のような凹凸の多い路面だと、MX-5がキュッと衝撃を抑えていたところでも、長周期のボディの浮き沈みが看守される。

結果的に車体がヘビーだと錯覚することがある。

また、ステアリングとスカットルを介して、微振動が伝わることも少なからずある。フィアットとしては、もう少しリラックスしたクルマが作りたかったという意図だったのだろうが、「生彩」という面では、明確にMX-5に負けている。
ボディの動きも極めてソフト。ドリフトを試みるほど、MX-5が恋しくなるのであった。

経済性とランニング・コスト

“MX-5にトップ・グレードと比べると、124「ルッソ・プラス」の方が価値は残りやすいが、あまり多くを期待すべきではない” ― ニック・カケット(ロードテスター)

フィアットとしては珍しいことだが、124のエントリー価格は、多くのライバルに比べるとやや高い。

ベーシックなMX-5は£18,495(236万円)だが、124スパイダーの「クラシカ」と呼ばれるグレードは£19,545(249万円)となるのだ。

£500(6万円)を支払いさえすれば、DABラジオや7.0インチのマルチメディア・スクリーンを追加できるため、お得だということもできるが、それでも17インチのホイールやナビ、シート・ヒーター、オート・エアコンはミドル・グレードにしかつかないため、やや貧相な装備内容といえるだろう。
ただし、燃料消費率はMX-5に比べると1.1km/?優れている。CO2排出量も13g/km少ない(いずれも公表値)。ちなみに、われわれのテストにおける燃費は13.6km/?が最高値であった。
スポーツカーとしては良好な数字ではないだろうか。去年MX-5(1.5?のモデル)をテストした際の数値は16.3km/?が平均値ではあったが。

「買い」か?

“よいところに感謝する、わるいところは目をつぶる” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

Good:そこそこの速さ、オリジナルの外観、MX-5ゆずりの楽しさBad:安定感にかける乗り心地、工夫にかけるインテリア、LSDを装着しなかった点あまり安定しない乗り心地、個性的とはいえないインテリア、微振動を伝えるボディなど、フェイスリフトまでに望みたいことはある。

ただ、スポーツカーにしては良好な燃費、扱いやすさ、目を引く外観(うまくMX-5のそれを変えられたと思う)など、よい部分はたくさんある。

しかしながらこのクラスでトップ5に入ることはない。アウディTTロードスター、ロータス・エリーゼ1.6スポーツ、ミニ・コンバーチブル・クーパーS、トヨタGT86、マツダMX-5など、心惹かれるクルマはほかにもたくさん存在する。

 

 

 【SEMAショー16】マツダ ロードスター、スピードスターが進化…900kg へ軽量化                 2016年10月28日

 

マツダの米国法人、北米マツダは10月25日、米国ラスベガスで11月1日に開幕するSEMAショー16において、新型『ロードスター』の「スピードスター エボリューション」を初公開すると発表した。
北米マツダは1年前のSEMAショー15において、新型ロードスターの「スピードスター コンセプト」を初公開。同車は、1950年代に少量が生産されたロードスターモデルに敬意を払い、軽量さを追求したスタディモデル。軽量パフォーマンスカーのあるべき姿を提示した。
その最大の特徴が、フロントのウインドスクリーンをなくしたスピードスターボディ。風をダイレクトに感じながら、ドライブできる。

シート後方のツインドームは、かつてのスピードスターを連想させる部分。
また、車両重量はおよそ945kg。カーボンファイバー製のドアを採用するなどして、ベース車両(北米仕様は2.0リットル)に対して、およそ115kgの軽量化を達成した。シートはカーボンファイバー製で、ブラックのアルカンターラ仕上げ。ボディカラーはブルーエーテルで塗装した。
今年のSEMAショーで初公開されるスピードスター エボリューションは、その進化版。ボディカラーは、ホワイトエーテルに変更。
さらなる軽量化にも取り組み、昨年のスピードスター コンセプトに対して、およそ45kg軽量化。車両重量はおよそ900kgに抑えられている。

 

 【アバルト 124スパイダー 試乗】ロードスター とは異なる“国産イタリアン”の魅力…                2016年10月24日

 

マツダ『ロードスター』のプラットフォームを用いてFCAがデザイン、FCAのエンジンを搭載するなどしたモデルがアバルト『124スパイダー』。マツダの工場で製作される、国産のイタリアンブランドだ。
もっとも大きな違いはエンジン。
マツダロードスターが131馬力の1.5リットル自然吸気エンジンを搭載するのに対し、アバルトは1.4リットル・ターボで最高出力は170馬力。MTモデルの場合、ミッションはともに6速だが、そのギヤ比はまるで異なる。
ロードスターは6速を直結とするセッティングで1速と6速のギヤ比の開きは4.087、アバルトは5速が直結で6速がオーバードライブとなるセッティングで1速と6速の開きは3.519とオーバードライブを持つアバルト

のほうがクロスしている。ただし、ロードスターは全体的にギヤ比が低め、アバルトは高めのセッティング。これはエンジン出力の違いに対応したものにほかならない。
アバルトはターボエンジンらしいしっかりと力強い加速感が何よりの魅力と言える。トルクが大きいエンジンだけに高めのギヤ比で力感あふれる加速が味わえる。これはパワーよりもピュアなハンドリングを重視したロードスターとは異なる性格。とくに3000回転を超えてからの力強さは特筆もので、ロードスターとはまったく違うフィーリング。簡単に表現してしまえば“速い”のだ。
残念なのは極低回転でのトルクが薄いこと。今どきのエンジンだと1速で最初に転がり出してしまえば、すぐに2速にシフトアップしてもトルクが追いついてくるものだがその部分が弱く、2速で走るにはちょっと高め(といっても2速に入れたときに1000回転を割らないようにすればいい程度)の回転数を要求する。
ハンドリングはロードスターのいい部分を上手に受け継いでいる。今回は一般道での試乗だったので、思いっきり振り回すような乗り方はしてないが、ステアリング操作に対してクルマの動きが基本的に素直。ただし、若干だがフロントの動きが緩慢な印象があった。ロードスターとアバルトだと100kg近くアバルトが重く、前後重量配分もアバルトは610kg/520kgとフロントが重い設定なのが影響しているのだろう。
ロードスターは約250万〜320万円。アバルト124スパイダーは388万8000円(6MT)。アバルトにはイタリアンデザインと170馬力のエンジン、ブレンボのブレーキ、そしてアバルトのブランド力などが付加価値として付いてくる。価格差的には悩ましいレベルと言って間違いない。

 

  マツダ ロードスター に「RF」、米国価格は3万1555ドルから                              2016年10月19日

 

マツダの米国法人、北米マツダは10月上旬、『MX-5 ミアータRF』(日本名:『ロードスター RF』)の米国価格を公表した。
ベース価格は3万1555ドル(約328万円)
ロードスター RFは2016年3月、米国で開催されたニューヨークモーターショー16で初公開。同車は、ロードスターが26年間一貫して守り続けてきた「Lots of Fun」の価値を体現する、ロードスターファミリーの一員。「オープンカーの楽しさを身近なものにする」という先代のリトラクタブルハードトップモデルが目指した価値を引き継ぎながら、従来の考え方に捉われることなく、さらなる進化に挑戦した。
その結果、ルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜するルーフライン

を特長とするファストバックスタイル、そして、独自のリアルーフ形状と開閉できるバックウィンドウによる新しいオープンエア感覚を実現。
さらに電動ルーフは、10km/h以下での走行中の開閉を可能とするフル電動式へと進化した。
また、限られたスペースにコンパクトかつ効率的に収納できる構造とし、ファストバックスタイルのデザインとソフトトップモデルと同じ荷室容量を両立させた。なお、北米仕様車には、「SKYACTIV-G 2.0」を搭載する。
北米マツダは今回、ロードスター RFの米国ベース価格を3万1555ドル(約328万円)に設定。この価格は、「クラブ」グレードの6速MT車に適用される。

 

【アバルト 124スパイダー 試乗】見た目も走りもマツダロードスターとは明確に違う…               2016年10月18日

 

 

アバルト『124スパイダー』はマツダの『ロードスター』をベースにしたマツダ製のアバルトブランド車だ。単なるOEM供給車ではなく、専用のデザイン、エンジン、足回りなどが与えられ、ロードスターとは明確に異なるクルマになった。
外観デザインはかつてのアバルトモデルからインスピレーションを得たものとされ、前後のデザインなどはロードスターと大きく異なっている。更にボディ各部やインテリアなど、いろいろな部分にサソリのマークが配置されるのも特徴だ。その数は内外装合わせて全部で13個にもなる。
インテリアはホールド性に優れた赤/黒ツートンのレカロ製本革シートが

オプション装着され、専用のステアリングホイールや赤い文字盤のスピードメーターが採用されている。
アバルト124スパイダーはマツダ製なので、外国ブランド車ではあるが、右ウインカーの設定だ。この方が操作しやすいので大歓迎だが、ある意味で“外車らしさ”をスポイルするのもまた確かである。
搭載エンジンは1.4リットルの16バルブマルチエア・インタークーラー付きターボで、125kW/250Nmの動力性能を発生する。
ロードスターに搭載される1.5リットルエンジンの動力性能が96kW/150Nmであることを考えると、走りのフィールには明確な違いがある。
車両重量はロードスターよりもアバルト124スパイダーの方がざっと100kgくらい重いが、重量増以上に動力性能の向上幅が大きいから、走りのフィールはよりスポーティなものになる。
ちなみにアバルト124スパイダーは前後の車両重量が610kg:520kgで合計1130kg、ロードスターSパッケージは550kg:480kgで合計1030kgである。前後の重量配分はほとんど変わらない比率である。
エンジンはターボ仕様ながら、最近のダウンサイジング直噴ターボと違って低速域から滑らかにトルクを発生するものではない。
わずかにラグを感じさせた後で加速がついてくる感じだ。やや古典的ともいえるようなターボ感覚で、懐かしさを感じさせられた。
全体的なエンジンフィールはジェントルな印象があった。アバルトブランド車だったらもっとも荒々しい走りでも良いように思うが、意外に良くしつけられたエンジンフィールだったので、逆に驚かされた。
スポーツモードを選ぶとアクセルワークに対するレスポンスが良くなって元気の良い走りが得られる。走りのフィールはよりアバルトらしいものになるので、ずっとスポーツモードで走りたいような気分になる。
6速MTのトランスミッションはとてもスムーズで、手首を返すような小さな操作ですぽすぽと入る。
マニュアル操作が楽しいと思わせるクルマだ。
足回りやステアリング、ブレーキなど、シャシー系についてもアバルト124スパイダーならではの仕様が設定されている。
ビルシュタイン製のダンパーはロードスターRS用のビルシュタインとは仕様が異なるとみえて、コーナーでしっかり粘る感じに好感が持てた。ニュートラルで据わりの良いステアリングフィールと合わせ、ワインディングでは気持ち良くコーナーを駆け抜けていくことができた。
コーナーでの走りが、緩やかなロールを見せながらもとても安定した印象を与えるのは、しっかりしたストラットタワーバーが装着されていることも大きいだろう。
ブレンボ製のブレーキも効き味、踏みごたえとも上々で、これもロードスターとは異なるアバルト124スパイダーならではの部分である。
アバルト124スパイダーの価格はロードスターよりも70万円ほど高い390万円弱、6速AT車は400万円弱の設定だ。装備にはそれぞれに勝ち負けがあるが、エンジンと足回りの違いに加え、ブランド代を合わせて70万円なら納得モノだ。
日本はアバルトブランド車の人気が非常に高い国なので、このアバルト124スパイダーも相当に良く売れるものと思う。

 

  マツダ「ロードスターRF」の生産開始!日本での発売はいつ?                        2016年10月15日

 

ついにMX-5 RF(ロードスターRF)の生産開始

10月4日、北米・欧州市場向けモデルのMX-5 RFがついに生産開始!マツダ広島本社に隣接する本社宇品第1工場で生産開始されたとのことですが、気になる日本での発売は?

美しいファストバックスタイルを持つ「マツダ ロードスターRF」の北米・欧州市場向けモデル「MX-5 RF」が、10月4日よりマツダ広島本社に隣接する本社宇品第1工場で生産開始された。

「マツダ ロードスターRF(MX-5 RF)」は2016年3月に開催されたニューヨークモーターショーで世界会初公開されたリトラクタブルハードトップモデル。

3代目ロードスター(NC)の販売台数の半数以上をハードトップモデル

が占めており、4代目(ND)でもこのスタイルを待っていた人も多いのではないだろうか。
ボディサイズはソフトトップモデルと同じ全長、全幅、ホイールベースによるコンパクトパッケージを実現した。(全高は+5mm)

フロントルーフ、ミドルルーフ、リアルーフの3つのルーフとバックウインドーで構成される電動格納式ハードトップで、10km/h未満であれば走行中でもルーフの開閉操作ができる。

搭載されるエンジンは2リッターと1.5リッターのガソリンエンジン、トランスミッションは6速MTと6速ATを用意している。

日本での発売はいつ?

今回生産を開始した「MX-5 RF」は北米、欧州市場向けで、2017年初めより順次販売を開始する予定となる。

なお、日本国内向け(ロードスター RF)は、年内販売開始とアナウンスされている。

「MX-5 RF」は、MX-5ファミリーの一員として、27年間守り続けてきた「Lots of fun」の価値を体現しながら、オンリーワンの新しいファストバックスタイルと爽快なオープンエアフィールを楽しめる2シーターライトウェイトオープンスポーツカー。

「Mazda MX-5(マツダ ロードスター)」は、今年4月22日に世界累計生産台数100万台を達成。また、これまでに世界各国で280を超える賞を受賞し、2016年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」をダブル受賞するなどグローバルに高い評価を得ている

 

  マツダ ロードスター RF、米発売記念車が完売…一般向けは13時間で                      2016年10月15日

 

マツダの米国法人、北米マツダは10月11日、『MX-5ミアータRF』(日本名:『ロードスター RF』)の発売記念車、「ローンチエディション」の限定1000台が完売した、と発表した。
ローンチエディションは、ロードスター RFの米国発売記念車として、米国市場で1000台を限定発売。「グランドツーリング」グレードがベース。ボディカラーはマシーングレーメタリックで、室内には、シートなどにナッパレザーを採用した。
また、ルーフパネルはブラック仕上げ。さらに、米国ニューヨークに本拠を置く世界最大の時計専門店「Tourneau」(トゥルノー)の特製42mmサイズの時計が、購入者に贈られる。

北米マツダは9月26日、マツダが選んだ得意客、「ロイヤルカスタマー」に向けて、ローンチエディションの先行予約受注を開始。この段階で、限定1000台の半分を超える500台以上が売れた。
10月3日からは、一般客を対象に予約受注をスタート。
北米マツダは、「残りのおよそ500台は、わずか13時間で完売した」と説明している。

 

  NDロードスター、フィアット124スパイダー対決:公道編                           2016年10月5日

 

サーキット編では、マツダMX-5がその優秀さをあらためて感じさせてくれたが、反面、フィアット124スパイダーは、あまり芳しい印象ではなかった。
しかし、テストはまだ半分しか終わっていない。それに今回の舞台は一般道だ。340万円以下のクルマたちにとっては、こちらのほうがより身近。サーキットとはまた違った結論がでそうだ。
テスト・チームは夜を徹してノース・ヨークシャーのハロゲイトを駆け抜けた。97km先のデールズを目指した。
サーキットでは、限界域のグリップやハンドリング・バランス、ボディのコントロールのしやすさ、スタビリティなど高速域におけるマナーを調べた。

今回、公道ではダンピング性能や各コントローラーの重み、初期のステア反応などを観察する。
サーキットだけならば足を固め、大きなホイールにファットなタイヤを履かせればタイムを稼げるものの、公道ではそうはいかない。
だからこそ、われわれはフィアット124スパイダーに期待を寄せている。後輪駆動のスポーツ・モデルとしてはソフトに振っているから、サーキットでは印象はよくなかったが、今度こそハンドリング・マナーや衝撃吸収能力でマツダMX-5に勝ってほしい。
よって、124スパイダーとMX-5をまずは交互に乗り比べてみることにした。
124スパイダーのエンジン音は、つねに元気がいいMX-5のそれに比べると活気に欠けて単調。2000rpm以下だとアクセルを踏んでからトルクが湧きだすまでにいじらしく待たされるし、4500rpmを超えるとエンジンはゼイゼイと息を荒げる。
したがって上まで回す楽しさはなく、かえって変速の頻度が増すだけ。MX-5のような切れ味を124スパイダーで体感することはむずかしい。
反面、コーナーで気になっていた124スパイダーの足のやわらかさは、MX-5にくらべるとリラックスした環境を作りだしていることに気がつく。
大きなアンジュレーションはMX-5よりもうまく吸いこむ。ボディは124スパイダーのほうがフラットだし、市街地の操舵も安楽である。
しかし124スパイダーをロードカーと呼ぶのは馬鹿げている。124スパイダーのステアリングはMX-5とくらべるとヘビーだし、手元の情報量も漠然としている。一貫性にも欠けるためMX-5のように、思いどおりのラインを走ることはできないし、脱出時にリア・アクスルを求めた位置にポジショニングすることもむずかしい。よって124スパイダーはMX-5よりも数百kg以上重く感じる(じつはMX-5のほうがわずかに重いのに)。
残念だが、124スパイダーは、ソフトになったことを公道でも正当化することはできなかった。
ならば目を向けるべくはホットハッチだろう。われわれが124スパイダーのミドル・レンジのトルクやMX-5の身のこなしを言及したところで、コーナーで絶対的に速いのはホットハッチだからだ。

 

  マツダ、米国で「MX-5 ミアータ RF ローンチ・エディション」の予約を開始                 2016年9月29日

 

マツダは、今年のニューヨーク国際オートショーでゴージャスな新型マツダ「MX-5 ミアータ RF ローンチ・エディションを公開後、同車を1,000台限定で得意客向けに販売すると発表した。そして9月26日、北米マツダの特設サイトで、東部標準時の正午よりその先行予約が開始された。

個別番号が記載された案内状を受け取った顧客は、所定の期限内に払い戻し可能な手付金500ドル(約5万円)を支払うと、この特別限定モデルを予約できる。さらに購入手続きを行う場合には、お近くのディーラーを選択できるという。

今回公表されたMX-5 ミアータ RF ローンチ・エディションの価格は、配

料・手数料込みで3万4,685ドル(約350万円)からとなる。これは通常モデルの「MX-5 ミアータ RF(日本名:ロードスター RF)」より9,000ドル(約90万円)ほど高い。なお、納車は2017年2月に開始予定となっている。

1,000台のRF ローンチ・エディションは全てボディ・カラーがマシーン・グレイ・メタリックとなり、電動開閉式ルーフは手作業でピアノ・ブラックに塗装される。インテリアはオーバーン・カラー(褐色)のナッパレザー張りで、特製スカッフ・プレートが付く。さらに購入者には高級時計店トゥルノー製のシリアルナンバー入りオリジナル腕時計が贈られる。確かに魅力的だが、これで9,000ドルも高いとは結構な価格設定だ。トランスミッションはMTとATから選べる。

2014年には米国で25周年記念特別仕様車Mazda MX-5 ミアータ 25th Anniversary Edition」がわずか10分で完売したことを考えると、MX-5 ミアータ RF ローンチ・エディションもすぐに売り切れることは必至だろう。同車の先行予約案内が送られてこなかった人はどうすればいいか? マツダは10月3日に一般予約を開始するというから心配は要らない。ただし、先行予約で完売しなければの話だが。

 

 マツダMX-5アイコン                                                 2016年9月16日

 

1.5gユニットを搭載するMX-5における初のスペシャル・エディション。ほんとうの意味の ‘アイコン’ になるのかが、われわれの気になるところだ。
■どんなクルマ?
こちらはマツダMX-5アイコン。アイコン(=象徴)というモデル名が示すとおり、マツダはこのモデルに少なからぬ自信をもっているよう。英国では2000年、2005年、2007年にも販売されており、これで4代目となる。
いずれも限定販売だったが、それはそれはよく売れた。今回は600台の限定であり、‘1.5SE-Lナビ’ を基本とし、ボディのペイント(とデカール)が目印だ。

「あ、そう」と思うのは簡単。外観を変えて、装備を拡充したからといって、優れたスポーツカーになるわけではないからだ。しかし、1.5gエンジンを載せたMX-5は、ロード・テストで星4.5個を獲得している。2015年のグループ・テストでもより高価なスポーツカーをこてんぱんにした過去がある。あまり簡単に受け流せない存在なのだ。
■どんな感じ?

先述のとおり、メカニカルに関しては1.5SE-Lナビと同じ。赤いペイントが0-100km/hタイムを短縮することもない。ただ、変わっていないということは欠点もない。あらためてよさを感じるほどだ。
車体は小さいながら室内は窮屈すぎるとは感じない。ドライバー・シートも最適なポジションを見つけやすく、ペダルどうしの位置関係も良好だ。それぞれのコントローラーの重みも適切である。
何らかの入力をすればレスポンスもよくなり、ギアシフトやステアリング操作にも遊びがない。とても新鮮でマナーがよい。楽しくてたまらない。
131psと15.3kg-mを発揮する1496ccのユニットも、そんなMX-5のキャラクターに合っている。刺激は控えめだが、パワーはなめらかに立ちあがり、やはりこちらも正確に動作する印象である。
中回転域を保つほうが賢明だろうが、望めば7000rpm付近まで回るのもよい。
なによりMX-5に好意をいだけるのは、どんな場所でも楽しめる点だ。いかなる場所でも、パフォーマンスを存分に引きだせる。
スポーツカーを名乗るどのクルマよりもスポーツカーであり、同時に必要以上にドライバーをおだてないところもわたしは好きだ。
■「買い」か?

スタンダードのMX-5とMX-5アイコンは、外観くらいしか変わらないから、どちらを選んだとしても(正直)同じだ。あとは好みで選べばいい。

ただ、やはりわれわれは2.0gの方がベターだと思っている。特にアグレッシブなドライビングをするならば、2.0gのほうをおすすめする。

■日本版の見立て

あれっ? 2.0gよりも1.5?gのほうが良いって言ってなかったっけ。レポーターによっても好みは変わるものなのか。それはともあれ、ちょっとばかり派手な出で立ちのMX-5。英国限定モデルだが、こういった派生モデルが誕生することからも、いかにMX-5が英国で愛されているかが判ろうという1台だ。 

 

  フィアット124クーペを来年早々にリリースか !                                  2016年8月28日

 

フィアットは、124スパイダーをベースとしたフィクスド・ヘッド・モデルである124クーペを来年早々にリリースする予定だという。
124スパイダーで、新たなスポーツ好きの顧客を取り込むことに成功したのを受けて、ボディ・バリエーションを増やしていこうというものだ。ただし、このクーペ・モデルはマツダ・ロードスターRFのようようなリトラクタブルのハードトップ・モデルではなく、完全な固定ルーフを持つクーペ・モデルとなる。
関係筋によればBMW Z3クーペのように、リア・ウインドーとトランクが一体型という話だが、これを否定している関係者もいる。どうなるかは、来年のデビューを待たなければならないようだ。
また、そのエンジンについては、1.4gの140ps、北米市場向けの160ps

そして、アバルト・スパイダー用の180psのどれが設定されるかは未定。価格は、エンジンにもよるが、少なくともスパイダーよりも10%ほど高くなると思われる。
フィアットは、成功を収めたスパイダーにフィクスド・ヘッドを後から追加するということを行ってきた歴史がある。例えば、フィアット・ディーノ、フィアット850、そしてオリジナルのフィアット124などだ。
124スパイダーほどの販売は見込めないが、この124クーペもスパイダー同様にマツダの工場で生産が行われる予定だ。

 

  北米マツダ、得意客向けに1,000台限定の「MX-5 RF ローンチ・エディション」を販売            2016年8月22日

 

 

今年のニューヨーク国際オートショーで、マツダが新型「MX-5 ミアータ RF(日本名:ロードスターRF)」を発表した時、人々は驚いた。マツダがミアータのバリエーションを発表することは予想されていたが、それがリトラクタブル・ファストバックになるとは誰も思っておらず、その外観がとても魅力的だったからだ。マツダはポジティブなフィードバック全てに耳を傾け、ショーに展示されていた車両と同じ仕様を、特別限定モデルとして発売することに決めた。ただし今のところ、誰でも販売店へ行けば注文できるというわけではないらしい。
このマツダ「MX-5 ミアータ RF ローンチ・エディション」は、たった1,000台のみの限定生産で、マツダの"お得意様"にだけ販売される。
北米マツダは
フェラーリのやり方をお手本にして、優良顧客にEメールで

案内を送付するという。選ばれたマツダの"ロイヤル・カスタマー"には、この特別限定モデルを先行予約するための時間が与えられる。
その後、売れ残りがあった場合に限り、全ての人にこのクルマを買えるチャンスが回ってくるというのだ。マツダが4代目となるND型ロードスターを発売した際、初回限定車に似たような手法が取られたことを覚えている方もいるだろう。2016年モデルの「MX-5 ミアータ ローンチ・エディション」は、マツダの公式サイト、www.longlivetheroadster.comに
事前予約を入れた最初の1,000人のみに販売された。
RFのローンチ・エディションはマシーングレーにペイントされ、ブラックのルーフパネルと、オーバーン・カラー(褐色)のナッパレザーが張られたインテリアを備える。これはオートショーの時と同じカラー・コンビネーションだ。今後発売される通常モデルのRFも同じカラーとレザーが選べるようだが、ブラックのルーフと限定バッジは装着されない。ローンチ・エディションにはさらに、高級腕時計店トゥルノーのナンバー入りオリジナル腕時計が付属する。ただ1つ、選択しなくてはならないのがトランスミッションをMTかATのどちらにするかということだ。
RF ローンチ・エディションの価格は発表されていないが、通常モデルのRFも、すでに販売されているソフトトップのMX-5より少し高くなることが予想される。なお、日本では「ロードスター RF」という名前で、2016年内に発売される予定だ。

 

 

   日本とイタリアがタッグを組んだ「アバルト124スパイダー」ついに登場|Abarth              2016年8月9日

 

「日本のトップテクノロジーと、イタリアの最高のパフォーマンスが一つになり、個性を強めた」とFCAジャパンが明言するアバルト「124スパイダー」が、8月5日、オートモビルカウンシル(幕張メッセ)にて発表された。発売は2016年10月8日からで、価格は388万8000円(6MT)と、399万6000円(6AT)だ。マツダ「ロードスター」のアーキテクチャをもとにデザイン等を独自開発したFRモデルで、広島で生産される。
ドライバーを惚れさせるアバルトブランド

カルロ・アバルトが1949年に設立した“アバルト”は、「クルマとレース活動を通して、パフォーマンス、クラフツマンシップ、技術面における優位さという、アバルトの価値を現在に至るまで表現し続けている。

そして、レースの感覚を日常乗るクルマでも味わえることが出来るからこそ、ドライバーはアバルトに惚れ込むのだ」と語るのは、FCAアバルト・デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏だ。

また、何の変哲もないフィアットをベースにアバルトが手を入れたモデルは、「エンジン性能、車両重量、ハンドリングの全てがモータースポーツに残す軌跡であり、心の赴くままにクルマを買う人の心に足跡を残すのだ」とアバルトの情熱を語る。
124スパイダーをモチーフにしたデザイン

そのアバルトがマツダ「ロードスター」をベースに内外装デザインやエンジン、サスペンション及びステアリングフィールを手掛けたのが、このアバルト「124スパイダー」なのだ。

1973年、フィアットワークスチームとして世界ラリー選手権に出場し、1975年までの3年間で優勝3回を含む成績を残したアバルト「124スパイダーラリー」(以下124ラリー)がこのクルマのデザインモチーフとなったクルマである。具体的には、124ラリーの特色だったサイドシルエットを現代的にアレンジし、また、ドライビングポジションを後ろに下げることで、車体の重量バランスを取るとともに、フェンダーアーチの美しさを際立たせている。
さらに、124ラリーのモチーフが色濃く表現されているのがフロント周りだ。幅広の六角形のグリルを中心にヘッドライトの内側とグリルの角を合わせるデザインはまさに124ラリーのそれだ。また、ハニカム形状のグリルはフロントグリル以外にエアインテーク3か所に施される。そして、ボンネットの2つのバルジは縦置きエンジンを主張するとともに、2シーターであることを表現しており、これも124ラリーを彷彿とさせるものだ。

リアデザインは、横に細長い角形テールランプや、後方にすっと伸びたテールのラインが特徴。「これはトランク容量を確保するとともに、低くワイドなプロポーションを印象づけている」とワインバーグ氏は述べ、これらデザインは124ラリーのイメージも踏襲しているとした。
1.4リッターターボで170ps

搭載されるエンジンは、1.4リッターマルチエア4気筒ターボで、最高出力は170ps、最大トルクは250Nmを発揮し、0-100km/h加速は6.8秒(欧州参考値)。エグゾーストノートにもこだわりがあり、“レコード モンツァ デュアルモード エキゾースト システム”がアクセサリー設定される。これは、エンジンの回転数に応じて排気経路が変わり、心地よい深みのあるサウンドが実現できているという。

また、後輪駆動、メカニカルLSD、前後50:50の重量配分や縦置きエンジンはフロントミッドシップに搭載されることなどから、ワインバーグ氏は「あらゆる路面でいつでも最大トルクが得られ、クルマの動きがスムーズなので、ドライビングプレジャーを堪能出来るなど、スポーツカー好きにはたまらないこだわりを持っている」と話す。

その足まわりは、前輪はダブルウィッシュボーン式、後輪は5アームのマルチリンク式サスペンションを採用。ブレーキはブレンボ製(フロントはアルミニウム製4ピストン対向キャリパー)を装備し、ビルシュタイン製のモノチューブ ショックアブソーバーと、強化スタビライザーとともにハンドリングのしやすさ、安全性と乗り心地の良さを届けるという。

トランスミッションは前述のとおり2種類から選べる。ひとつは、6段マニュアルで、「ショートストロークのシフトレバーはダイレクトなフィールを味わえる」。また、6段オートマチックは、「ステアリングにパドルシフトが装備されるので、よりダイレクトでスポーティな走りを味わえる」とワインバーグ氏。つまり、「完璧なメカニズムバランス、リニアなエンジンレスポンス、応答性能のよいスロットルを利用したハンドリングを楽しむことが出来る」とその運動性能は絶賛に近い。

広島製アバルトへの期待は高い。アバルトとマツダの良いとこ取りをしたのがこのアバルト124スパイダーだからだ。ここからまたモータースポーツへの参入も匂わせたワインバーグ氏。その時を楽しみに待ちたい。

 

 

 Abarth 124 Spider|アバルト 124 スパイダー

 

 ボディサイズ|全長 4,060 × 全幅 1,740 × 全高 1,240 mm

 駆動方式|FR

 ホイールベース|2,310 mm

 サスペンション 前|ダブルウィッシュボーン

 トレッド 前/後|1,495 / 1,505 mm

 サスペンション 後|マルチリンク

 重量|(6MT)1,130 kg  (6AT)1,150 kg

 タイヤ 前/後|205/45R17

 エンジン|1,368 cc 直列4気筒インタークーラー付ターボ

 ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク

 ボア×ストローク|72.0 × 84.0 mm

 0-100km/h加速|6.8 秒

 圧縮比|9.8

 燃費|(6MT)13.8 km/  (6AT)12.0km/

 最高出力| 125 kW(170 ps)/ 5,500 rpm

 ラゲッジルーム容量|140 リッター

 最大トルク|250 Nm(25.5 kgm)/ 2,500 rpm

 ハンドル位置|右

 トランスミッション|6段MT / 6段AT

 価格|(6MT)388万8,000円  (6AT)399万6,000円

 

  マツダの工場で生産されるイタリア車、新型「アバルト 124スパイダー」の日本導入が発表!        2016年8月6日

 

FCAジャパンは5日、幕張メッセで開催中の「オートモビル カウンシル 2016」で、新型「アバルト 124スパイダー」を公開した。

1960年代にフィアットから登場したオープン・スポーツカー「124スパイダー」が、「マツダ ロードスター」のアーキテクチャをベースに同名の新型車として復活したことは既にご存じの方も多いだろう。噂されていた通り、日本市場にはその高性能版であるアバルト 124スパイダーのみが導入されることになった。
車体は基本的にマツダ ロードスターの美点、つまりフロント・ミドシップによる後輪駆動や理想的な前後重量配分、軽量に拘った設計などがほぼそのまま引き継がれている。最大の違いは、往年の124スパイダーを現代的に再構築したかのようなデザインと、そしてボンネットの下に積まれたエンジンだ。マツダが日本製の自然吸気1.5リッター(または2.0リッター)直列4気筒を搭載するのに対し、フィアットとアバルトはイタリア製の1.4リッター「マルチエア」直列4気筒ターボを採用。

高性能モデルのアバルトでは、最高出力170ps/5,500rpmと最大トルク25.5kgm/2,500rpmというパフォーマンスを発揮してマツダに差を付ける。ただし車両重量は6速マニュアル仕様で1,130kg(6速オートマティック仕様は1,150kg)と、ND型ロードスターより100kg以上も重い。
全長4,060mm × 全幅1,740m × 全高1,240mmというサイズも、ロードスターと比べると145mm長く、5mm幅広く、5mm高い。
ヘッドライト(ハロゲンが標準でアダプティブ機能付きフルLEDはオプション)やグリルの存在感が大きいせいか、実車を見てもマツダ ロードスターより大柄な印象を受けた。ちなみに0-100km/h加速は6.8秒(欧州仕様参考値)で、JC08モード燃費は13.8km/L(ATは12.0km/L)
(少なくとも)燃費に関してはマツダの圧勝だ。
イタリアン・デザインのエクステリアには、ホワイト(ソリッド)、レッド(ソリッド)、ブルー(メタリック)、パールホワイト(3層コート)という全部で4色のボディ・カラーが用意され、さらにフロント・スポイラーやドア・ミラーはグレーまたはレッドが選べるようだ。展示車の1台はボンネットやトランクリッドにマットブラックのラッピングが施されていたが、これは参考出展とのこと。
ソフトトップはブラックのみ。ツインでデュアルのエキゾーストは、オプションでエンジンの回転数に応じて排気経路が変わる「レコルトモンツァ デュアルモード エキゾースト システム」も設定されている。
インテリアもマツダ ロードスターのレイアウトをベースに、アバルトならではの趣向が凝らされている。アルカンターラとレザー(またはフルレザーも選択可能)が張られたシートは座面と背もたれに横方向のリブが施され、ステアリング・ホイールは12時の位置に赤いマーキング入り。タコメーターの文字盤も情熱的な赤で仕上げられている。
前ダブルウィッシュボーン式、後マルチリンク式というサスペンションの型式はマツダ ロードスターと共通だが、標準装備のビルシュタイン製ダンパーやスプリングの設定など、味付けはアバルト独自のものとなっているという。また、アバルトにはドライブモード・セレクターが備わるため、電動パワーステアリングのアシスト量やスロットル・レスポンス、スタビリティ・コントロールおよびトラクション・コントロールのしきい値(AT車はシフト・ポイントやシフト速度も)が「ノーマル」と「スポーツ」に切り替えられる。この辺りの設定にも、アバルトの指向性が反映されているようだ。10スポークのホイールは17インチで、タイヤは205/45R17というサイズ。赤いブレンボ製4ピストン・ブレーキ・キャリパー(フロント)も標準装備される。
日本における消費税込み価格は、6速MTが388万8,000円、6速ATは399万6,000円と発表された。マツダ ロードスターよりざっと100万円ほど高い。レザーシートとナビゲーションは21万6,000円のパッケージ・オプションだ。生産はマツダの本社工場で日本国籍の姉妹と一緒に行われる。なお、欧州や米国では販売されているフィアット・ブランドの124スパイダー(欧州仕様の最高出力は140ps)は、日本に導入される予定はない。FCAジャパンの方によると、「販売できる台数が限られているので、どちらかに絞るとなると、より差別化が図れるアバルトだけということになった」とのことだ。発売は10月8日(土)から、全国のアバルト・ディーラー(フィアット・ディーラーではなく)にて。詳しい情報は以下のURLから公式サイトでご確認いただきたい。

アバルト 公式サイ http://www.abarth.jp/

 

 

 

 【マツダ ロードスターRF】オートモビル カウンシルで公開…年内に発売へ                 2016年8月5日

 

マツダはロードスターのハードトップ仕様である『ロードスター RF』を「オートモビル カウンシル」(千葉市、幕張メッセで開催中)で一般公開するとともに、今秋から予約受付を開始し年内に発売することを明らかにした。
ロードスターの開発責任者を務めた山本修弘氏は8月5日のプレスカンファレンスで、ロードスターRFについて「クローズ時の美しいファーストバックスタイルと、そしてオープン時の爽快なオープンフィーリングが味わえる車。自分の体の一部のように車を自分の意志で運転する感覚、つまり究極の人馬一体と走る歓びの追求は、私たちマツダの車に共通する志。その姿勢を貫きながら、常識にとらわれることはなく、造り上げ、そしてマツダの挑戦の形が、このロードスターRF」と紹介。
さらに「私はこの車に登場によってお客様の心の中に眠っている高ぶり

を呼び起こしたいと思っている。そして何よりもたくさんの人々にオープンカーの楽しさを味わって頂きたいと願っている」とのべた。
その上で「気になる発売のタイミングは、今年の秋から予約を受け付ける。そして年内には発売する予定」と明かした。

 

 

  フライング・ミアータ が、V8エンジン搭載のND型マツダ「ロードスター」をついに発表           2016年8月2日

 

マツダの2シーター・コンバーチブルを小さな日本の「コルベット」に仕立て上げようと果敢に努力を続ける米国コロラド州のMX-5専門チューナー「フライング・ミアータ」が、ついにV8エンジンを搭載したND型「MX-5 ミアー」(日本名「ロードスター」)を完成させた。同社はここ数ヶ月間、画像や動画で我々をじらしていたが、先週ついに実車が路上を走り始めたのだ。
現行のND型がリリースされた直後から、フライング・ミアータは
GM製「LS3」エンジンをボンネットの下に押し込めようと作業を始めていた。同社は野性的なV8エンジン搭載のミアータを製作してきた歴史があり、ラグナットのようなほんの小さな部品からV8コンバージョン・キットまで販売しているが、懐具合に余裕があって面倒なことはやりたくない顧

客には、完成させた車両をそのまま売ってくれる。価格は現在のところ未定だが、ベース車両価格プラス5万ドル(約513万円)程度になるだろう。
この完成車では、LS3エンジンが最高出力430hpを発生し(オプションで525hpも選択可能)、Tremec製「T56」6速マニュアル・トランスミッションを介して後輪を駆動する。リアのディファレンシャルはV8エンジンを搭載する「
カマロ」用だ。そのほか、エキゾースト、サスペンション、ブレーキ、そしてドライブシャフト、クラッチ、フライホイールなどが交換され、ロールケージが追加されている。エンジンを換装しても、インフォテインメント・システムやアイドリング停止機構など、ほとんどの機能はそのまま作動するが、トラクション・コントロールは取り外されているという。また、電動式パワー・ステアリングは、可変レシオの油圧式に換えているそうだ。
フライング・ミアータによると、このV8エンジンを搭載したND型の車両重量は2,592ポンド(約1,176kg)で、市販されているMX-5の最も重いグレードよりもさらに200ポンド(約91kg)余り重くなっているという。ノーマルのエンジンと比べたら気筒数が2倍、排気量は3倍になっているにもかかわらず、LS3型V8は比較的小型で軽量なエンジンだ。その結果、前後重量配分は53:47に収まっている(2.0リッター・エンジンを積む米国仕様のMX-5は、ストック状態で52:48であるそうだ)。
現在はすでに受注を開始しており、来年初頭までに納車が始められる予定だという。詳しく知りたい方は
公式サイトをご覧いただきたい
 Site : Fryin' Miata Site

 

 5代目マツダMX-5はより小型に                                          2016年7月24日  

 

2021年にデビューが予定されている5代目のマツダMX-5(日本名:マツダ・ロードスター)は、現行の第4世代のMX-5よりもさらに小型軽量化されたモデルになるという。

MX-5の山本修弘主査は。「2021年頃までにはカーボンファイバーなどの軽量化素材の値段も手頃になっているため、軽量化が図られることになろう」と言う。
また、「サイズ的には今のモデルが正しいサイズだ。」とも語った。

そして「ボディが軽量化されたために、大きなエンジンの必要性はなくなった」とも言う。つまり「より軽量なボディと、より小型のエンジンが組み合わせられ、タイヤも小型になる。これが本来のライトウエイト・スポーツだ」と。

 

  アバルト「124 スパイダー」日本デビューへ - 過去の日欧合作を振り返る                   2016年7月5日  

 

かねてから注目を集めていた「124 スパイダー」の全容が見えてきた。マツダ「ロードスター」のプラットフォームを流用し、マツダが生産するこのモデルは、当初予定されていたアルファロメオブランドでの登場こそなかったものの、往年の名車「124」の名を冠し、フィアットとアバルトの各ブランドから発売される。
日本への導入については、どうやらハイパワーなアバルト「124 スパイダー」のみ発売されるようだ。FCAジャパンは先日、フィアット正規ディーラーの全店でアバルトの全モデルを販売開始すると発表している。これでアバルトの正規ディーラーは一気に3倍に増えるそうだが、もちろんこれは「124 スパイダー」の発売に合わせた措置だろう。
マツダ「ロードスター」の発売時は、米国仕様の2.0リットル版が日本では発売されないことに不満を感じた人もいたようだが、「124 スパイ

ダー」ではまったく逆の状況になるということのようだ。マツダ「ロードスター」の日本仕様は131PS、フィアット「124 スパイダー」は140PS、そしてアバルト「124 スパイダー」は170PS。車重が違うことを忘れてはいけないが、それでもその走りは、「ロードスター」オーナーも大いに気になるところだろう。発売される日が楽しみだ。
日本と欧州の合作モデルの歴史を振り返る
ところで、欧州と日本のメーカーがタッグを組み、いわば「日欧合作」モデルを誕生させるのは、今回が初めてではない。レアケースではあるものの、これまでにいくつかの前例がある。この機会に振り返ってみよう。
日欧合作で最も有名なモデルは、やはりアルファロメオ「アルナ」ということになってしまうだろう。「なってしまう」というのは、このモデルは世紀の失敗作として、その名を馳せているからだ。「アルナ」は日産自動車とアルファロメオの合弁会社が開発したモデルとして、1983年に登場した。日産もアルファロメオも世界第一級のスポーツカーをラインアップするメーカーだから、夢のコラボともいえる。
しかし、「アルナ」は5年ほどで販売を終了し、両社の合弁も解消された。「アルナ」はアルファロメオ「スッド」からエンジンなど多くのメカニズムを流用し、エクステリアデザインは日産が担当した。つまり、イタリア車のメカニズムと、日本車のデザインを組み合わせたモデルなのだ。当然ながら、その名が上がるたびに「逆(日本のメカとイタリアのデザイン)なら良かったのに……」と揶揄(やゆ)されている。
その後、日産は経営危機からフランスのルノー傘下に入るので、最も欧州と結びつきが強い日本メーカーといえる。しかし、今回のテーマである日欧合作という意味では、それに相当するモデルはない。「合作はこりごり」と考えているかどうかは不明だが。
ところで、そもそも日産はなぜ、アルファロメオと合弁会社を設立したのか。じつは、1980年代は日産に限らず、多くの日本メーカーが海外のメーカーとの提携・協業を模索した時期なのだ。その背景には、日本車の輸出が急増したことで引き起こされた「経済摩擦」がある。
日本メーカーは輸出から海外生産へシフトすることを余儀なくされたが、その副産物というべきか、日本メーカーが進出した先の現地メーカーとさまざまな形でコラボする例が見られた。たとえばトヨタは、米国でGMとの合弁会社NUMMI(ヌミ)を設立している。NUMMIは成功を収め、GMが2009年に経営破綻するまで順調に多くのモデルを生産した。
ホンダは英国の名門と高級車を共同開発
イギリスの自動車メーカーの変遷は非常に複雑なので詳しい説明は避けるが、ホンダが提携したのはBL(ブリティッシュ・レイランド)。イギリスの自動車メーカーをすべてまとめてひとつの国有企業としたものと考えればいい。1981年にはBLのトライアンフブランドから「アクレイム」を発売した。これはホンダの初代「バラード」をベースに、エンジンや内外装を変更したモデルだ。
しかし「イギリス製ホンダ」といえば、有名なのはやはりローバーの一連のモデルだろう。BLのローバー部門は陳腐化したラインアップを刷新すべく、1984年から「200」「800」「400」と、新たなラインアップを構成する新型モデルを次々と発売。そのモデルのすべてがホンダとの共同開発だ。「200」は「バラード」と、「800」は「レジェンド」と、「400」は初代「コンチェルト」と、プラットフォームを共有していた。
ローバーは小さな高級車という伝統を持ち、とくにレザーやウッドパネルを多用した豪華なインテリアには定評があった。当時のホンダは高級車市場への進出をめざしており、ローバーと共同開発を行うことで、高級車のノウハウを吸収するねらいがあった。
一方のローバーはBLの経営難で新型車の開発費用が不足しており、同時に生産するモデルの信頼性向上が急務だった。つまり、お互いにメリットの大きいwin-winの業務提携だったといえる。
この提携により、ホンダは初の本格的な高級車「レジェンド」を開発。米国ではこのモデルの投入と同時に高級車ブランド「アキュラ」を立ち上げ、大きな成功を収めた。一方のローバーも好調で、1988年に民営化されてからも、ホンダとの良好な関係は継続。ホンダの傘下に入るのも時間の問題と思われていた。ところが1994年、突如としてBMWがローバーを買収。ホンダとの関係もここで終止符を打つことになる。
欧州メーカーと日本のサプライヤーとのコラボ
自動車メーカー同士ではなく、欧州メーカーが日本のパーツサプライヤーと手を組んだ例もある。たとえばジャガー「XJ」だ。「XJ」は1968年に登場した高級セダンで、堂々とした高級車らしいスタイリングと、丸目4灯のヘッドライトを強調したフロントフェイスが特徴。ジャガーといえば「XJ」を思い浮かべる人も多いはずだ。
その「XJ」の、2代目モデルのビッグマイナーチェンジ後のモデルとして、1994年に登場したのが「X300系」。このモデルは、ジャガーのアキレス腱であった信頼性の問題を解決するため、日本電装(現在はデンソー)の電装系を採用した。「X300系」はわずか4年ほどしか販売されなかったが、その信頼性の高さはいまでも定評がある。
デンソーの名前が出たところで、ボルボを思い出した人も多いだろう。昨年、ボルボはクリーンディーゼルエンジンにデンソーの技術を採用した。さらに、トランスミッションもアイシンAWを採用するなど、日本の技術を積極的に取り入れている。
ちなみに、日本製のパーツは意外と欧州メーカーにも採用されており、たとえばアイシンAWがトランスミッションと並んで事業の柱としているカーナビは、フォルクスワーゲンやアウディが採用している。メーター全体がディスプレイになっているヴァーチャルコックピットも、アイシンAWが開発したものだ。
さて、ここまで日欧合作モデルを振り返ってきたが、そこには成功例もあるものの、際立った名作といえるモデルは見当たらないようだ。では、これから世界中のスポーツカーユーザーの審判を受ける「124 スパイダー」はどうなのか。日本車の技術と欧州車の感性が融合した、これまでにない名車となる見込みは十分にある。期待して発売を待ちたい。

 

 【グッドウッド16】マツダ ロードスター「スパイダー」欧州初公開へ                    2016年6月28日  

 

 

マツダは6月23日、英国で6月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、新型『ロードスター』の「スパイダーコンセプト」を欧州初公開すると発表した。
同車は2015年11月、米国ラスベガスで開催されたSEMAショー15でワールドプレミア。スパイダー コンセプトは、クラシックなビンテージロードスターがモチーフ。ビンテージロードスターを現代流に解釈した1台が、スパイダー コンセプト。
目を引くのは、簡易構造の軽量なソフトトップ。このソフトトップは「ビキニトップ」と呼ばれ、オープンカーの幌の開発で豊富なノウハウ

を持つASC(アメリカン・サンルーフ・コーポレーション)が設計を担当した。ソフトトップのファブリック素材は、Haartz社が手がける。
車両重量は1044kg。ベース車両(北米仕様は2.0リットル)に対して、およそ14kgの軽量化を果たす。ボディカラーはマーキュリーシルバー。シートなどの内装には、「PRIMA」と呼ばれる天然レザーを使う。カーボンファイバー製のエアロキットも装着。フロントグリルは専用デザインとした。
サスペンションはサーキットの特性に合わせた調整が可能。ブレーキはブレンボ製で強化。ヨコハマ製の17インチアルミホイールに、ヨコハマADVANの225/45R17タイヤを組み合わせている。

 

 

 

 【グッドウッド16】マツダ ロードスター 新型に「アイコン」…赤いアクセント                2016年6月28日    

 

マツダの英国法人は6月23日、英国で開幕した「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、新型『MX-5』(日本名:『ロードスター』)の「アイコン」を初公開した。
アイコンは、歴代ロードスターに、英国で用意されてきた特別モデル。2000年に750台、2005年に1563台、2007年に1250台が限定生産され、好評を博した。今回、新型ロードスターの英国初の特別モデルとして、限定600台を発売する。
ベースグレードは、1.5リットル直列4気筒ガソリン「SKYACTIV-G」(最大出力131ps)を搭載する「SE-Lナビ」。ボディカラーは、グレイマイカまたはホワイトパールの2色となる。
アイコンならではの特別装備が、ドアミラー、フロントスカート、リア

スポイラーなどに配されたソウルレッドのアクセント。16インチのアルミホイールは、ガンメタリック仕上げとした。
室内は、ブラックのレザーシートを採用。駐車センサーや自動ライト、雨滴感知ワイパーなど、装備の充実が図られている。

 

 

   フィアット124スパイダー海外試乗                                        2016年6月9日

 

どんなクルマ?

フィアットは10年以上の休養期間を経てオープン・エア・マーケットに戻ってきた。フィアットのオープン・モデルで記憶にあたらしいものといえば、バルケッタだったり、あるいはプントのカブリオレだから、その休養期間はかなりの長さだったといっていいだろう。

モデル名は124となった。ピニンファリーナが線を引いた60年代のビンテージ・モデル、124スポルト・スパイダーから譲り受けたものだ。

124スポルト・スパイダーといえば、シンプルな箱型ノッチバックから多くのコンポーネントを譲り受けたモデルだった一方で、最新モデルがマツダMX-5をベースとすることは、既にご存知の向きも多いだろう
日本とイタリアの自動車メーカーが協力してそれぞれのモデルを生みだすことは、決してよくある話ではないが、いざ、インテリアを見てみると、

マツダにありがたみを感じるはずだ。ちなみに幌はまったく同じである。

アンダーピンはMX-5と共通であるため、ホイールベース長は同じだが、全長は124スパイダーの方がやや長く(4mを超える)、横幅もわずかにワイドになっている。このおかげで荷室が少しだけ大きくなっている。

メカニカルの部分で特筆すべくは、エンジンをMX-5のものより増強している点だ。MX-5は自然吸気エンジンにこだわっているが、124は1.4g ‘マルチエア’ ターボ・ユニットを搭載している。

124スパイダーの140psという数値は、MX-5の1.5gと2.0gユニット(後者は日本未導入)のちょうどあいだに位置し、一方のトルクはどちらをも凌いでいる。

燃料消費率はMX-5の1.5?ユニットよりも優れた結果を示している(公表値は15.6km/g)。CO2排出量は148g/km。こちらはあまり変わらない。
どんな感じ?

ある程度、予想はしていたが、124スパイダーを乗った感覚はマツダのそれとほとんど同じだ。同じダブルウィッシュボーン(前)とマルチ・リンク(後)を使用しているのだから、さしたる驚きがないのは自然である。

ただ、ドライバーの感情へ訴えかける手法と、根底のキャラクターはMX-5と異なっている。フィアットが手がけたシャシー・チューニングと心臓部の移植が、そういった結果をもたらしているのだろう。

ステアリングのリムは分厚く、セッティングは重み重視であるため、MX-5よりドシリと構えている感覚になる。また、MX-5だとブレーキング時にグッと沈んでいたノーズも、124スパイダーの場合は落ち着いている。

リア駆動であることは運転していてよくわかるのだが、これに加えてマナーのよさ(いたずらな子供っぽさがない)が目立つ。ダイレクト感に気持よくなる。感覚としては、双子というよりも、母親あるいは父親が異なる姉妹といった感じだ。
中回転域は、MX-5のよりパワフルな2.0gエンジンに比べると華やかな印象がある。それに静かでなめらかだ。パンチ力もある。3000rpm以上では、エンジンは「まだまだいけますよ」といっているようだ。

ただ、5000rpmあたりのクライマックスに達すると、刺激は一気に薄まる。それに、思ったよりも早く、パタリと息絶える。これがターボのトレードオフだろうか。

3000rpm以下ではターボ・ラグが目立つ。口ごもりながら「これから、がんばるんです」といっている印象。おいしい回転域を保つには、頻繁にダウンシフトする必要がある。この手のクルマならば、もう少し軽快でも……と思ったことは正直に認める。

もうひとつのディスアドバンテージとして、LSDが欠落していることが挙げられる。アバルト・モデルには組みあわされるとのことだが、これがコーナリング上の楽しみを損なっていることはいうまでもない。ぜひ標準にしてほしい。
 もともとバランスが整ったクルマゆえ、致命的な欠点とまではいうつもりはないが、エンターテイメント性重視の趣味のクルマならば、やはり標準であるべきだ。

「買い」か?

これらの問題点は、フィアットがターゲットとする ‘リラックスしたドライブと太陽を好む層’ にとっては、あまり大きなものではないかもしれない。

それに、欠点よりも、やはり素性のよさのほうが、ドライブした際に引きたっていることは認める。ルックスは(写真でみるより)いいし、インテリアは最近のフィアットよりもいい(マツダ製インフォテインメントがボーナス・ポイント)、多くのあまり楽しくないライバルよりも自己主張できる部分が多いはずだ。

フィアット124スパイダーにとって最大の敵は、既にデビューしているマツダのアレだ。ルッソと呼ばれるミドル・グレードのテスト車よりも、およそ£1,200(19万円)安く買えるとなれば、なおさら立場は危うい。

ターゲット層が違うためMX-5と124がお互いに足を引っぱりあうことはないだろうが、運転を存分に楽しみたい読者にとって、MX-5の存在が124に濃い影を落とすことは避けがたいようだ。

 

 

 

 フィアット124スパイダー・ルッソ

 価格  £22,295(347万円)
 最高速度  216km/h
 0-100km/h加速  7.5秒
 燃費  15.6km/g
 CO2排出量  148g/km
 乾燥重量  1050kg
 エンジン  直列4気筒1368cc
 最高出力  140ps/5000rpm
 最大トルク  24.5kg-m/2250rpm
 ギアボックス  6速マニュアル

 

   フィアット 124スパイダー、最安のターボ搭載オープンカーに…米国                      2016年6月7日

 

イタリアのフィアットの新型オープンスポーツカー、『124スパイダー』。同車の米国価格が公表され、「米国で最も価格の安いターボエンジンのオープンカー」となった。
新型フィアット124スパイダーは、マツダとフィアットの協業プログラムから誕生した1台。新型フィアット124スパイダーは、新型マツダ『ロードスター』と車台を共用する兄弟車になる。兄弟車ではあるが、ボディはフィアットの専用デザイン。
フィアットは1966年、初代124スパイダーを発表。多くの顧客に支持され、1985年までの20年間に渡って生産された。30年ぶりに復活した新型124スパイダーは、新型マツダロードスターとは、全く異なる専用ボディを採用。ヘッドライトのデザインなどに、初代124スパイダーのモチーフを反映させた。

その一方、室内のデザインは、新型マツダロードスターと基本的に共通。ロードスターと同じステアリングホイールは、フィアットのロゴが目を引く。ダッシュボード中央には、7インチモニターを配置。
今回、フィアットは、新型124スパイダーの米国価格を公表。ベース価格を2万4995ドル(約269万円)に設定し、「米国で最も価格の安いターボエンジンのオープンカー」と宣言した。
これは、兄弟車の新型マツダ ロードスターが、米国では日本仕様の1.5リットルターボではなく、自然吸気の2.0リットルエンジンを搭載するため。新型ロードスターの米国ベース価格は、2万4915ドル(約268万円)と、新型124スパイダーよりも若干安い設定となっている。

 

 

 

 

 

  【グッドウッド16】マツダ ロードスター 新型にスピードスターコンセプト、欧州初公開へ             2016年5月27日

 

マツダは5月23日、英国で6月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、新型『ロードスター』の「スピードスターコンセプト」を欧州初公開すると発表した。
同車は2015年11月、米国ラスベガスで開催されたSEMAショー15でワールドプレミア。スピードスターコンセプトは、1950年代に少量が生産されたロードスターモデルに敬意を払い、軽量さを追求したスタディモデル。軽量パフォーマンスカーのあるべき姿を提示する。
その最大の特徴が、フロントのウインドスクリーンをなくしたスピードスターボディ。風をダイレクトに感じながら、ドライブできる。シート後方のツインドームは、かつてのスピードスターを連想させる部分。

また、車両重量は943kg。カーボンファイバー製のドアを採用するなどして、ベース車両(北米仕様は2.0リットル)に対して、およそ115kgの軽量化を達成した。シートはカーボンファイバー製で、ブラックのアルカンターラ仕上げ。ボディカラーはブルーエーテルで塗装した。
サスペンションはK&W製で、サーキットの特性に合わせた調整が可能。車高は30mm引き下げられた。ブレーキはブレンボ製で強化。マフラーはレーシングビート製のセンター出し。レイズ製の16インチアルミホイールに、クムホの225/50R16タイヤを組み合わせている。

 

 

   世界2冠同時受賞! なぜマツダ「ロードスター」は世界で愛されるのか                             2016年5月4日

 

ニューヨーク国際自動車ショーで、3月24日、マツダの「MX-5」(日本名 ロードスター)が「2016年世界カー・オブ・ザ・イヤー」とデザイン部門の「世界カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を同時受賞という史上初の快挙を成し遂げた。さらにそのおよそ1カ月後の4月22日には生産累計100万台を越した。なぜマツダ「ロードスター」はこのように世界で愛されるのか、ロードスターの開発現場を徹底取材した。

 世界2冠同時受賞は自動車の歴史に残る快挙

3月24日、マツダ・ロードスターがワールド・カー・アウォード(World Car Awards)主宰の自動車賞で、最高の栄誉となる「2016ワールドカー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)」を与えられた。現在米国で開催中のニューヨーク国際オートショーで発表、同時にその授賞式が行われた。

ロードスターはこれに加えて「2016ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー(WCDOTY)」も同時に受賞。
同賞の対象は直近の1年間に誕生した乗用車。したがって、ロードスターが総合的に最も優秀と認められたばかりでなく、そのデザインに対しても最高の評価が与えられたことになる。
同賞が創設されたのは2004年という。それ以来昨年の2015年までにカー・オブ・ザ・イヤーを獲得した11のモデル(実際の授賞は2005年から)を振り返ってみても、このふたつの賞を同時に手にしたモデルはない。ダブル受賞は、昨年5月に発売されたオープン2シーターの軽量スポーツカー、ロードスターが初めてなのだ。その意味で、これは日本の自動車の歴史に残る快挙、と言っても決しておおげさな表現に過ぎることはないだろう。
日本の自動車の歴史という観点からすると、日本がこれまでに生み出した“グローバル・カー”の双璧は、トヨタのセルシオ、そしてこのマツダのロードスターではないかと筆者はかねてから考えている。前者はその精緻な仕上がりで世界の高級車メーカー・市場に衝撃を与え、その後トヨタが高級ブランド“レクサス”を生む礎となり、レクサスの旗艦モデルであるLSへと発展進化している。後者は、1980年代当時“絶滅危惧種”と思われ開発意欲をなくしていたオープン2シーターの軽量スポーツカーのメーカー各社に大きな衝撃を与えることによって、そのマーケットを世界的に甦らせ、活性化に貢献した。
両者(車)とも誕生と同時に世界的な評価を得て、ともにグローバル・カーとしての立場を確立していった。発売されたのが同じ年、1989年、というのも偶然の一致とは言い切れない何か因縁のようなものを感じてしまうのは、筆者だけだろうか。というのも、昨年このロードスターが発売されるわずか1週間前の5月13日、トヨタとマツダの両社は業務提携に合意したことを発表しているのだから。

 

 マツダのクルマづくりの考えがわかるデザイン

初代ロードスターの発売から四半世紀あまり、本年4月22日、ロードスターの生産累計はついに100万台を突破した。1989年の生産開始以来、27年間で積み上げてきた数字だ。名実ともに“グローバル・カー”と呼ばれる資格十分だ。とはいえ、今回の受賞には、このグローバル・カーに新しい勲章がもうひとつ加わった、というだけでは終わらない、もっと重要な意味があるのだ。
それは、今回のロードスターの受賞によって、マツダが、独自技術のスカイアクティブを核としてこの数年(とくにスカイアクティブの第1号車CX-5を発売した2012年2月以降)展開してきたブランド戦略が成功をおさめ、さらにそれを次の段階に移行できる状況をつくりだしている、この事実が国際的、客観的に証明されたことが、マツダにとって非常に重要なのではないか。
言うまでもなく、ロードスターは現在、マツダのブランドを象徴するいわば“ブランド・アイコン”として位置づけられており、それだけにその戦略を展開発展させるという大きな役割を担っている。この役割を全うさせようと、実は、マツダの経営陣は、今回のロードスターを開発するにあたって、デザイナーに次のような命題を与えた。
「マツダのクルマづくりの考え方がわかるようなデザインにしろ!」
ブランド・アイコンである以上、しごく当然の要求だと言えるだろう。
確かに、今でこそ、ロードスターはマツダのブランドを象徴するモデルと一般的にも捉えられてはいる。しかし、27年前にこのモデルが誕生したときには、マツダ自身に、これを“ブランド・アイコン”にするという明確な意図が必ずしもあったわけではない。
ロードスターが初めて誕生した(エンジニアやファンの間ではその型式からNAと呼ばれている。ちなみに、それ以降の世代はNB、NCとなり、今回受賞した最新モデルはND)のはすでに述べたように1989年。このとき、このオープン2シーターの軽量スポーツカーに与えられていた位置づけは、当時マツダが推進していた販売チャンネルの拡大路線によって生み出された5種類のブランド(マツダ、アンフィニ、オートラマ、オートザム、ユーノス)のひとつ、「ユーノス」のいわば目玉的なモデル、だった。
これが世界的な大ヒット製品となり、1998年の2代目NB(ユーノス・ブランドが廃止されたためマツダ・ロードスターに名称変更)、2005年の3代目NCへとモデルチェンジをしていく過程で、エンジンの排気量はNAの1.6Lから1.8Lそして2.0Lへと拡大していく。デザインも基本的に初代からの流れが継承されていった。

 

 「ガラパゴス的な存在」から脱却する意味

ロードスターのファンからすれば、モデルチェンジしてもデザインはオリジナルのイメージが残されていくことに真っ向から反対する人はあまりいないだろう。その意味で保守的だ。しかし、この流れをマツダの乗用車全体の視点から見てみると、果たして同一ブランドとしての総体的な統一感が意図されていたのかという点に関しては疑問符がつく。逆に言えば、マツダにとってもあるいはファンにしてみても、スポーツカーだからという理由で、マツダの全体のデザインからいわば“はみ出て”いても許されたのではないか。つまり、“総体としてマツダ乗用車の枠の中におさまっていない”ことが、むしろかえってロードスター特有の存在感だと肯定的に受け取られていた側面もあるだろう。
2011年の10月にロードスターのチーフデザイナーに指名されたデザイン本部の中山雅(まさし)は、“マツダのクルマづくりの考え方がわかるデザイン”に関してこんなコメントをしてくれた。
「“ロードスターだから”といったガラパゴス的な存在からの脱却を果たせ、ということですよ。今までは、マツダ車のラインアップの中で、いわば末っ子的な存在だったかもしれない。だから、名実ともにブランド・アイコンと認められるデザインを生み出そうとしたわけです」
もはや、末っ子だからと甘えてばかりはいられない、マツダ車ファミリー全体を牽引する立場へと脱却するのだ。確かに過去3代の所有者の中には、ロードスターのファンではあっても、マツダのファンとは限らない人も存在していたのは事実だった。
彼らはときとしてロードスターを“マツダ”から切り離して見ていたこともある。ボディーからマツダのバッジを取り去ってしまうオーナーもいた。こうした“切り離されていても構わない末っ子”的な印象を完全になくしてしまわなければ、ロードスターがマツダ・ブランドの包括的な象徴にはなりえない。そう考えたとき、ロードスターのデザインの方向性は自ずと決まってくる。
こうしたデザインの構想をまとめあげようとしているまさにそのとき、開発部門ではスカイアクティブ技術の開発が佳境に入っていた。しかもそこでエンジニアや企画部門が標榜する“新世代のマツダ車”の特長はスカイアクティブ技術を活かした“人馬一体”という、もともと四半世紀にわたってロードスターの開発エンジニアが掲げていた“走り”の目標だった。
つまり、スカイアクティブを核としたマツダ特有の“走り”の、将来を見据えた方向性を明確に表現する、これがロードスターのデザインに与えられた課題だった。これができれば、言うまでもなく、“ガラパゴス”からの完全な脱出が完成する。

 

 制約のおかげでロードスターのデザインが完成

「人馬一体を標榜するマツダ車としての統一感を、単なるグラフィックの面で追求するのではなく、ボディー全体のいわば“体形”で表現しようと心がけ、それに邁進したのです」
たとえばラジエーターグリルの形をモデル間で類似にするといった単なる“見た目”の統一感を演出する、といった手法はとらない。それよりも、全体の骨格や体形といった全体的総合的な造形によってマツダの走りを表現し、マツダ車の総体的な統一感を演出し表現する、という意味だろう。言い換えれば、セダンやSUVといった乗用車のカテゴリーが違い、またエンジンの排気量やボディーの大きさが異なっても、マツダのバッジがついたモデルなら、道路上を走っているその姿をひと目見ただけで「マツダ車だ」と認識され、静止時にもその走りが予感されるデザインを彼らは目ざすことになる。
しかも、もともとはロードスターの個性とされた“人馬一体”が、しだいにマツダが掲げたZoom-Zoomという走りを印象づけるキャッチフレーズと融合し、マツダ車共通の個性として定着し始めていた事実が、強く彼らの背中を押していた。
「エンジンは1.5Lのみ、と決められたことがよかった」と中山は振り返ってくれた。
エンジンの排気量が決まった瞬間、タイヤ+ホイールのサイズ、ホイールベース(前車軸と後車軸の間の長さ)の上限が決まる。ボディーの大きさにも制約ができる。具体的にはホイール径は16インチ、ホイールベースは2300ミリ前後、車体の全長は4メートルまで。車重は1トン以下。結果として、エンジンの排気量の1.5Lはこれまでで最小、全長も最短の3915ミリ(従来最短だったNAより55ミリ短い)におさえられた。中山に言わせれば、この制約があったおかげで新しいロードスターのデザインが完成した、という。
通常、セダンやワゴン、SUVといった乗用車には屋根があり、中に乗っている人間は外からながめる人の目にはほとんど入ってこない、つまり意識されない。したがって、乗員の“見た目”がクルマのデザインに大きく影響することはない。しかし金属製の屋根のないオープンカーの場合、人間の体がいわば“むき出し”になるために、人間の姿そのものもデザインの一部にならざるを得ない。と言うよりむしろ、見た目の人間の姿をその一部として溶け込ませてはじめて、オープンカーのデザインは完成する。人間もそのデザインの重要な要素なのだ。

 

   マツダ ロードスター RF に見るデザイナーとエンジニアの“野心”                            2016年4月25日

 

2016年のニューヨークモーターショーに、マツダが『MX-5(日本名:ロードスター)』に追加設定を予定する、リトラクタブル・ハードトップ(RHT)仕様の世界初公開だった。
リトラクタブル・ファストバックを意味する、「RF」のタイトルを掲げたこのニューモデルには、いかにも現在のマツダを象徴するかのような、デザイナーやエンジニアの野心が十分に感じられた。
先代のNC型ロードスターにも、RHTモデルはシリーズ途中で追加されているが、今回のRFは、それとはまったく異なるコンセプトで誕生したモデルであるのが興味深い。最もシンプルに説明するのならば、前作はソフトトップモデルと同じデザインをRHTで実現したものであるのに対し

て、この新作はまったく異なるデザイン、そして個性を、RHTを使うことで実現することを目的としている。その逆転的な発想が生まれ、そして具現化されてしまうところに、マツダの面白さがある。
実際に見たRFは、実に個性的なエクステリアデザインを持つモデルだった。オープン時にもリアのファストバックはそのまま残されるから、はたしてオープンエアでの爽快感をどこまで感じることができるのかは分からないが、オープンとクローズの両スタイルで変わらないデザインを提供すること、そしてオープン時には、コンパクトなルーフの部分のみをキャビン後方のスペースに格納することで、マツダが現行ロードスターでストイックなまでに拘った、荷重移動に対してのネガティブな影響を最小限に抑えたことも、エンジニアリング面では見逃せないポイントだ。
搭載エンジンは、1.5リットルと2リットルの直列4気筒が用意されるというが、日本で販売されるロードスターには、2Lの「SKYACTIV-G2.0」が選択されるという。ミッションは6速MTと6速ATのチョイスが可能。トルクフルな2Lエンジンとの組み合わせならば、6速ATというチョイスも悪くはないようにも思う。シャシーにももちろん、専用チューニングが施されるというから、こちらも期待したいところだ。
よりラグジュアリーなドライブフィールをロードスターに求めるカスタマーにとって、このRFはまさにベストなチョイスとなるだろう。
もしも自分自身がこのRFを手にしたとするのならば、どのようなライフスタイルを楽しんでみたいと思うだろうか。ニューモデルの発表を見て、ここまで楽しい想像に胸を躍らせることができるクルマは珍しい。

 

 【ニューヨークモーターショー16】マツダ ロードスター RF、デザイン秘話                    2016年3月28日

 

「このクルマ、何か持っているんです」…マツダ ロードスターの中山雅チーフデザイナーは、RFの開発をそう振り返った。RFはリトラクタブル・ファストバックの略。運命の糸に導かれるように、幾多の困難を乗り越えて生まれた、もうひとつのロードスターだ。
先代にRHT(リトラクタブル・ハードトップ)があったから、新型ロードスターにもそれを用意するのは当初からの方針。しかし新型はAピラーを後ろに引いてロングノーズにしながら、全長を切り詰めている。乗員から後ろが先代よりずっと短いので、先代RHTと同じようにルーフを折り畳んだのではリヤデッキの下に収まらない。
「ホイールベースを延ばせばルーフを格納できるだろうが、理由があっ

て決めたホイールベースだ。延長なんて出来ない」と中山チーフ。「もうひとつの手段はリヤデッキを高くすること。格納スペースが大きくなるし、ルーフの天地寸法が小さくなるので、理屈の上では格納できる。でも、カッコ悪くてカタチにならない」。
「魂動のデザイン」を標榜するマツダである。カッコ悪いクルマを世に出すわけにはいかない。「勇気を持ってRHTから撤退するか、それとも…というところで奥の手を出した」。それが、ルーフを格納してもリヤピラーは残る、という前代未聞のリトラクタブル機構だ。
シルエットはファストバック・クーペだが、格納するのはルーフとバックウインドウだけだからコンパクトに折り畳める。「ホイールベースは延ばさない、荷室は減らさない。そんなあり得ないような条件を固めた結果、このアイデアが生まれた。条件が厳しかったからこそ、これを思い付いたのだ」と中山チーフ。「エクステリアとインテリアの原寸大モデルを制作し、ホントにカッコいいのか、開放感は充分にあるかを確認した。それを役員に提案したら、すぐに『やれ!』となった」。
実は最大市場のアメリカからは、固定ルーフのクーペを要望されていたそうだ。中山チーフがこう語る。「コンパクトなクーペがあったら楽しいのは、クルマ好きとしてわかる。でもマツダのロードスターはオープンでなくてはいけない。それは我々だけのこだわりではないんです。ロードスターに並々ならぬ愛着を持つ人が会社の上層部にたくさんいて、開発チームのこだわりをサポートしてくれた」。
もしかしたらボツになっていたかもしれないプロジェクト。それが世に出たのは、ロードスターを愛する人たちの執念だ。ニューヨークで発表された米国向けMX-5 RFと同じく、日本のロードスターRFも2リットルを積み、17インチを履く。赤茶系の内装色はRFだけで選べ、ソフトトップ車には設定しない。まさに「もうひとつのロードスター」なのである。

ニューヨークモーターショー16でデビューしたロードスター RFは、新型ベースのリトラクタブルハードトップモデル。
単に、ルーフをハードトップに変更するだけでなく、ルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜するファストバックスタイルを採用。さらに、独自のリアルーフ形状と開閉できるバックウィンドウによる新しいオープンエア感覚を実現した。
また、電動ルーフは、10km/h以下での走行中の開閉を可能とするフル電動式。ルーフは限られたスペースにコンパクトかつ効率的に収納できる構造とし、ファストバックスタイルのデザインとソフトトップモデルと同じ荷室容量を両立させた。
今回、マツダが公式サイトを通じて配信した映像は、ロードスター RFの詳細を紹介したもの。スムーズに開閉する電動ルーフの動きが確認できる。

 

  マツダのロードスター、世界カー・オブ・ザ・イヤー受賞                                   2016年3月25日

 

ワールドカーオブザイヤー(WCOTY)主催団体は3月24日、米国で開催中のニューヨークモーターショー16において、「2016ワールドカーオブザイヤー」を、新型マツダ『ロードスター』に授与すると発表した。
ワールドカーオブザイヤーは、2005年に開始。今回は2014年秋から2015年秋にかけてデビューした新型車の中から、最高の1台を選出する。条件は、2016年春まで生産と販売を継続しており、世界2大陸以上で販売していること。つまり、欧州専用車、北米専用車、日本専用車などは選考対象から外される。
投票は世界23 か国、74名のジャーナリストが、バリュー、安全性、環境性、コンセプトなど6項目を基準に行う。
3月24日、米国で開催中のニューヨークモーターショー16において、2016ワールドカーオブザイヤーが新型マツダ『ロードスター』に決定。

3月24日、米国で開催中のニューヨークモーターショー16において、2016ワールドカーオブザイヤーが新型マツダ『ロードスター』に決定。
新型アウディ『A4』と、メルセデスベンツ『GLK』後継車の『GLC』のドイツ2車を抑えて、栄冠を手にしている。

ワールドカーデザインオブザイヤーは、ワールドカーオブザイヤー(WCOTY)の部門賞のひとつ。今回は2014年秋から2015年秋にかけてデビューした新型車の中から、最もデザイン性に優れた1台を選ぶ。
条件は、2016年春まで、世界の少なくとも1市場で販売されていること。世界23か国、74名のジャーナリストに5名のデザインの権威が加わり、審査を行う。
そして、2016ワールドカーデザインオブザイヤーは、新型マツダ『ロードスター』が獲得。同じくマツダの『CX-3』、ジャガーカーズの新世代スポーツセダン、ジャガー『XE』を抑えての受賞で、2016ワールドカーオブザイヤーとの2冠となった。
マツダの前田育男 執行役員 デザイン本部長は、「この受賞をとても誇りに思う。マツダのデザインが、世界中の人々とつながれるということを証明した」とコメントしている。

 

   マツダ、ニュー・モデルをニューヨークで公開 「動画世界初公開」                                2016年3月11日

 

 

 

マツダはニューヨーク・モーターショーで何かしらのニュー・モデルをワールド・プレミアするというインビテーション・カードを関係者に送っている。
ただし、その新型がどんなモデルであるかは一切不明だ。だが、これはMX-5のハードトップ・バージョンであると予想し、ネーミングもMX-5ロードスター・クーペとなると考える。
第4世代のMX-5は、デビューしてから1年間はロードスターのみだったので、ハードトップ・バージョンの登場は容易に想像できる。
既にマツダは第2世代となるハードトップ・モデルが、前のモデルよりもコンパクトな折りたたみのメカニズムを持つことになろうと話している。それは、トランクスペースの改善に繋がるという。
折畳式のハードトップを持つこのロードスター・クーペは、1050kgのロードスターよりも若干重く、価格は£500(8万円)ほど高くなると思われる。

実は第3世代のMX-5に設定されていた折畳式のハードトップ・モデルは、手動式のソフトトップに慣れている英国ですら、全体の80%をこのハードトップ・モデルが占めていたという実績がある。ただし、本当にMX-5ロードスター・クーペのデビューかどうかは、現時点では不明だ。

 

3月11日、マツダのスペインのファンサイト「Club Mazda Espana」が公式Twitterで明らかにしたもの。「噂」としながらも、一部メディアの「ニューヨークモーターショーで、新型ロードスターのリトラクタブルハードトップがデビューする」との記事に、リツイートしている。

 

マツダは3月23日(現地時間)「MX-5(日本名:ロードスター)」の派生車種となるリトラクタブルハードトップモデル「MX-5 RF」を世界初公開した。

MX-5 RFは、「Retractable Fastback」の略であるRFを車名に冠し、通常のソフトトップに替えてファストバックスタイルの電動ルーフを採用。フル電動式となるこのルーフは、10km/h以下での走行中でも開閉が可能となっている。また、ファストバックスタイルによってルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜する新しいリアビューを獲得し、ソフトトップモデルと同じ荷室容量を実現している。

パワートレーンはベースモデル同様に、ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 1.5」「SKYACTIV-G 2.0」の2種類を市場に合わせてラインアップし、北米仕様車では「SKYACTIV-G 2.0」が搭載される。新しいMX-5 RFは、ニューヨーク国際自動車ショー(プレスデー:3月23日〜24日/一般公開日:3月25日〜4月3日)に出品される予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

  トヨタ 86 次期型はマツダ ロードスター がベースに!?                                                   2016年3月6日

 

3月にも現行モデルのフェイスリフトが噂されるトヨタ『86』。早くも次期型に関する情報が、レンダリング・スケッチと共に欧州から聞こえて来た。
改良型では5から10ps程度の馬力アップ、フロント&リアバンパーのリフレッシュが予想されるが、気になるのはやはりフルモデルチェンジとなる次期モデルだろう。
情報元によれば、次期86はマツダ『ロードスター』とFRプラットフォームを共有する可能性が高いと言う。トヨタは2015年にマツダとの提携拡大を発表しており、マツダ側から見ても、さらなる兄弟モデルの誕生により、コストダウン強化に繋げたい所だろう。

ちなみにロードスターといえば、コンポーネンツを共用した兄弟車、フィアット『124スパイダー』の登場も記憶に新しい。
トヨタ×マツダ「86」が実現した場合、心臓部にはダウンサイジングされた1.5リットルの次世代SKYACTIVエンジンの搭載が予想され、オープンモデルに生まれ変わる可能性が高い。また、トヨタはロードスターのプラットフォームでのテストが最終段階に入っているという情報もある。
スケッチによるエクステリアは、新型『プリウス』やレクサス『LC500』などに見られる、ヘッドライトからフロントバンパーへの一体化デザインが採用されているようだ。
トヨタ86次期モデル、世界初公開は2018年頃が有力だ。

 

トヨタ「86」

 

マツダ「ロードスター」

 

 アバルト124スパイダー                                                                                            2016年3月2日

 

アバルド124スパイダーがジュネーブで初公開された。欧州では9月に、約£31,000(490万円)で発売されるという。

パフォーマンス志向を強めたこのモデルは、アバルト・レーシング・チームとともに開発され、アグレッシブなスタイリング、マットブラック塗装のボンネット、172psの最高出力、リミテッド・スリップ・デファレンシャルを与えられている。

フィアットの1.4gマルチエアU4気筒エンジンに改良をくわえ、最高出力172ps、最大トルク25.4kg-mを発揮。これに、6速ショートストロークMTまたはパドルシフト付き6速ATを組み合わせる。ドライビング・モードには “スポーツ” モードが用意されるという。ベース車両はマツダ・ロードスターだ。
0-100km/h加速タイムは6.8秒で、最高速は230km/hにおよぶ。

さらに “レコード・モンツァ” なるエグゾースト・システムが標準装備される。

ライバルには、車両価格£24,295(385万円)、2.0gエンジンのマツダMX-5が挙げられる。アバルト124スパイダーはこの点に関しては不利におもえるが、MX-5の走行性能が160ps、0-100km/h加速タイム7.3秒、最高速度214km/hということを考えるとあながち不利というわけでもない。

2シーターで後輪駆動というパッケージングのアバルトは、車両重量1060kgで、前後重量配分は50:50を実現。メーカーの担当者はクラスをリードするパワー・ウェイト・レシオだと胸を張っている。

足まわりはフィアット124から改良を受け、アバルト仕様では前がダブルウィッシュボーン式、後ろが5リンク式となる。これは、ブレーキ性能強化、コーナリング剛性を目的としたものだという。また、フロントのブレーキ・キャリパーをアルミ製にしたのも特徴だ。

インテリアは、アルカンターラで覆われ、シートには3点式シートベルトを採用。エアコン、クルーズコントロールを標準装備するが、7.0インチ・インフォテインメント・システム、ナビゲーション、ブルートゥース、バック・カメラはオプションだ。

また、アバルトは124スパイダーのプロトタイプ・ラリー仕様(赤の車両)をアンヴェールしており、こちらは最高出力304ps/6500rpmというスペックで2017年のラリーシーズンにデビューするという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   マツダMX-5スポーツ・レカロ                                                                                        2016年2月22日

限定展開の ‘スポーツ・レカロ’ なるグレードは、MX-5のレンジのなかでもっとも高価だ。£24,000(387万円)というプライス・タグに果たして正当性はあるのか? いざ、テストする。

どんなクルマ ?
マツダMX-5(日本名:ロードスター)のスペシャル・エディションには、長い歴史がある。
スポーツ・レカロは2.0gエンジンを載せるスポーツ・ナビというグレードを基本としているのだが、外観はよりアグレッシブになり、装備も通常モデルより充実したものとなっている。
スポーツ・レカロというモデル名からも想像がつくように、このクルマのメインはアルカンターラ地のレカロ製スポーツ・シートだ。これに呼応するデザインがあしらわれたトリム・パネルも組み合わされる。
ペダルは合金製に変わっており、ボーズ製サウンド・システムはパンチのある音を鳴らす。外観はダイヤモンド・カットのアロイ・ホイール、

グロスブラックのボディ・キット、控えめなリア・スポイラーが特徴。メカニカルな変更点はないが、スポーツ・ナビが標準でビルシュタイン製のショック、レートをあげたスプリング、フロント・ストラット・ブレース、LSDを備えるため、これらをスポーツ・レカロも引き継いでいる。
どんな感じ ?
別にパワーアップしたわけでも、ハンドリングが鋭くなったわけでもないので、少なからぬ読者はガッカリするかもしれないが、MX-5の楽しさは変わらない。
スポーツ・サスといえども、ボディは想像よりもロールする。けれどこのクルマと過ごす時間が長ければ長いほど、このロールのなす意味がわかってくる。
ボディの動きに自由があると、マスの移動に嫌でも気を使うようになる。カーブへのエントリー時、ブレーキをどのタイミングでどれだけ踏めばいいかを意識する。
結果的にノーズに荷重を掛けてやる度合いによって、リアがどのようについてくるかがわかる。これが楽しいのだ。そこからドリフトにもっていくのも気持ちがいい。
ただしパワーの戻し方には注意が必要。あまりに急ぐと、アンダーステアは免れない。きちんと態勢を整えないと、途端によろめくことになる。
クルマを速く走らせるにはタイミングが大事。制動、操舵、加速のタイミングがすべて合うと、達成感が湧いてくる。この達成感がフィルター無しに味わえるのが、ロードスターを速く走らせる醍醐味だ。
もしあなたが、後輪駆動車のルーキーなのであれば、MX-5はさらに打ってつけだろう。スタビリティ・コントロールの介入がほどよい。だから不意なコンピューター側の介入に、かえって驚くことがない。
ただ、すべての介入装置をオフにしてウェット路を走る場合、やはりホイールベースの短さゆえ暴れるのも早い。忠告としてここに念のため書いておく。
2.0
gのユニットそのものは特にパワフルだと感じないが、上へ上へと回ろうとする熱意はある。レッド・ゾーンの始まり付近の音は野太い。
カチリとゲートに入れられる、ショート・ストロークのギアのおかげで、美味しい回転域を維持するのもむずかしくない。
ドライバーを含めて約1100kgという軽さもあって、1000rpmを少し超えたあたりから、車体は涼しげに前に飛びだす。これが14.2km/?の燃費にも繋がっているようだ(もしメーターの表示を信じるならば)。
キャビンは、身長の低いドライバーにとってはさしたる不満もないだろうが、身長が高いと少し辛い。ステアリングの調整幅が理由である点も否定しない。
レカロ製シートは、身体を不必要に揺さぶらず、きちんとホールドしている。丸1日ちかく運転したが、シートが原因の疲れを感じることはなかった。
シート・ヒーターは標準。寒い冬の朝に、屋根を開けていながらも、体がふんわりと温かいことほどの幸せはなかなかないだろう。
いい意味でも悪い意味でもスポーツカーに乗っているという感覚は強い。高速道路では不快ではないにせよ足元は硬いし、ウインド・ノイズやロード・ノイズは盛大だ。他に比べると遥かに洗練されて乗り心地がいいのもたしかだが。
「買い」か ?
4代目のMX-5のなかで、もっとも高価だという事実に対し、本当にそれほどのバリューがあるかどうかは話し合う必要がある。
スポーツ・ナビ・グレードよりも£1,000(16万円)増しで、これほどの装備が一気に手に入るのはいいが、むしろこんなに装備が必要かどうかも怪しい。
より小さなホイールに標準のサスを組み合わせる1.5?のエンジンを載せるMX-5とは成り立ちが異なるため、比べるのも的違い。
よって、装備の充実したスポーツ・ナビ・グレードが欲しく、さらにレカロのシート等を安く手に入れたいのであれば買い。ただ、決してすべてを差しおいたベストバイではないことは否定しない。

 

マツダMX-5スポーツ・レカロ

価格£24,295(391万円)
最高速度214km/h
0-100km/h加速7.3秒
燃費14.5km/g
CO2排出量161g/km
乾燥重量1075kg
エンジン直列4気筒1998cc
最高出力160ps/6000rpm
最大トルク20.5kg-m/4600rrpm
ギアボックス6速マニュアル

 

 

 ロードスター電動リトラクタブルモデルには2.0LスカイアクティブGが搭載される                    2016年2月8日

 

新型ロードスターの電動リトラクタブルハードトップ仕様が開発中となっている。
そして、2016年秋ごろには電動リトラクタブルハードトップを装備するモデルが追加発売される見込みだ。通常モデルは手動ソフトトップであるが、電動リトラクタブルハードトップ化によって重量増を伴うことになる。これに合わせてパワートレインも大きなものが搭載され、2.0LのスカイアクティブGが採用されることになるだろう。
既にロードスター北米仕様(MX-5 Miata)では、2.0LのスカイアクティブG搭載モデルがラインアップされている。これまでアクセラに横置き搭載されてきた2.0Lユニットは、縦置きFR化が完了しており、これをそのまま持ってくることで追加の開発コストは不要となる。

MX-5 Miataのスペックは、MTモデルで最高出力167hp、最大トルク140 lb-ft。つまり169ps、19.4kgfmとなる。1.5Lエンジンが搭載されるロードスター日本仕様の131ps、15.3kgfmと比較してもその差は歴然。電動リトラクタブルトップの重量増は先代モデルがそうであったように40kg程度が推測されるが、これを差し引いてもパフォーマンスアップが期待される。

ロードスター電動リトラクタブルトップ仕様は、上級パワートレイン搭載モデルとしても人気となりそうだ。

 

  【ユーロNCAP】マツダ ロードスター 新型、最も安全な車に…オープンスポーツカー部門                2016年1月20日

 

ユーロNCAPコンソーシアムは1月13日、新型マツダ『ロードスター』を、オープンスポーツカー部門の最も安全な車に認定すると発表した。
欧州で唯一、公的衝突テストを行うのが、ユーロNCAPコンソーシアム。ユーロNCAPは今回、2015年に衝突テストを実施した約40台の中から、最も優れた安全性を示したモデルを8カテゴリー別に発表した。
ユーロNCAPで最高の5つ星評価を得るためには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子ども乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で65%以上、「安全補助装置」で70%以上のポイントを獲得するのが条件。4項目のひとつでも、基準のポイントを下回り、4つ星以下となった場合、総合評価で5つ星と認定されない。また、総合評価で5つ星を得るには、75%以上のポイントも必要。

新型マツダ ロードスターのテスト結果は、成人乗員保護性能が31.9点(84%)で、5つ星の条件をクリア。子ども乗員保護性能は17点(80%)で、5つ星の条件を満たす。歩行者保護性能は33.7点(93%)で、5つ星に該当。しかし、安全補助装置は8.3点(64%)となり、5つ星に必要な70%に届かなかった。ユーロNCAPによると、新型ロードスターに緊急自動ブレーキが未設定なのが、安全補助装置の評価が低い理由という。
この結果、新型ロードスターの総合評価は、最高5つ星のところ、4つ星。それでも、ユーロNCAPから、オープンスポーツカー部門における最も安全な車と認定された。ユーロNCAPは、「乗員保護性能が5つ星のオープンスポーツカーは、2015年のテスト車で他にない」と評価している。

 

 【カーオブザイヤー15】大賞は ロードスター …マツダが2年連続の栄冠に輝く                   2015年12月7日

 

12月7日、都内で日本カー・オブ・ザ・イヤー(JCOTY)2015-2016の最終選考会・開票式が行われ、マツダ『ロードスター』が今年最も優秀なクルマに選ばれた。
JCOTYでは45台のノミネート車の中から、一次選考で上位10台の「10ベストカー」を選出。その後、最終選考にて自動車評論家、ジャーナリスト、一般有識者からなる60名の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の投票により、大賞が決定する。
開票序盤から、マツダ ロードスターとホンダ『S660』のオープンスポーツカーによる一騎打ち。3分の1経過時点で、ロードスターが20票の差をつける。3分の2経過したところでは36点差に広がるが、まだS660も食らいつく。しかしながらロードスターが逃げ切り、大賞に決定。マツダ車は昨年の『デミオ』に次いで2年連続の栄冠を手にした。

2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーはマツダ・ロードスターが受賞した。合計で442点。堂々たるトップだった。“明確なコンセプトを持ち、作り手の熱い情熱を感じさせるライトウエイトスポーツカーとして、その出来映えの素晴らしさは誰もが認めるところである。さらに初代登場の1989年以来、26年にわたって ドライビングの楽しさを追求し続け、真のクルマ文化を根付かせたいと努力してきたマツダの企業姿勢に ついても高く評価した” というのが受賞理由である。

 

   フィアット「124スパイダー」のアバルト・バージョンは登場するか?                      2015年12月7日

 

11月のLAオートショーで新型「124スパイダー」を発表し、フィアットはついにスポーツカーの市場に復帰を果たした。当然、次に持ち上がる質問は、「フィアットはそのアバルト・バージョンを開発するのか」ということだろう。
フィアット・ブランドのディレクター、オリビエ・フランソワ氏は、「124スパイダーの高性能バージョンを検討する可能性はある。しかし、現時点では明言できない」と語っている。
124スパイダーが発表された後の取材では、フランソワ氏は記者たちに対して口が重かったが、量産モデルをベースに高性能版が登場することは、フィアットの遺伝子にも書き込まれている。フランソワ氏は多くを語らなかったものの、その血統からよりハイパワーなアバルト・バージ

ョンが生まれる可能性は高い。フィアット 124スパイダーの発売は2016年夏の予定だから、アバルトはその1年くらい後になるだろう。
アバルト・バージョンは、強化されたサスペンションやインチアップしたホイール、サソリのマークが描かれたバッジを装備し、エアロダイナミクスも改良されるはず。カーボンファイバー製パーツも採用され(おそらくボンネット)、フィアットの個性豊かにチョイスされたカラーリングに映えることだろう。上の画像でイラストレーターが選んだ「ロッソ・コルサ(競争用の赤)」も間違いなくその1つだ。
中でも大きな関心は、エンジンのパワーがどれくらいになるかということ。可能性として高そうなのは、124スパイダーに搭載されている1.4リッター直列4気筒マルチエア・ターボエンジン(米国仕様のベースモデルは最高出力160hp、最大トルク24.5kgm)をチューンアップする方法だ。同型のエンジンは「アバルト500」にも使用されているが、124スパイダーのアバルト版ではよりトルクが増強されるだろう。フィアットはこのエンジンの最高出力を200馬力前後まで引き上げるか、あるいはフィアット・クライスラーの豊富なパワートレインの中から他のエンジンを選択することも考えられる。アルファ ロメオ「4C」の最高出力240psを発生する1.7リッター直列4気筒ターボエンジンも候補に挙がると思われる。
(変更が加えられているとはいえ)共通のプラットフォームを持つマツダ「MX-5ミアータ」(日本名:ロードスター)と同じように、124スパイダーも絶対的なパワーよりドライビング・ダイナミクスやスタイルを重視した設計だ。フェラーリやアルファ ロメオ、あるいはランボルギーニに手が届かない多くのクルマ好きに、イタリア車の魅力を伝えるのが124スパイダーだとフィアットは考えている。「こういうクルマを熱望する数多くの人々にアピールできると考えています」とフランソワ氏は言う。
もちろん、アバルトの価格帯が分かるのは当面先になるだろうが、フランソワ氏によれば、ベースとなる124スパイダーは「このセグメントに見合った価格」になるという。2016年型ミアータの価格が輸送費込みで2万5,735ドル(約320万円)からなので、アバルト 124スパイダーはおそらく3万2,000ドル(約390万円)程度になるのではないだろうか。
124スパイダーは正真正銘の歴史あるスポーツカーであり、フィアットのイメージを高める存在だ。フランソワ氏も「これはまさしくイタリア車の真髄のようなクルマです」と語っている。つまり数を売ろうとは考えていないということだ。124スパイダーの米国向け販売数は年間6,000台ほどと控えめで、世界中でもおそらく1万2,000台程度だろうと、調査会社HIS Automotiveの上級アナリスト、ステファニー・ブリンリー氏は見ている。彼女の調査書にも「フィアットが124スパイダーで実現したいのは、ブランドイメージを高め続け、ブランド全体の評価を高め続けることだ」と記述がある。
新型124スパイダーには、伝説に残る先代のように、レースに参戦するのではないかという噂もあるが、そんな競技用車両としてもベースになりそうなクルマがある。今年から、新型MX-5をワンメイク・レース用車両に仕立てた「グローバル MX-5カップ」レースカーの販売も始まっているのだ。
124スパイダーという名前はフィアットのアイコンの1つではあるが、実はフィアットは別の選択肢も考えていた。1970〜1980年代の量産ミッドシップスポーツカーのパイオニア的存在であった「X1/9」の名前も検討したらしいのだ。だが、124スパイダーの方が「ブランドが持つ資産的価値が上だと考えました」とフランソワ氏は語っている。ということは、「アバルト 124スパイダー」なら、さらにブランド価値が上がるに違いない。

 

 新型 ロードスター、日本自動車殿堂カーオブザイヤーを受賞…                          2015年11月28日

 

マツダは、新型『ロードスター』とその開発グループが「2015〜2016日本自動車殿堂カーオブザイヤー」を受賞。11月27日、授賞式がマツダ東京本社で行われた。マツダ車による同賞受賞は、2003〜2004の『RX-8』に続いて3回目となる。
日本自動車殿堂は、小口泰平芝浦工業大学名誉学長が会長を務めるNPO法人。各年度の最も優れた乗用車とその開発グループを表彰することを目的に、毎年日本自動車殿堂カーオブザイヤーを選定している。
今回受賞したロードスターは、洗練されたオープンスポーツカーデザインや軽量高剛性ボディによる卓越した走行性能と低燃費、進化した「SKYACTIV技術」などが高く評価された。
授賞式でマツダの小飼雅道社長兼CEOは、「新型ロードスターがこのような名誉ある賞を受賞することができ、我々が目指すクルマづくりが

認めてもらえたことを嬉しく思う。今後もユーザーの人生を輝かせることのできるクルマづくりを追求し、選ばれ続けるオンリーワンのブランドになることを目指していく」とコメントした。

 

 【ロサンゼルスモーターショー15】フィアット、「124スパイダー」を発表                   2015年11月19日

 

「マツダ ロードスター」に独自のデザインとエンジンを与えた新型「124スパイダー」を発表
フィアット・クライスラー・オートモービルズは18日、2人乗りの新型スポーツカー「フィアット 124 スパイダー」を、まずは主要市場となる米国で発表した。すでにご存じの通り、現行型「マツダ ロードスター」をベースにイタリアンなデザインとエンジンが与えられた日伊混血のオープン2シーターである。

フィアット 124 スパイダーという名前は、1966年に発表されて20年近くも作り続けられた同名のスポーツカーから受け継いだもの。
エクステリア・デザインも、目頭に切れ込んだ丸目のヘッドライトや

六角形のフロント・グリル、ボンネットに見られる2つの"パワー・バルジ"など、ピニンファリーナが手掛けた過去の124スパイダーをモチーフとしていることは明らかだ。
その車体はマツダ ロードスターと共通だが、ボディ・パネルはフィアットのチェントロ・スティレがデザインした「100%イタリアン」であるという。もっとも三角形のサイド・マーカーなど、マツダと共通の外装パーツもいくつか目に付く。マツダ ロードスターのウインド・スクリーン・フレームが重心の低さを強調するブラックであるのに対し、124スパイダーはレトロなメッキ・フレームを模した(と思われる)シルバーで塗装されている。

今回発表された北米仕様同士で比較すると、全長はフィアットの方がマツダより約140mmも長い。これは単にスタイリングのためだけでなく、トランク・スペースの拡大を狙ったもので、荷室容量にして8.5リッターほど大きいという。また、全幅が5mm、全高は2.5mmほど、フィアットはマツダより僅かに大きい。ホイールベースは共通だ。16インチと17インチが用意されるホイールはフィアットらしいデザインだが、もちろんマツダと同じ4穴。米国版Autoblogからの報告によると、タイヤも共通だったという。
エクステリアと並んでもう1つ、マツダ ロードスターとの大きな違いはボンネット下のエンジンだ。マツダが自然吸気の1.5リッターまたは2.0リッター直列4気筒を積むのに対し、124スパイダーは最高出力160ps/5,500rpm、最大トルク25.4kgm/2,500rpmを発生する1.4リッター直列4気筒ターボを搭載する。このエンジンは同グループのアバルトやアルファ ロメオで採用されているものだが、後輪駆動用に縦置きされるのはこれが初めて。トランスミッションは6速MTと6速ATが用意される。MTの方はターボ・エンジンに合わせてギア比がマツダとは異なるが、ATの方は最終減速比を除き各ギアともマツダ ロードスター用と共通。つまり、アバルトやアルファ ロメオのようなシングルクラッチまたはデュアルクラッチ式シーケンシャルではなく、マツダと同じアイシンAW製のトルクコンバーター式ATを採用していると思われる。
余談だが、今後フィアットにはよりパワフルなアバルト・バージョンが登場するという噂もある。
インテリアはシート表皮とドアの内張がフィアット独自のデザインで、それ以外はマツダと大きな違いはないようだ。計器類や操作系も共通だが、フォント等が異なる。7インチ・タッチスクリーンを採用したインフォテインメント・システムは「フィアット コネクト 7.0」という名前になっているものの、中身はお馴染みの「マツダコネクト」。ダッシュボードではマツダと共通の樹脂製バネルの上に"ソフトタッチ・マテリアル"を張ることで、高級感を加味している。
ボディ・パネルとエンジンの違いにより、124スパイダーの車両重量はMTが1,105kg、ATは1,123kgと、2.0リッターの米国仕様マツダ ロードスターよりさらに40kg以上も重い(日本仕様の1.5リッターでほぼ同等装備の仕様と比べると70〜80kg前後も重い)。その代わり、ターボ過給による大トルクが与えられているわけで、外観と同様に、運転してみても魅力の質はかなり異なると思われる。

2016年夏の発売される米国では「クラシカ」と「ルッソ」という2種類のトリム・グレードが設定され、ボディ・カラーは(一部マツダと似たような)全7色。さらに"124スパイダー復活記念モデル"として、「アズーロ・イタリア」と呼ばれるブルーのボディ・カラーとサドル・カラーのレザー内装を組み合わせた「プリマ・エディツィオーネ」(下の写真)が124台限定で販売されるという。
気になるのは両車の生産が行われる日本(フィアット 124スパイダーも広島にあるマツダの工場で生産される)での販売価格だが、装備や仕様を見る限り、マツダより高い価格帯に設定されることは間違いないだろう。となると300万円台後半か。まずは公開されたばかりの公式画像をじっくりとチェックしてみていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

   マツダ・NDロードスターRS                                        2015年11月17日

 

どんなクルマ?

ロードスターに追加された“RS”はロードスターのトップスポーツモデルという位置づけであるだけでなく、ビルシュタイン社製ダンパーとレカロ社製シート……というドイツの有名2ブランドのパーツが標準装備される点が、マニア的には大注目だろう。そのほかにもフロントのストラット・タワーバーや1インチ拡大された大径ブレーキなどもRSならではの新装備だが、これらはすべて現時点で他グレードにはオプション設定もないRS専用装備となる。

……と、定期的にチェックしていただいている向きなら、すでにお気づきかもしれない。ビルシュタイン、レカロ、タワーバー、大径ブレーキ……といったRS専用装備は、大半が海外仕様の2.0g?モデル用として設定されているもの。RSの成り立ちを簡単にいうと “海外用2.0gに準じたシャシーに、1.5gエンジンを積んだロードスター” である。

また、吸気系から枝分かれさせた樹脂パイプで、音質や音量を調整して室内に導く“インダクションサウンドエンハンサー”もRSでは標準装備される。ただ、これは以前から販売店オプションとして用意されている。
どんな感じ?
いちいちウンチクを語る昨今のマツダらしく、自慢のレカロ・シートも汎用品をポンづけしたものではない。座面高は数値的には標準シートと同じで、シートバックも幌の開閉操作を考慮して、肩まわりの自由度を高めた専用デザインである。ロードスターは標準シートも悪くないデキだが、さすが面圧分布までレカロ独自のノウハウが活かされている感がある。強力に押さえつけるのではなく、しっとり吸いつくホールド性は、シート単体では確実に標準シートより好印象だ。
ただ、身長178cmでメタボ体形、かつ典型的な短足日本人タイプである私の場合、いつものドラポジを設定すると、クラッチ操作ごとに左足がダッシュボードに当たってしまう。これはほかのロードスターでは見られない現象だ。試乗後に開発担当氏ともども確認したところ、数値的な座面高は変わってなくとも、下半身を左右をきっちりホールドするレカロのせいで、微妙に両脚が持ち上げられてしまうのが原因らしい。

そもそもギリギリのクリアランスでドラポジの理想を追求したロードスターゆえに、体形やシート形状のわずかなちがいで、こういう問題は起こる。まあ、小型スポーツカーというのは元来そういうものなので、批判するつもりはない。ただ、これからロードスターを購入する向きは、所望のグレードの運転環境を、ショールームで丁寧かつ冷静に、心ゆくまで確認すべきである。

シャシーは既存のSスペシャルパッケージ(以下、Sスペシャル)をベースに、タイヤやスプリング、スタビライザーはそのままに、ダンパーだけを入れ替えている。減衰力はフロントがSスペシャルより明確に高められて、リアはほとんど変わっていないという。

大径ピストンのビルシュタインは、微小域から減衰がきっちり立ち上がってくれるのもメリットだ。ご想像のとおり絶対限界性能はSスペシャルと変わりないが、ステア反応がわずかに鋭くなったいっぽうで、フロントの姿勢変化はゆっくりとしたものなり、、トータルとしては、FRに不慣れなドライバーのアラっぽい運転に寛容になった。そのわりにリアはしっかりと路面をとらえてくれて、さらにLSD効果もあり、後からのキック力は損なわれていない。あくまで微妙な差ではあるが、現在のロードスターでは、このRSがもっとも現代的で技量を問わない操縦性をもつ。
「買い」か?
ヌケのいい高音域を強調するインダクションサウンドエンハンサーの効果もまずまず体感できるし、大径ブレーキも絶対的な効きはともかく、フィーリングの改善は体感できる。どちらも驚くほどの効能ではないが、あって損はない装備である。さらにBOSEオーディオなど、RSの装備内容はSレザーパッケージに準じて充実している。細かい内容を吟味すれば、RSはマニアには十二分に納得できる買い得な価格設定といっていい。

ただ、スタビ付きのリアサス(安価なSやAT車のリアサスはスタビレス)はまだ完璧に滑らかなストロークをしているとはいえず、そのせいでフロントの上下動がおさまりにくく、結果的にステア操作が一発で決めにくい……というSスペシャルのクセは、このRSでも完全には解消していない。RS本来のねらいは“ハンドリングオタクのための決定版ロードスター”だが、今のところは、それに手放しで同意はできない気持ちも残る。

もっとも、レカロのドラポジがドンピシャにフィットする人には、現時点でもっともマニア好みの内容で、もっともモダンで運転しやすく、飛ばしやすいロードスターであることは間違いない。昨今のマツダを見れば、さらなる熟成作業にたいした時間はかからないだろうが、その前に、自分で手を加えていくのも一興だろう。小型スポーツカーとは、そういうものである。

 

  SEMAショー15】マツダ ロードスター 新型にスピードスターコンセプト…115kgの軽量化             2015年11月4日

 

マツダの米国法人、北米マツダは11月3日、米国ラスベガスで開幕したSEMAショー15において、新型『ロードスター』の「スピードスターコンセプト」を初公開した。
スピードスターコンセプトは、1950年代に少量が生産されたロードスターモデルに敬意を払い、軽量さを追求したスタディモデル。
軽量パフォーマンスカーのあるべき姿を提示する。
その最大の特徴が、フロントのウインドスクリーンをなくしたスピードスターボディ。風をダイレクトに感じながら、ドライブできる。シート後方のツインドームは、かつてのスピードスターを連想させる部分。
また、車両重量は943kg。
カーボンファイバー製のドアを採用するなどして、ベース車両(北米仕様

は2.0リットル)に対して、およそ115kgの軽量化を達成した。
シートはカーボンファイバー製で、ブラックのアルカンターラ仕上げ。ボディカラーはブルーエーテルで塗装した。
サスペンションはK&W製で、サーキットの特性に合わせた調整が可能。
車高は30mm引き下げられた。ブレーキはブレンボ製で強化。マフラーはレーシングビート製のセンター出し。レイズ製の16インチアルミホイールに、クムホの225/50R16タイヤを組み合わせている。

 

 【SEMAショー15】マツダ ロードスター 新型、スパイダー と スピードスター 初公開へ                2015年11月1日

 

マツダの米国法人、北米マツダは10月29日、米国ラスベガスで11月3日に開幕するSEMAショー15において、新型『ロードスター』の2台のコンセプトカーを初公開すると発表した。
2台のうちの1台は、「スパイダー・コンセプト」。
ビンテージなロードスターのキャラクターを、現代のデザインに反映させたコンセプトカーとなる。ボディカラーは、マーキュリーシルバーで塗装。専用のレザー内装を採用する。
もう1台が、「スピードスター・コンセプト」。
1950年代に少量が生産されたロードスターに敬意を払い、軽量さを追求したスタディモデル。ボディカラーはブルーで、風をダイレクトに感じるスピードスターボディとした。
2台のコンセプトカーともに、車両重量はベース車両の1058kg(北米仕様は2.0リットル搭載のため、日本仕様の1.5リットルよりも重い)に対して、大幅に軽量化される予定。
なお、北米マツダはSEMAショーでの初公開に先駆けて、予告イメージを1点配信している。

 

   マツダ ロードスター、新グレード「RS」を追加…足回り強化など                                           2015年10月2日

 

 

マツダは、新型『ロードスター』に走行性能を高めた新機種「RS」を追加し、10月1日より発売した。
新グレード「RS」は、走りを楽しむことに強いこだわりを持つユーザーに向け、運転の楽しさを深化させたモデル。ビルシュタイン社製ダンパーとフロントサスタワーバー、大径ブレーキを標準装備することで、高G/高速領域での正確な回頭性と手応えに優れたステアリングフィールを提供。ロードスターのポテンシャルを極限まで引き出せる足回りを実現した。
また、高G領域でもよりしっかりと体幹を支え、正確な運転操作をサポートする「RS」専用シートをレカロと共同開発。

さらにエンジンサウンドにもこだわり、高回転域まで軽快に吹け上がるロードスターの持ち味を強調するために、インダクションサウンドエンハンサーも標準装備とした。
価格は319万6800円。現行のトップグレード「Sレザーパッケージ」より約5万円高い設定とした。

 

   マツダ ロードスター 新型の フィアット 版、「124スパイダー」…完全な姿を捕捉                        2015年9月30日

 

 

マツダが、世界市場に投入した新型『ロードスター』。
同車の兄弟車として、イタリアのフィアットから発売されると見られる『124スパイダー』の完全な姿が、米国の自動車メディアによってスクープされた。
これは9月28日、米国の自動車メディア、『JALOPNIK』が伝えたもの。同メディアの契約カメラマンが、フィアット『124スパイダー』の擬装のないフルヌード姿の撮影に成功。読者に向けて、その姿を公開している。
マツダとフィアットは2012年5月、マツダ ロードスターをベースにしたオープン2シータースポーツカーの開発・生産に向けた協議を開始。

当初は、フィアット傘下のアルファロメオブランドが、ロードスターの車台を使った新型スポーツカーを開発する方向だった。しかし最終的に、フィアットブランドから発売されることで、落ち着いたと伝えられる。
今回、同メディアに掲載されたフィアット124スパイダーは、まさにマツダとフィアットの協業プログラムから誕生する1台。同メディアによると、フィアット124スパイダーは、新型マツダ ロードスターと車台を共用する兄弟車になるという。
同メディアがスクープした画像は、外観の前後や内装など。前後マスクは、新型ロードスターと異なる専用デザインが、与えられているのが見て取れる。
カタログ撮影現場と思われる今回の画像からは、全体がぼやけているものの、サイドの画像、リア、そしてインパネを確認することができる。
1966年にピニンファリーナの手によりデザインされた元祖『124スパイダー』の意匠が感じられ、フロント、リアのデザインともロードスターと差別化されている一方、インパネはステアリングに「FIAT」のロゴが入っている以外、ロードスターに近いデザインのようだ。
パワートレインはフィアット製の180psを発揮する1.4リットル4気筒ターボを搭載する。また、ハイパフォーマンスモデルの『アバルト124スパイダー』には240psを叩き出す1.75リットル4気筒ターボエンジンが搭載予定と言う。

 

 マツダ、 モータースポーツのベース車2車種を発売                                         2015年9月25日

 

マツダは、ロードスターとデミオにモータースポーツのベース車両として最適な装備を備えた2機種を新たに追加し、ロードスターは10月15日より、デミオは全10月22日より発売する。

ロードスターNR-Aは、パーティレース2への参加などサーキット走行を想定したモデルで、車高調整機能付きビルシュタイン社製ダンパーを採用するなど一部仕様を変更している。また、大容量ラジエーター、大径ブレーキなどを採用して冷却性と耐久性を向上させたモデル。

デミオ15MBは、ジムカーナやダートトライアルへの参加などを想定したモデルで、1.5gのSKYACTIV-G1.5を搭載している。また、組み合わせらえるトランスミッションは、6速のSKYACTIV-MTだ。

価格は、ロードスターNR-Aが2,646,000円。デミオ15MBが1,501,200円〜1,566,000円。

 

   フィアット124スパイダーとアバルト124スパイダー、デザインを一新か!                          2015年9月5日

 

 

開発中のフィアット124スパイダーとそのホット・バージョンであるアバルト124スパイダーは、フィアットの関係筋によればデザインが当初の考えから離れたものになったという。
マツダ・ロードスターをベースとしたこの新しいスポーツカーは2016年に発売される予定だが、先週ラスベガスで行なわれた世界的なディーラー会議で、フィアット・クライスラーの新しい30のモデルと共に示されたものと思われる。また、このフィアット124スパイダーには、アバルト・バージョンも製作されることは既に明らかになっている。
以前、そのスタイリングに関して、予想イラストを掲載していたが、それは些か的が外れていたようだ。というのも、124スパイダーには、フィアット500の要素が含まれていないデザインとなったからだ。

その代わりに、そのデザインは、オリジナルの124スパイダーの現代版とも言えるものとなったようだ。
ソースはエンジンについても言及している。フィアットの1.4?マルチエア・ターボが、フロント・エンジン、リア・ドライブのために用意される。また、アルファ・ロメオ4Cから移植されるアルミニウム製の1750ユニットが、アバルト・バージョンのために設定されるということはなくなったようだ。その代わりとなる新しいエンジンが与えられるという。

 

   フィアット124スパイダーは今年中にデビュー                                      2015年8月11日

 

 

フィアットの関係筋によればマツダ・ロードスターの兄弟車となる124スパイダーは、早ければ9月のフランクフルト・モーターショー、遅くとも11月のロサンゼルス・モーターショーで公開されるという。
この124スパイダーは、フロント・ガラスと、そのフレームをマツダ・ロードスターと共用するが、そのアウター・パネルは完全にオリジナルのものが被せられることになる。そして、この124スパイダーにアバルト・バージョンが考えられているという。
それは、695ビポストがそうであったように、かなり本格的なスポーツ・モデルになりそうだ。噂ではアルファ・ロメオ4Cに搭載される240psの1750TBiユニットが搭載されるともされている。
また、それがかなわない場合は、180psから190psのあの1.4gマルチエア・ターボ・ユニットが搭載されることになろう。

オリジナルの124スパイダーも、フィアット・バージョンの他に、ホットなアバルト・バージョンが存在した。アバルト124は、1972年のヨーロッパ・ラリー選手権のチャンピオンにもなったモデルで、つや消しのブラックにペイントされたボンネットと、張り出したホイール・アーチが特徴だった。

なお、フィアット・バージョンの通常の124スパイダーは、130psと150psのマルチエア・エンジンが搭載されることになる

 

 

 

 

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