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  NC・ND ロードスターニュース

 

    マツダ ロードスター 次期型、登場は2022年!? 超軽量ボディに「SKYACTIV-X」搭載の噂          2019年6月25日

 

日本を代表するライトウェイトスポーツカー、マツダ『ロードスター』次期型に関する情報が入ってきた。
「ロードスター」は1989年に初代がデビュー。当時のマツダ5チャンネル体制における「ユーノス店」第一弾モデルとして、『ユーノス ロードスター』の名称で発売された。その後1996年に「ユーノス」は消滅し、1998年に登場した第2世代では、『マツダ ロードスター』としてデビュー。
2005年にはプラットフォームを刷新した第3世代(NC型)が登場。2015年に現行モデルである第4世代(ND型)へと継承されている。

第5世代となる次期型は2025年と予想されていたが、早ければ2022年にも登場する可能性がわかり、Spyder7スクープ班では早速予想CGを制作した。現行デザインを継承しつつ、随所に鼓動デザインを取り入れ、ボンネットはスラントデザインに変更した。またシャープかつ伸びやかさを強調し、サイドはシンプルながらタイヤ部分にふくらみを持たせたグラマラスなシルエットに。グリルは多少はばを持たせ、迫力アップ。ライトデザインは下側に段差を取り入れ立体的なものに仕上げた。
次期型では、カーボンファイバーを多用、ボディサイズはそのままにさらなる軽量化が図り、現行モデルの990kgから920kg程度まで絞られる。パワートレインの注目は、2018年にデビュー果たした「SKYACTIV-X」エンジンの搭載だ。ただし、第5世代では1.5リットル直列3気筒、あるいは1.2リットル直列3気筒エンジンへのダウンサイジングが噂されており、2.0リットルのSKYACTIVE-Xの進化系が注目される。次期型登場が2025年まで伸びるようなら、次世代「SKYACTIV」の搭載も予想されるだろう。噂されているEVやプラグインハイブリッドは今のところ情報はない。

 

   ロードスター30周年記念モデル                                                                     2019年2月8日

 

日本時間の8日未明、シカゴモーターショー2019でお披露目となったマツダ『ロードスター』の30周年記念モデル。この発表に先立ち、国内メディア向けの取材が可能とのとで、開発主査・チーフデザイナーの中山雅氏にインタビューを行った。

30周年記念車の仕様、こだわりのポイント、デザインへの思い入れ、開発者側のメッセージについて詳しく聞くことができた。海外モーターショーでワールドプレミアとなる車両について、国内で事前のインタビューが設定されることはあまりない。マツダが今回事前取材を設定したのは、30周年記念車は、「ショーのプレゼンでは説明しきれないことがありすぎる(中山氏)」ためだ。

カラーコーディネートされたブレーキキャリパーとドアトリム

異例の形のインタビューとなったわけだが、その思い入れについて語っていただく前に、30周年記念車のスペックや特徴を軽く整理したい。

ロードスターNDをベースとした30周年記念車。ボディデザインの大きな変更はないが、外観の特徴でまず目を惹くのは、鮮やかなソリッドカラーのオレンジだ。いまや大衆車でもメタリックやパール塗装が設定される時代に、明度・彩度ともに強烈なソリッドオレンジ(レーシングオレンジ)はインパクトがある。

3層塗装のオレンジボディが、周囲の証明や明るさに影響されない存在感を醸し出す。ボディカラーにまつわる話は、インタビューで中山氏にじっくり語ってもらうが、ガンメタホイールの間から覗く、ボディカラーに合わせる形のオレンジキャリパー(F:ブレンボ製、R:NISSIN製)が、スニーカーのワンポイントのようにデザイン効果とプレミア感を高めている。
専用レイズ製ホイールやシリアルナンバー入りオーナメントのプレミア感
足回りは、ビルシュタインのダンパー(MT車)と、この限定モデル専用の鍛造アルミホイールが装着される。アルミホイールはレイズ製で、ブレンボのキャリパーを日本モデルの16インチに合わせるため、新規に開発されている。

30周年記念ロードスターは、グローバルで3000台が限定販売されるという。その証として、「30th Anniversary」オーナメントにはシリアルナンバーが入る。

コンセプトカラーのオレンジは、ドアトリムやシートのステッチなど内装にも施される。シートはレカロの特注品だ。他にも9スピーカーのBoseサウンドシステム(AUDIOPILOT2)、Apple CarPlay、Google Android Auto(北米・欧州・豪州仕様のみ)に対応したコネクテッド機能を搭載。スピーカーはヘッドレストにも内蔵される。

エンジンはSKYACTIV-G 1.5とSKYACTIV-G 2.0のモデルが設定される。日本では1.5リットルのエンジンのみを販売。トランスミッションは6速のMTとATとなる。ロードスターの以前の記念モデルや限定車は、エンジンパーツをバランスとりした選別品で組んでいたこともあったが、SKYACTIVエンジンは、パーツのバランスとりがラインの中に組み込まれている。
30周年記念車に込めた思い
30周年記念モデルの特徴と主な諸元は以上だ。続いて、今回のロードスターの仕掛け人、中山氏に話を聞こう。

----:まず、ロードスター30周年記念車の企画についてねらいとコンセプトについてお話いただけますか。

中山氏(以下敬称略):ロードスターは10周年、20周年、25周年と周年記念モデルをなんどか出しています。これらのモデルは、周年の節目ごとに新しいクルマの提案がコンセプトでした。しかし、25周年のあと、ロードスターの累計生産台数が100万台を超えました。30周年記念車は、これまでロードスターを愛してくれた人への感謝を込めた企画として考えました。

とはいえ過去を振り返るだけではありません。次の30年も見据えた決意もあります。

----:ロードスターはこれからも続くということですね。

中山:はい。そのひとつがボディカラーです。レーシングオレンジと名付けた色は、朝日の色をイメージしています。100万台達成というひとつのマイルストーンであると同時に、次の時代の夜明けに向かうという決意の色ですね。ソリッドカラーにこだわったのは、反射や光の効果ではなく、ボディそのものの色としてオレンジを出したかったからです。薄暗いところでも、黒やグレーに沈むことなく発色してくれます。

塗装は、オレンジの2度塗りと最後のクリア塗装の3層塗装を施しています。ソリッドのオレンジ系はきれいに発色させるのは難しいのですが、マツダの技術で実現した色です。
787Bの血を受け継ぐ特注16インチホイール
----:コンセプトカラーはブレーキキャリパーにも使われています。フロントはブレンボ製とのことですが、これも特注ですよね。

中山:フロント、リアともにオレンジの塗装をしてもらいました。ブレンボのキャリパーは、17インチホイールならば普通に入るのですが、16インチとなると使えるホイールがありませんでした。そのため、『787B』のホイールでもお世話になっているレイズさんにお願いして、16インチでブレンボのキャリパーが入るホイールを作ってもらいました。

サイズ合わせだけなら単にスポークを削ればいいのですが、それでは十分な強度が確保できません。ホイールの剛性も変わってきます。レイズさんのレース用ホイールの技術で、ブレンボが入るのに、強度・剛性では妥協しない16インチ鍛造ホイールを用意しました。ホイールにも30周年の刻印が入ります。リム幅は6.5Jから7Jになりましたが、タイヤの見た目もかっこよくなったと思います。

----:日本仕様は1.5Lのみなので、必然的に16インチホイールということですよね。スペシャルカラーとコーディネートされたキャリパー。それに合うレイズの特注ホイール。これだけでも限定車を買うべきですね(笑)。
コトづくりにつながるモノづくり
----:ところで、30年前、ロードスターが初めて発売されたときイエローのショーモデルがあったと思います。スポーツカーにも使われるソリッドカラーという点ではイエローという選択肢はなかったのですか。

中山:1989年のシカゴ自動車ショーでロードスターのワールドプレミアをしたときの「クラブレーサー」ですね。もちろん、イエローという意見もありました。しかし、30周年はみなさんへの感謝という意味があります。限定車ですがなるべく多くの人に買ってほしいので3000台という生産台数にしました。グローバルでこの数を考えた場合、マーケティング的にもオレンジが支持されました。

クラブレーサーですが、MOMO ベローチェレーシング(ステアリング)の他、大型スポイラー、樹脂製ヘッドライトカバーなど、未来感をイメージしていました。その意味では、当時としての「夢」を実現するという「コトづくり」の提案だったと思います。

30周年では、これまでのロードスターに投入された技術や情熱、ユーザーへの感謝を込めていますので、むしろ積み重ねられた技術や製品という「モノづくり」を体現していると言えます。

----:なにかと「モノからコトへ」と叫ばれがちな現在において、過去のコンセプトカーがすでにコトづくりを実践していて、最新の記念モデルでモノづくりへのこだわりを見せるところはマツダらしいですね。

30年前のユーノス(北米名:ミアータ)を出した時のキャッチコピーが「だれもがしあわせになる」でした。そういった提案と、実際の技術による実装は、マツダにとって今も昔もありません。

----:最後に、次の30年、ロードスターはどう進化していくのでしょうか。

中山:具体的にどうなるかはわかりません。しかし、ライトウェイトスポーツとしてのコンセプトは変わりません。大排気量化や大型化がスポーツカーのすべてとは思いません。クルマごとに適切な大きさや重さ(軽さ)というものがあると思います。乗って楽しいクルマであることがロードスターの価値です。マツダのブランドアイコンにもなっていますし、楽しさはマツダの魂といってもいいでしょう。

ロードスターは絶対にやめません。仮にパワートレインが電動化されたとしても、乗って楽しくなければロードスターではありません。それができないときは作らないでしょう。

 

   ロードスターの良いとこ悪いとこ                                                                  2018年11月30日

 

世界中で愛されるオープン2シーターの“あるある”言いたい
日本のみならず、世界中で愛されるオープン2シータースポーツカーであるマツダ ロードスター。「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスブックの認定を受けていることからも、その人気ぶりが分かるはずだ。そこで今回は現役ロードスターオーナーでもある筆者が、独断と偏見で“ロードスターあるある”を言いたいと思う。
そもそもロードスターってどんなクルマ? ということを簡単に振り返ると、1989年に世界的に見ても久しく新型車が存在していなかったコンパクトなオープン2シータースポーツカーというジャンルに、鮮烈なデビューを果たしたのが初代ロードスター、日本名「ユーノス ロードスター」(NA型)だった。

発売と同時に世界的に大人気車種となり、その成功を受けてメルセデス・ベンツ SLKやBMW Z3、フィアット バルケッタなどがリリースされたとも言われるほど、自動車業界全体に与えた影響が大きい車種でもあった。そして1998年には2代目(NB)、2005年には3代目(NC)が登場し、2015年には現行型(ND)となる4代目モデルが登場している。

 

 

ロードスター乗りだからこそ感じる良いこと

 

 

 

部品が豊富!

 

ヘンテコなマイナー旧車を多く乗り継いでいた筆者にとって、なにより感動したのが部品の供給が安定していることだ。登場から30年近くが経過した初代モデルでも、車両を維持する上で必要なパーツはディーラーで簡単に入手することができてしまうし、もっと高年式車であれば尚更だ。ネットオークションとにらめっこして流用できるパーツを探していたときと大違いである。さらにマツダ自らが初代モデルのレストアに着手したことで、部品の供給状況はより良化することだろう。

オープンが楽しい!

 

これはロードスターに限ったことではないかもしれないが、とにかく屋根を開けて走るだけで気分が高揚してくる。最初は周りの目が気になったりもしたが、意外と周りの人は他のクルマのことなんて気にしていないので、気兼ねなくオープンドライブを楽しんでしまおう。

運転が楽しい!

 

これもロードスターに限ったことではないと言われてしまいそうだが、もはや探すと意外と存在しない小型軽量なFRレイアウト車ということで、決して大パワーではないものの「ああ、運転って楽しいよな」と思ってしまうようなシンプルな楽しさが詰まっている。

仲間が増える!

 

世界で一番売れているオープン2シーターということもあり、多くのユーザーが存在している。そのため、ロードスターだけが集めるイベントも多く存在し、SNS上でもロードスター乗りが集まるコミュニティが多数存在している。もし周りにロードスター乗りがいなかったとしてもネットを介して仲間を見つけることが容易く、仲間が増えればロードスターライフがさらに広がること間違いなしだ。

 

 

ロードスター乗りにしかわからない苦労

 

 

 

荷物が乗らない

 

オープン2シーターなんだから当たり前やろがい!と言われてしまいそうだが、それにしたって荷物スペースが少ない。1人であれば助手席に荷物を置くことも可能だが、2人で乗るとなると荷物はミニマムなトランクスペースに押し込むしかない。そのため、2人で1泊2日の小旅行、なんてシチュエーションはなかなか厳しいことになる。もちろん独り身の筆者には無関係だ(涙)。

幌は消耗品

 

オープンエアモータリングが楽しめるロードスターではあるが、その屋根部分に当たる幌は消耗品と割り切れる覚悟が必要だ。経年劣化はもちろん、開閉をすることで摩耗する部分などもあり、そもそも材質がビニールレザーや布ということで、縮んだり破れたりしてしまうことも止む無しなのだ。もちろん車検ごとの交換とまではいかないが、長く乗るのであれば幌交換貯金をオススメしたい。

意外と燃費が悪い

 

現行型の4代目は該当しないが、車両重量が1トン前後と軽量な初代や2代目モデルでも街乗りの実燃費はリッター10km前後といったところ。実は当時のカタログ燃費でも11km〜14km/Lなので、妥当なところではあるのだが、軽量コンパクトな車体からするともうちょっと燃費が良さそうなイメージがあるので、ギャップを感じてしまうところかもしれない。

 

 

その他ロードスターに乗っていて感じること

 

 

 

最近の値上がりがヤバい

 

つい数年前までは比較的手ごろに購入できるFR車という側面もあったロードスター。しかし、マツダがレストアプロジェクトを発表したころからじわじわと値段が上がり始め、今となっては初代モデルは手ごろに購入できる価格ではなくなってしまった。
そして、それにつられてか2代目モデルも価格が上昇中で、特にMTモデルはその傾向が顕著となっている。そのため、現在所有しているオーナーは「手放したら二度と買い戻せない」と戦々恐々とする日々なのである

グレードの判別が難しい

 

もはやグレードの差異はそれほど気にするポイントでもないかもしれないが、多くのユーザーを渡り歩いてきた個体などはグレードごとの特徴が消えてしまっていることも少なくない。黄色くないJリミテッド(JリミテッドのJはフランス語で黄色を意味するジョーヌの頭文字)や本革シートではないVSなども朝飯前なのである。
このようにロードスターにはメリットデメリットが存在するが、一度所有してしまえばデメリットを補って余りある充実したロードスターライフが送れることは間違いない。もし購入を悩んでいる人がいるのなら、思い切って飛び込んでみてはいかがだろうか。

 

   マツダ・ロードスターRF VS(FR/6MT)【試乗記】                               2018年11月3日

 

広く愛されるめに
パワートレインの出力向上や運転支援システムの強化など、大幅な改良を受けた「マツダ・ロードスターRF」。雨雲の下でのドライブを通し、ハードトップを備えた“快適仕様”なロードスターの意義について考えた。
いいトコ取りか、どっちつかずか
最大の変更点はパワーユニットである。ソフトトップ用の1.5リッター直4自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 1.5」は、環境・燃費性能を高めながら最高出力を1psアップの132ps、最大トルクを2Nmアップの152Nmとした。リトラクタブルハードトップのロードス

ターRF用2リッター直4自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.0」のスペック向上は、さらに目を引く。最高出力は26psアップの184ps、最大トルクは5Nmアップの205Nmとなり、最高回転数は700rpmアップの7500rpmに達する。

ほかにも先進安全装備のアップデートや内装色の追加などがあるが、装備面でうれしいのは歴代ロードスター初となるテレスコピック機構の採用だろう。走りを楽しむには、正しいドライビングポジションをとることが第一歩となる。

走りのよさを打ち出しているロードスターだから、スポーティーグレードの「RS」が注目されるのは当然だ。ビルシュタイン製ダンパーやフロントサスタワーバーが標準装備されるなど、足まわりが強化されたモデルである。ただし、試乗したのはRFの「VS」というグレード。足まわりには手が入っていないものの、上質な装備が与えられている。
MTのみのRSと違ってATも選べるが、用意されたのはMTモデルだった。パワートレインは全グレード共通なのでパワーアップの恩恵は等しく享受できる。
強力なエンジンと充実した装備にメタルトップの高い居住性が加わったいいトコ取りのお得モデルだ。ネガティブな考え方をすれば中途半端でどっちつかずということになるが、実際はどちらだろうか。
街なかでも高速道路でも快適
試乗日は朝から小雨がぱらつく天気で、ルーフを閉めたままスタート。外から見ると、知らない人はミドシップだと勘違いしてしまいそうだ。構造上の理由からフルオープンを諦めたことで、この美しいファストバックのスタイルが生まれた。やむを得ない選択だったわけだが、結果的には魅力的なエクステリアデザインを得たのだからOKである。念入りにワックスをかけてあったようで、雨粒がきれいな水玉になって光るのがきれいだった

運転席に収まって前を眺めると、見慣れた光景が広がる。インテリアはソフトトップ版と何も変わらない。ただし、顔を上げるとしっかりとした屋根が目に入る。クーペそのものだ。クラッチをミートして走りだせば、明らかな違いに気づかざるを得ない。
ロードスターの1.5リッターユニットは高回転を好む仕様で、日常領域ではあまり力強いとは言い難いのだ。
0.5リッターアップのアドバンテージはすぐに実感できる。加速にもどかしさを感じることはないし、十分なトルクを生かしてズボラ運転を決め込むことも可能だ。

だからといって、スポーティーさが増したということでもない。回転はストレスなく上がっていくが、聞いていて気分が高揚するタイプのエンジン音ではなかった。実直にパワーを供給してくれるから、街なかでも高速道路でもストレスなく走れる。雨を気にする必要はないし、すこぶる快適だ。ダイレクトなシフトフィールを感じながら走るのを楽しめる上に、実用性だってある。

もちろん、2シーターオープンだから一定の不便さはガマンする必要がある。脱着式のカップホルダーは、どこにセットしても使いにくいことこの上ない。グローブボックスすらないくらいで、荷物の置き場には困る。1人乗車ならいいが、2人乗るとカバンはシートの後ろに置くことを強いられる。救いは、トランク容量にソフトトップモデルとほぼ同じ127リッターが確保されていることだ。
スポーティネスより安心感
ハードトップを備えた上にエンジンも大きくなっているのだから、ソフトトップより車両重量は増加している。軽快感が薄まっているのは仕方がない。山道を走っていても、ひらりひらりという身のこなしではないと感じる。非力なエンジンのパワーを懸命に引き出そうと汗をかきながら走るソフトトップモデルとは異なる運転感覚だ。速さでは上回っているのかもしれないが、スポーティーさよりは安心感が優先されているように思えた。

ロードスターは久しぶりだと思っていたのだが、そういえば半年ほど前にちょっとした変わり種に乗っていた。ホイールベースを600mm延長した超ロングノーズバージョンである。不確かなステアリングフィールと落ち着かない乗り心地に戸惑ったことを思い出す。VSはノーマルの足まわりだが、しっかりしたロードホールディングとステアリングに感じる正確なインフォメーションは格別だ。ロードスターはショートノーズに限る。当たり前だが。

雨が上がったので、屋根を下ろすことにした。ダッシュボードのボタンを押すと、ハードトップは3分割されて後方に収納される。10秒と少しで変身は完了。フルオープン形状にはならないものの、開放感は上々である。安楽で実用的なクーペと爽快感のあるオープンをわずかな時間で切り替えることができるというのはありがたい。

雨が降ったりやんだりで何度も開け閉めを繰り返したが、さして面倒とも感じなかった。路肩に寄せて停車したら短時間で作業は完了する。10km/h以内ならば動いていても開閉可能ということで、試してみたら問題なく作動した。昔のオープンカーでは雨が降るたびに後方からホロを引っ張ろうとして肩を痛めそうになっていたのだから、テクノロジーの力は偉大だ。
美質を受け継ぎ、ゆるさも備える
1989年にデビューしたロードスターは、しばらく途絶えてしまっていたライトウェイトスポーツの系譜を復活させたことで世界的な反響を呼んだ。わざわざFRのプラットフォームを新設計し、走りの楽しさを徹底的に追求した意欲作である。高い評価を受けたのは当然だが、技術オタクや走り屋だけに支持されたわけではない。モデルチェンジを繰り返して4代目となり、2016年には累計販売台数100万台を達成している。広範なユーザーから愛されていなければ、モデル寿命は短かったはずだ。

軽量化よりも居住性が重視されたロードスターRF VSは、走りを極めたスポーティーカーとはいえないだろう。そもそも、ロードスターのメインのお客さんが求めるのはそんなハードなクルマではない。十分なパワーがあって快適に走れることが大切なのだ。
ソフトトップをやめた訳ではないのだし、頑丈なハードトップで耐候性を高めたモデルの設定は、プラスの意味しかない。重量増で失われた軽快さの分を埋めてなお、お釣りがくる。

シャシーを共用する「アバルト124スパイダー」のATモデルに乗ったことがある。豪快で突き抜けたキャラクターはイージードライブのATと相性がよかった。今回のロードスターRFは、スペック上はその124スパイダーよりさらにパワフルな心臓を持つ。ならばやはりATが最適なのかというと、そうともいえない。パワーでは上回っても、イメージはおとなしめである。

ATでもよさそうな気がするが、ロードスターはマニュアルで乗りたいという気分のユーザーも多いのだろう。カリカリのチューンで乗りこなすのに高度なテクニックを要するのなら話は別だが、ロードスターRF VSはズボラな運転も許容してくれる。
試乗の帰りにうっかり渋滞にハマったが、それほど苦には感じなかった。ロードスターの伝統的な美質を受け継ぎながら、ゆるさも備えている。中途半端というのは悪口ではない。VSは全方位に目を向けて作られたモデルなのである。

 

 【マツダ ロードスターRF 新型試乗】改良エンジンは高回転まで回して楽しめる…               2018年8月31日

 

わずか半年で改良

マツダのライトウエイトFRスポーツ、『ロードスター』の電動ハードトップモデル『RF』がマイナーチェンジされた。つねに最良のモデルを市場に送り出すために技術の出し惜しみをしない…というのが最近のマツダの考え方。ロードスターは前回の改良からわずか半年で大きな変更を受けたこととなる。

今回のマイナーチェンジのもっとも大きな出来事は、2リットルエンジンの改良。RF用2リットルエンジンは、『アテンザ』や『アクセラ』などにも使われているものと基本的には同様なものの、FR

レイアウトで使われるのはロードスターのみ。ロードスター専用に近いエンジンでありながら、その内容はかなり濃い。

重量増をカバーする2リットル

吸排気系やサイレンサーなどはもちろん、シリンダーヘッドやピストン、コンロッドなどのエンジン本体にまで手を掛けた変更。高回転域での吸入空気量を増やしたほか、回転系パーツの軽量化、吸排気損失の低減、燃焼時間の短縮化などが施され、全回転域でのトルク向上と高回転域での出力性能アップが図られたという。

RFはソフトトップに比べて約100kgも重いため、エンジンが2リットルとなっている。重量増をカバーするためのエンジンなので、当然のように低速からしっかりしたトルクを発生するタイプのもの。今回の改良でもその特性は受け継がれている。

低回転から気持ちいい

1.5リットルは比較的回していかないと加速がおぼつかないが、この2リットルは低回転からしっかりトルクがついてきてくれるので、よりイージーなドライビングが可能。それでいて今回の改良によって、高回転時の伸びがよくなり、トルクアップも行われているので、回して楽しめるエンジンとなった。

従来6800回転であった最高回転数は7500回転にアップされている。サイレンサーの内部構造を変更したことにより、抜けのいい乾いた雑味のないサウンドが得られている。とくに、低回転時の力強い音となっているのは、普段使いでも気持ちよさが感じられる部分だ。

テレスコピックが追加

今回、マイナーチェンジにも関わらず、ステアリングの調整機構にテレスコピック機構が追加された。リクライニングで調整できない部分をカバーできるだけでなく、フルバケットシートを付けたときにも使いやすい。今までなかったことがおかしいのだが、マイナーチェンジであってもそれを採用してきたのは非常に好ましいことだ。

 

   マツダ ロードスター(2018年改良)試乗、日々の感謝や笑顔・そんな優しさや愛の積み重ねのような改良   2018年8月25日

 

よりロードスターの魅力を幅広く知ってもらいたいというマツダ
の意思が伝わってくる
 
「マツダって、小さい改良をちょこちょこしているけど、何が変わったのかよくわからない」。そう思う方は多いのではないだろうか?他メーカーのマイナーチェンジといえば、デザイン変更などで顔つきが変わることで、いかにも「変わりました」というのが目に見えるので、マツダのマイナーチェンジは余計に分かりにくく感じるのかもしれない。
実はマツダでは「マイナーチェンジ」という言葉を使わず「商品改

良」と呼んでいて、そこには大きな節目を待つのではなく、良い技術ができたらすぐ反映させてつねに最善のものを提供し続けようという意図があるという。
今回2018年6月に実施されたロードスターの商品改良も同じように、目先の分かりやすさでユーザーを取り込もうとするのではなく、しっかりとした技術を搭載することで、よりロードスターの魅力を幅広く知ってもらいたいというマツダの意思が伝わってくるものだった。
今回の商品改良の情報を見たときに、多くの人がまずパッと目を惹かれるのは、日本ではハードトップモデルのRFに搭載される2リッターエンジンのパワーアップだろう。商品改良後は、従来モデルと比較して、158ps/200Nm→184ps/205Nmとなり、最高回転数は6800rpm→7500rpmに向上した。

私はソフトトップのロードスター(1.5リッター)を愛車にしているので、まずRFに乗り込んで改めて感じたのは、エンジンの変化よりもソフトトップとハードトップモデルの性格の違いだった。乗り味がしっとりとしていて、クルマ全体に重厚感がある。

試乗した当日は運悪く台風が上陸していて雨風が強く打ちつけていたが、音も静かで風に振られることもなくRFの車内はいたって平穏だった。ソフトトップに比べると、やっぱりRFは「大人が嗜むスポーツカー」。試乗車のグレードがVSのATモデルなので余計にそう感じたのかもしれないが、スピードを上げてワインディングを楽しむよりも、ゆったりとしたグランドツーリングがその性格に合っている気がする。

2リッターエンジンも、そもそもパワーを誇示するものではなく、ゆとりある走りを演出するものであるはずなので、私は改良前のRFに乗ったとき「このエンジンでも充分だ」と思ったのが記憶に残っている。

もしロードスターにスポーティさを求めるなら、RFではなく、車体が軽くて誰でもくるくると走り回れるソフトトップの方がその期待に応えてくれると思うので、私は断然そちらをオススメしたい。

今回の2リッターエンジンの改良は、これまでのRFの基本的な性格を大切にしているように思えた。もっと分かりやすく「すごくパワーアップしてるでしょ!」というチューニングもできたはずだけれど、あえてそうしていない。日常でよく使うような4000〜5000rpm以下の低回転域では大きなパワーアップを感じず、とはいえ過不足なくスイスイ運転できるのはこれまでと同じ。なので、RFに毎日乗るワクワクやグランドツーリングを望むなら、改良前でも後でも大きな差はなく楽しめるはずだ。

それでもこのスペックに萌えるのもわかる
ただ、RFでも峠を走り回りたい!とか、エンジンをいっぱい回したい!と考える人にとっては、改良後のRFはさらに魅力的に映るだろう。アクセルペダルを踏み込んでエンジンを高回転まで回すと、どんどん伸びていく加速感があって、「ああ、好きな人にはたまらないだろうなぁ」と思った。サイレンサーも改良されているので、回すほどに良い音が奏でられるのも心をくすぐられるポイントだろう。

ただ、レースにも出られるモータースポーツベースグレードのNR-Aに乗っている私でも、サーキット以外は5000回転以上回すことはないので、一体どういう人が何のために使うのかなと一瞬冷静に思うものの、やはり男性なら「馬力/トルクアップ」や「最高回転数の引き上げ」というスペックには萌えるのだろう……。その要望に対して、RFの本来の性格を曲げることなく上手く実現しているのが、新型RFだと思った。

ソフトトップモデルは、小さい違いの積み重ねでクルマを一段階上に引き上げた
いっぽうで、RF同様の安全装備やテレスコピックの採用がメインだと思っていたソフトトップモデルが、中身もしっかりと進化を遂げていたことに驚いた。乗ってすぐ「え?!なにこれ!」と思わず声に出してしまったほど。

おそらくオーナーでなければ分からないような小さい違いなのかもしれないが、その小さい違いの積み重ねがクルマを一段階上に引き上げているように感じた。これまでより軽やかで滑らかに回るエンジン、そして端々に見え隠れしていたやんちゃだった部分が収まって、ちょっといい子になっているような……。

よくよく観察してみると、発進やシフトアップ/ダウンした際に、いつもよりほんの少しフッと後押しされているような感覚があって、引っかかりなくスムーズに加速するし、MT操作がさらに小気味よく楽しくなっていた。
1速から2速へのシフト操作では車体がガクッとならなくなったし、これまでエアコンをつけたときには、とくに回転数やシフト操作に気を使っていたのが、何も考えずスムーズにシフト操作できるようになっている。

いつもロードスターには乗っているけど、やっぱり気持ちいい!楽しい!改めてロードスターの良さを実感したような気がした。私もそこまでシフト操作が下手な方ではないと思うが、きちんとした作法をしないとクルマが嫌がるときがあったので、この小さな変化はさらにクルマとの一体感を生むようで嬉しくなった。

今回の改良は、日々の感謝や笑顔で迎えてもらうような、そんな優しさや愛の積み重ね
後ほどエンジニアさんにお話を聞いてみると、やはり細かいところに改良を加えたのだという。

1.5リッターエンジンに関しては、微量ではあるものの全域でのトルクアップ(+2Nm〜57Nm)、それに加えて新型2リッターエンジンにも採用している燃料の微粒子化と燃料の“三度噴き”を適用。これは燃焼を高効率化するためのもので、フィーリングについて狙っていたわけではないというが、燃料が以前より均一に混ざってきれいに燃えることで、ピストンの摩擦や振動が低減されてまっすぐ押し込まれるため、あの軽やかで滑らかなフィールを生んでいるらしい。

また、コンピューターを細かくキャリブレーションすることで、シフト操作についても前述したような違和感のない操作感につながっているそうだ。

ここまで読んでも結局「地味な改良」と思う人もいるかもしれない。

でもロードスターを好きな私にとっては、とっても嬉しい改良だった。ロードスターはスポーツカーであっても、毎日をともに暮らしたいクルマなのだ。
たとえば「大幅にパワーアップしました!」とか、「装備を豪華にしました!」というのは、日常に置き換えると誕生日プレゼントのようなものだと思う。その一日だけは、美しいお花や綺麗なアクセサリーを贈ってもらえるかもしれない。でも、喜びはその一瞬だけのこと。

毎日暮らすなかで心をあたためるのは、日々「ありがとう」と感謝してもらえたり、家へ帰ってきたら「おかえりなさい、お疲れさま」と笑顔で迎えてもらうような、そんななんでもないことの積み重ねではないだろうか。

今回のロードスターの改良はそんな優しさや愛を感じて、これからもロードスターにはこうであってほしいと思った。

 

   マツダ ロードスターRF、最新「i-ACTIVSENSE」設定…米2019年型                   2018年8月3日

 

マツダの米国部門、北米マツダは7月30日、『MX-5ミアータRF』(日本名:『ロードスターRF』)の2019年モデルを発表し、同車に最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載すると発表した。

MX-5ミアータRFの2019年モデルには、最新の「i-ACTIVSENSE」を設定。i-ACTIVSENSEは、ドライバーへの認知支援や衝突回避サポート、被害軽減を図るマツダの先進安全技術の総称。

「車線逸脱警報システム」(LDWS)は、約45km/h以上での走行時、フロントガラスに設置したカメラで車線を認識。車両がその線

を踏み越える可能性があると判断すると、警報音でドライバーに注意を促す。
「ブラインド・スポット・モニタリング」(BSM)は、約15km/h以上での走行時、隣車線上の側方および後方から接近する車両を検知すると、検知した側のドアミラー鏡面のインジケーターが点灯しドライバーに通知。その状態でウインカーを操作するとインジケーターの点滅と警報音で警告し、ドライバーに車線変更を中断するよう求める。

「リア・クロス・トラフィック・アラート」(RCTA)は、後退時に機能。駐車場からバックで出る際などに接近してくる車両を検知してドライバーに警告し、安全確認をサポートする。

「交通標識認識システム」(TSR)は、走行中にカメラで速度制限、進入禁止などの交通標識を読み取り、その情報をメーター内のマルチインフォメーションディスプレイに表示。制限速度の超過などをドライバーに警告、安全運転を支援する。

この他、2019年モデルには、アダプティブフロントライトシステム、ハイビームコントロール、スマートシティブレーキサポートが用意されている。

 

  マツダが「ロードスター」と「ロードスターRF」を一部改良                                      2018年6月7日

 

マツダは2018年6月7日、「ロードスター」および「ロードスターRF」を一部改良するとともに、ロードスターに特別仕様車「キャラメルトップ」を設定し、同年7月26日に発売すると発表した。
RFのエンジン出力が大幅に向上
今回の改良では、パワーユニットの性能向上や先進安全装備の拡充を図っている。
ロードスターRFに搭載される2リッター直4自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.0」については、高回転域での吸入空気量アップや回転計部品の軽量化、給排気損失の低減、燃焼期間の短縮などに

よって性能を強化。全回転域でトルクをアップさせたほか、高回転域における出力向上を実現した。その結果、最高出力は26psアップの184ps、最大トルクは5Nmアップの205Nm、最高回転数は700rpm引き上げられた7500rpmというスペックを得ている。
これに合わせてエンジンサウンドも見直しており、駆動系からのノイズを排除した上で、サイレンサーの内部構造を刷新。
低回転から高回転までリニアで伸び感のある力強い音色を作り込んだ。
また、市街地走行においては、アクセル操作に対するサウンドのフィードバックが強めに感じられるようチューニングを施している。
このほか、どんなシーンでもドライブを楽しめることを目指し、アクセル操作に対するレスポンスや加速感などがドライバーの意思に沿うよう、エンジンやトランスミッションの制御を見直している。
ロードスターに搭載される1.5リッター直4自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 1.5」には、SKYACTIV-G 2.0に投入した燃焼改善技術を採り入れることで、トルクを全回転域で従来型と同等以上としながら、より高い環境・燃費性能を実現。
スペックは最高出力が1psアップの132ps、最大トルクが2Nmアップの152Nmとなっている。このほか、レスポンスフィールの向上も図った。
歴代モデルで初となるテレスコ調整機能を搭載
先進安全装備については、緊急自動ブレーキや車線逸脱警報、AT誤発進抑制制御などからなる予防安全パッケージ「i-ACTIVSENSE」を全車に標準装備としたほか、交通標識認識システムやドライバーアテンションアラート、クルーズコントロールをオプション設定している。
このほかの装備については、歴代ロードスターで初となるテレスコピック調整機能(前後3cm)の採用や、標準装着ホイールの塗装色を「ガンメタリック」から「ブラックメタリック」へと、カラーリング変更を実施。
さらに、ロードスターのメーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレイをカラー表示対応としたほか、ロードスターRFの「VS」グレードの内装色に「スポーツタン」と「ブラック」を追加した。
価格はロードスターが255万4200円〜325万6200円。ロードスターRFが336万9600円〜381万2400円。
ロードスターの特別仕様車キャラメルトップは、ベース車「Sレザーパッケージ」を、ブラウンのソフトトップとスポーツタンのインテリアでコーディネートしたもの。ボディーと同色のドアミラーや高輝度塗装が施された16インチアルミホイールも装備する。
価格はベース車と同じで、6段MT車が309万4200円、6段AT車が320万7600円。

 

 マツダMX-5(ロードスター)英国特別車「Zスポーツ」2018年式に試乗                   2018年5月18日

 

どんなクルマ?
300台限定

4代目MX-5が2015年に発売されて以来、われわれはいくつもの限定バージョンのコンバーチブルモデルに触れ、楽しんできた。

アイコンやスポーツ・レカロ、アークティックといった限定バージョンでは、元々の素晴らしいデザインにさらなる要素が加えられてきた。
そして、次はZスポーツである。一応スタイリングに変化が加えられており、300台限定だ。3月初頭に販売が開始されたが、英国では既に完売している。

Zスポーツが発売されたのは最近だが、購入できる最新のスペシャルバージョンはZスポーツではない。マツダは先週、MX-5 RF スポーツブラック・エディションを発表したからだ。

おそらく年末までに、さらに限定エディションがふたつ3つ出るだろう。勝手な予想でしかないが。

Zスポーツ限定装備は

さて、Zスポーツに話を戻そう。このクルマのベースはトップグレードである2.0g?、160psのスポーツナビ。最低2万4395ポンド(362万円)かかるグレードだが、Zスポーツでは更に1215ポンド(18万円)高く、2万5610ポンド(380万円)からだ。では、この差額で何が追加されているのか?
スポーツナビで標準のGPSナビやボーズ製オーディオシステム、クルーズコントロール、オートエアコンなどはそのままに、エレガントなブラックの17インチBBSアロイホイール、チェリーレッドのファブリックルーフ、インテリアにはZスポーツのバッジが追加される。

さらに、マシングレー・メタリックの外装色とサンドレザー・シートが標準だ。元々はそれぞれ670ポンド(9万9000円)と200ポンド(2万9000円)のオプションだからお得だ。
どんな感じ?

コーナーでのバランスは良い

Zスポーツでの変更点は外観上に留まり、動力性能に関してはベースになった2.0?と全く同じだ。

スポーツナビと同じく、締め上げられたスポーツサスペンションにビルシュタイン・ダンパー、ストラット・タワーバーを装備しており、長距離を快適に走るには少し硬い感触。その代わり、コーナーでのバランスは向上している。

ステアリングは比較的軽く、クイックなセッティングになっていて、ロック・トゥ・ロックはわずか2.6回転。このおかげで、ノーズがステアリング操作に対し素早く反応する。
 とはいえ、グリップ性能はさほど高くはなく、コーナーのエントリースピードをひたすらあげようと夢中になったり、脱出時のアクセル開度に集中できるほどではない。熱中し過ぎるとMX-5はラインから外れてしまう。だが、クルマが走りたいように走らせれば、コントロールされた身のこなしで、自然と狙ったライン上をシンプルに走ってくれるし、修正も簡単だ。

2.0?スカイアクティブ-Gエンジンに関しては何の変更もなく、6000rpmで160ps、4600rpmで20.4kg-mを発生する。少々回転数が高いのは自然吸気エンジンだからだが、これは素晴らしい特性だ。お陰で出来のいいマツダの6速マニュアルを操るのに集中して、最適な回転数を保つ楽しみができる。シフトはクイックで、雑味なく精密なフィーリングだ。これはMX-5の愛すべきポイントのひとつだ。
 コンパクトゆえのスピード感

エンジンは快活で、ニュートラル時にほんの少し踏み込むだけでも敏感に反応する。エンジンサウンドは、低回転ではメカニカルな音質だが、レッドゾーンに近づくにつれて騒々しくなっていく。

このエンジンからして、MX-5はとてつもなく速いクルマではないし、実際0-100km/hは7.3秒だ。しかし、コンパクトなボディや比較的低いドライビングポジションのために、あたかもとてもスピードが出ているような感覚が得られる。
 コンパクトさといえば、小さいのはボディだけでなくキャビンの収納スペースもそうだ。あるのはカップホルダーふたつと、シートの間の小物入れだけで、ふたつのシートの距離は比較的近い。一方で、シートやステアリングコラムの調整幅はかなりしっかりとられている。

しかし、身長が高いひとなら、特にファブリックのルーフが窮屈に感じるだろう。それにトランクルームも狭く130?しかないため、1泊2日レベルの荷物がふたり分入るかどうかといったところだ。
「買い」か?

限定の装備品を気にいるかどうか

この答えは、Zスポーツに含まれるアクセサリー類にどれほどの価値を見出すかによる。走りは標準のスポーツナビグレードと変わりない。つまり、BBSのホイールもチェリーレッドのファブリック・ルーフもいらないなら、差額の1200ポンド(12万8000円)は払わず、標準モデルを買ったほうが幸せになれるかもしれない。
 だがもし限定バージョンの内容に魅力を感じるなら、ほんの数パーセントではあるが、Zスポーツグレードはスポーツナビグレードよりも下取り価格が高いことも考慮に入れる価値がある。専門家によれば、36カ月、5万8000kmを超えた場合、Zスポーツは新車時の47%、スポーツナビは45%だそうだ。

色々言ったが、結局は好みの話だ。個人の好みとZスポーツは300台限定であることを踏まえて考えなければいけない。そして、どちらのグレードがより魅力的に思うか決めたら、変えてはいけない。

 

 米国仕様のマツダ「ロードスター」、2019年モデルは改良型エンジンを搭載して大幅パワーアップ!?         2018年3月5日

 

現行の米国仕様マツダ「MX-5 ミアータ(日本名:ロードスター)」は最高出力155hpに過ぎないが、控え目なパワーでも十二分に楽しめることは我々の体験からも分かっている。とはいえ、マツダがこのパワーを引き上げようとしても、それを止める理由はない。そんなことが、まさに2019年モデルのMX-5で起ころうとしているようなのだ。
米国の自動車メディア『Road & Truck』は、マツダが米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に提出したMX-5の車両確認番号に関する書類を掘り下げ、そのあるページに、2019年型MX-5が実馬力で最高出力181hpを発揮する2.0リッター4気筒エンジンを搭載するとの記載があることを発見した。

これは現在の155hpと比べると大きな増加となり、「Mazda3(日本名:アクセラ)」や「Mazda6(日本名:アテンザ)」に搭載されている2.5リッター・エンジンとほぼ同等だ。マツダが火花制御式圧縮着火を採用する「SKYACTIV-X」エンジンで目標としている数値にも近い。だが、あるジャーナリストのツイートによると、2019年型ミアータはシリンダーヘッドが改良された火花点火の「SKYACTIV-G」エンジンを搭載するらしい。パワーと回転数が上がるようだが、どれくらい上がるかについては言及していない。

「ミアータが2019年型で馬力が大幅にアップするかもしれないことを示したVIN申請書類を発見」

「昨日、ポルトガルで最初のSKYACTIV-Xの試乗会に参加して、マーティン・テン・ブリンク氏(マツダ・モーター・ヨーロッパのバイスプレジデント)が、2019年型MX-5は改良されたシリンダーヘッドを持つ2.0リッターのSKYACTIV-Gを搭載し、パワーも向上、より高回転まで回るようになるだろうと、しっかり教えてくれた」

我々は、マツダにこの発見についてコメントを求めたが、他の多くの自動車企業と同じく、未来の製品に関わる重要なトピックであるためコメントは得られなかった。
ミアータにさらなるパワーを求めるのであれば、必ずしも2019年型に買い替える必要はない。アフターマームットがそんな欲求を満たしてくれるからだ。米国のMX-5専門チューナーであるフライング・ミアータは、カムシャフトやエキゾーストを交換することで200hpにチューンするパッケージを提供している。エーデルブロックのスーパーチャージャー・キットなら、エンジン内部に手を入れずに同等のパワーを引き出すことが可能だ。英国のBBRは248hpにパワーアップさせるターボ・キットを販売している。
もし貴方が本物のスピード狂なら、シボレーの「LS」V8エンジンに積み替えて500hpを超えるパワーをミアータに与えることだってできる。もちろん、155hpのままでも幸せになれることはご存知の通り。

 

   赤いほろが目印の「マツダ・ロードスターRED TOP」登場                            2017年11月11日

 

マツダは2017年11月10日、「ロードスター」および「ロードスターRF」に一部改良を実施するとともに、ロードスターに特別仕様車「RED TOP」を設定し、同年12月14日に発売すると発表した。

走りの質感もアップ

今回の改良では、ボディーカラーの追加設定や、機能装備の拡充などを行った。ボディーカラーは、「ソウルレッドクリスタルメタリック」「スノーフレイクホワイトパールマイカ」「エターナルブルーマイカ」の3色を新たに採用したほか、これまでロードスターRFのみに設定していた「マシーングレープレミアムメタリック」を、ロードスターでも選択可能とした。

機能装備については、リアコンソールボックスの内部に遮音マットを敷くことで、収納物の転がり音の低減を図った。また、ファブリックシー

トのモデルにもシートヒーターを搭載可能としたほか、サンバイザーに表皮巻きタイプを設定している。

安全装備も強化しており、状況に応じてハイビームとロービームを自動で切り替えるアダプティブLEDヘッドライトを新たに採用した。

また、ロードスターにはリアサスペンションと電動パワーステアリングの制御を調整し、走りの質感の向上を図った。さらに、タコメーターの文字色を一部変更することで視認性を高めている。

価格はロードスターが249万4800円〜320万7600円、ロードスターRFが325万0800円〜374万7600円。

ほろとインテリアを特別にコーディネート

特別仕様車のRED TOPは、名前の通りのダークチェリー色のソフトトップに、オーバーン(赤褐色)のインテリアを組み合わせた、標準車とは一風違ったコーディネートを特徴とするモデル。この2色のコントラストを際立たせるため、通常はブラックのドアミラーがボディーと同色にペイントされる。このほか高輝度塗装が施された16インチアルミホイールと、ナッパレザーシートも備わる。

価格は6段MT車が304万5600円、6段AT車が315万3600円。2018年3月31日までの期間限定で注文を受け付ける。

 

   マツダ「MX-5 ミアータ」とはこれでお別れ さよなら、楽しい小さなロードスター!                   2017年9月1日

 

米国版Autoblog編集部に長期テスト車として2016年型マツダ「MX-5 ミアータ(日本名:ロードスター)がやって来た。我々はビルシュタイン製ショックやリミテッドスリップ・ディファレンシャル、フロント・タワーブレースなどが装備されている「クラブ」グレードを選び、オプションのBBS製ホイールとブレンボ製ブレーキを装着した。ディーラーで買える最もスポーティな仕様のミアータだ。さらにアピアランス・パッケージを取り付けてやったら、この小さくてキュートなロードスターに少しだけ迫力が増した。価格はたったの32,835ドル(約361万円)。だが、我々はこのクルマに乗っている全ての時間を楽しむことができた。いや、ほとんど全ての時間と言うべきだろうか。ミアータは完璧なクルマではない。高速道路ではうるさいし乗り心地が固い。

ソフトトップに問題が起きて交換するはめになった(保証が適用された)。そんな小さな不満はあったが、この小さなロードスターを運転した人は、戻って来ると誰もが笑顔になっていた。特にサーキットへ行ったときは皆がとても楽しんだ。しかし、長期テストも終了となるため、そんな愛すべきミアータともこれでお別れだ。以下は編集部員たちの最終的なコメントである。
このクルマは必要充分にして真のクルマらしいクルマだ。すなわち、ドライバーが楽しめるという使命を忠実に、そして効率的に果たしている。キビキビしたステアリング、小気味よく決まる6速マニュアル・ギアボックス、そして回りたがるエンジンが、スピードメーターの示す数字以上に速く走っているような、素晴らしい感覚をもたらす。通常の速度で走っている限り怖い思いはしない。フロント・シートからの眺めも最高だ。前方の路面を縁取るボンネットの曲線は感動的でさえある。

私はうるさいとか、乗り心地が固いとか、使い勝手が良くないとか、そういうことは一切気にならない。旧い英国気質を感じさせ、これほどクルマとの一体感が味わえる新車は、特に3万ドル以下では他に見付けることはできない。

ミアータが車庫にある人はラッキーなのではない。賢いのだ。
 MX-5を初めて運転した時の印象を今振り返ってみると少々恥ずかしい。このND型が発表された瞬間から、初代NA型の再来のような発想は非常に気に入ったのだが、実際に乗ってみるとあまりにも洗練され過ぎていて少しがっかりした。かつてのように元気なクルマではなく、ギアの選択を間違っても、コーナーの進入速度を誤っても、寛大なクルマになっていた。荒々しい鋭さや、日常的な運転で感じられる一体感のようなものが、失われてしまったように感じたのだ。

それから私は何度もこのND型MX-5を運転した。すると1年後、考えが変わった。(遅くて、繊細で、ガタガタいう、快適性に劣る)第1世代や第2世代のMX-5と直接比較するのをやめたら、これは優秀な小型ロードスターだ。失われた粗野な鋭さは今でも懐かしいが、快適さは楽しんでいる。粗野な鋭さというのは、実は洗練されていないということである。常に運転に集中を強いられるという欠点でもある。新型MX-5は、時々自然に溶け込むことができ、単なる移動に使える小型車になる。だがコーナーをいくつか曲がると、クルマがもっと明瞭に語りかけてくる。なぜなら、ドライバーとクルマの素晴らしいダイナミズムの間に、邪魔するものが一切ないからだ。クルマとの関わり方はやや希薄になったが、しかしより深まったと思う。

パワーがもてはやされる昨今において、繊細さというのは理解されないこともある。もし自分で買うなら、初期の1.8リッター・エンジン搭載車の粗野な未成熟さに魅力を感じることも事実だ。しかし、新型MX-5を洗練されてしまったからといって切り捨てたのは間違いだった。少しの欠点と多くの魅力がある、素晴らしいロードスターだ。少なくとも雪に見舞われるシーズンを除けば毎日の生活に使えるし、スポーツカーを毛嫌いしている友人や家族にだって気に入ってもらえるはずだ。金額と比較して、これほど楽しさが詰まったクルマはないだろう。この小さなクルマがなくなるのは寂しい。
 このクルマがなくなると寂しく思うだろう。長距離ドライブや日常的な用途や悪路には決して最適ではないが、とても陽気で楽しいクルマだ。ありきたりの表現だが、まるでゴーカートのようだし、率直に言って粗い乗り心地がそんな感覚をより高めている。もちろん小さなサイズと、やんちゃで素早い反応も、それに貢献する要素だ。愛すべきエンジンは、155hpという額面よりも力強く感じる。アクセルを踏み込めば背中はシートに押しつけられるし、制限速度内で十分にドリフトさせることもできる。エキソーズト音も素晴らしく、ドライバーの耳には心地よいが、隣人から苦情が来ることはないだろう。唯一の欠点は、騒音と乗り心地の粗さだが、「グランドツーリング」トリムと開閉式ハードトップを備えた「RF」のボディ・スタイルを選べば、これらの問題を解決するのに役立つだろう。信頼性が高くて、手頃な値段で、経済的な、楽しい玩具を探しているなら、ミアータを選べば間違いはない。
 マツダ MX-5 ミアータは、現在販売されているクルマの中でお気に入りの1台だ。手頃な価格で買える後輪駆動のロードスターというのは他にない。出来映えは狙いどおりだ。最近の再設計で改善された。

言い換えれば、ミアータは期待どおりのクルマなのだ。その期待とは、楽しさであり、他のクルマとは違うということである。

少々騒がしいし(さらにひどくなっているように思えるが、古いモデルと乗り比べたことはない)、屋根があるとやや窮屈に感じられる。頭上には適度なスペースがあるが、私の場合は肘のための空間が足りない。ダッシュボードに取り付けられたマツダのインフォテインメント・システムは、社外品のラジオみたいだ。つまり、ミアータはほとんど完璧に造られた、手頃な価格のオープン・スポーツカーであると考えれば、それらの不満は些細なことに過ぎないということ。暖かい気候の場所に住んでいるなら、絶対にお薦めしたいクルマだ。

 

    初代マツダMX-5 いかにして世界を変えた?                                    2017年7月28日

 

あの素晴らしいロードスターをもう一度

1980年代の終わりにかけて、オープン2シーターは死に絶えたわけではないのだが、少なくとも絶滅危惧種であったのは間違いない。

この世代の初期には(後に消えゆくことになるのだが)MGやトライアンフからヒーリーやロータスまで選択に困るほど選ぶものがたくさんあった。

しかしその後、危機に貧していたマーケットは少しずつ息を吹き返していった。その起爆剤となったマツダMX-5の存在は決して無視できるものではないだろう。

初代MX-5は技術の革新と楽しさで、これまでのスポーツカーの解釈をより深いものに変えた。ちょうどブリットポップが60年代の音楽をより理解しやすくしたのと似ているかもしれない。

小さなツインカムエンジンにふたつの座席を持ったこの後輪駆動車は、極めてモダンなクルマだった。大きく膨れ上がり、様々な要素をごちゃ混ぜにしつつあったこの時期のホットハッチの解毒剤となり、同時に人々の心を確実に捉えた。

現代では、使い勝手の良さと旧き佳き時代のスリルが見事にブレンドされた2シーターのオープンカーが求められている。また同時に手頃な価格と専門的なネットワークも求められているのだ。

金額にして£2,000(35万円)から£30,000(525万円)までのプレーステーション世代のオープンカーの中から、地味なクルマから派手なものまで、われわれの選んだクルマが皆さまに何らかの影響を与えることを祈っている。

フィアットX1/9やトライアンフ・スピットファイアがヒントに

MX-5はどこにでもあるので、世間はこの素晴らしい2シーターの存在を当たり前のことのように見なしている、という問題を抱えている。

ただしその分、£2,000(35万円)程度を支払えば、まずまずのコンディションの初代を購入することができる。完璧なコンディションのモデルでさえ£5,000(85万円)くらいで手に入れられるはずだ。
1983年にマツダは研究/開発センターをアメリカに設立、わずか1年後には、英国のIADで組み立てた最初のプロトタイプがトヨタのライバルよりさらに上の評価を獲得した。

チーフ・エンジニアの平井俊彦氏は当時名を馳せたスポーツカーからヒントを得るためにロータス・エランやセヴンからフィアットX1/9やトライアンフ・スピットファイアに至るまでの全てのスポーツカーに乗った。

また通勤中には氏が録音したお気に入りのエグゾーストノートを車内で流し、理想とする音質を絞り込んだのだという。
モットーは「人馬一体」

そうして先に挙げたスポーツカーたちの素晴らしさを、安い価格と維持費で実現しながらも、非常に卓越したドライブフィールを得ることに照準が定まった。

平井氏が掲げたモットーは「人馬一体」。手に取るように挙動を把握でき、安全で、コントロールしやすいクルマづくりという目標が氏のチームにも浸透していった。
実際に見てみるとロータス・エランから多くのヒントを得たことが伺えるが、それよりもさらに高いレベルで独創的な設計がされたと言える。

またロードスターのアイデンティティとも言えるラウンドしたボディラインは、エッジを立たせた初代MR2やベルトーネX1/9との識別点になった。

親しみやすいフロントフェイスに落ち着いたディテール、こぢんまりとしたボディサイズが絶大なる支持を得るのにそう時間はかからなかった。
内装の多くは黒に統一されているが、その全てがシンプルで把握しやすい。簡素なダイヤルはあるべきところにきちんとあるし、幌の開閉も驚くほど簡単だ。

各々のパーツに弱々しさはないし、低いドライビングポジションや感触のいいギアボックスは運転する者の心を確かに高揚させてくれる。
「ノックアウトされそうになるくらい楽しい」

日本で発売されたユーノス・ロードスターは英国のものに比べて、パワーステアリングや電動ウインドウ、エアコンなどの標準装備が多い。また一般的に信じられているのとは反対に、ヨーロッパ車と同程度の防錆も施されている。

パワーアシストの有無に関わらずステアリングのフィードバックは一貫性があるうえ、ラグやイナーシャもゼロ。

ターンインはとてもシャープで後輪のグリップも絶妙だ。帰路につけば、思わず遠回りしたくなるに違いない。
 1.6gのツインカムは猛烈にパワーが有るわけではなく、1994年に追加された1.8gの方が力強さがあるが、それでも非力と感じることはなく必要にして十分といったところだ。

必然的にギアチェンジの頻度は高くなるが、先述したとおりシフトフィールが非常に良いので煩わしく感じることはない。

決して目立つタイプのクルマではないが、購入すれば様々なオーナーズクラブや、専門的な整備を施してくれるお店も揃っている。
£500(8万5000円)くらいの、オプションだったハードトップを装着すれば1年中何も気にせずに走らせる事ができるし、取り外しもひとりで可能。悪癖など皆無の初代のロードスターは、「ノックアウトされそうになるくらい楽しい」と言っても過言ではない。

 

    世界中の自動車メーカーに影響を与えた“人馬一体”ライトウェイトスポーツ                     2017年7月22日

 

1980年代の前半、マツダの開発陣はクルマの安全基準と排出ガス規制の強化によって絶滅危惧種となりつつあった“ライトウェイトスポーツ”の復活を検討する。開発責任者は「マツダには他社とは違う独自の商品が必要」と首脳陣を説き伏せ、また当時のマツダはヒット作の連発で経営状況もよかったことから、新世代ライトウェイトスポーツの量産に向けたプロジェクトにゴーサインが出された――。今回は世界規模でライトウェイトスポーツの活性化を果たしたユーノス・ロードスター(1989〜1998年)で一席。
【初代ユーノス・ロードスター】
排出ガス対策でエンジンの出力を落としたり、衝突安全性能を強化する

ために車重が重くなったりするなど、受難の時代を迎えて消滅しつつあったライトウェイトスポーツのカテゴリー。この状況下で、走り好きのスタッフが多いマツダの開発現場ではライトウェイトスポーツの復活、しかも現代の技術とマツダの真髄を凝縮した“人馬一体”の新世代軽量スポーツカーを生み出そうと画策した。

正統派ライトウェイトスポーツを現代の技術で再現

1983年より開発の検討を行い、1986年からは本格的な量産化を目指したライトウェイトスポーツのプロジェクトは、1989年2月開催の米国シカゴ・オートショーで花開く。「マツダMX-5ミアータ」の車名を冠したフルオープン2シーターの新型FRライトウェイトスポーツが雛壇に上がったのだ。そして、同年7月になると「ユーノス・ロードスター」(NA型系)の車名で日本デビューを果たし、9月より販売を開始した。
奇をてらわず、正統派ライトウェイトスポーツとして開発したことが世界的なヒットにつながった

ロードスターは基本骨格に、トランスミッションとデフをリジッドに結合する新開発のP.P.F.(パワープラントフレーム)を採用する。サスペンションには路面に対するタイヤのジオメトリーをつねに適正に保つ4輪ダブルウィッシュボーンをセットした。組み合わせるオープンボディは、強度/剛性部材のストレート化や結合部剛性の強化、フロアトンネルの強度/剛性部材としての活用、サイドシルの大型断面化などを実施。同時に、ボンネットフードやオイルパン、デフケース、P.P.F.等にアルミ材を使用し、効果的な軽量化を果たす。前後重量配分は、2名乗車時で50:50の理想的な数値を実現した。縦置きに搭載されたエンジンはB6-ZE型1597cc直列4気筒DOHC16Vユニットで、高回転設定のバルブタイミングやテーパー径の吸気ポート、軽量コンロッドなどを採用する。その結果、レブリミットは最高出力(120ps)発生回転数の6500rpmを超えた7200rpmに達し、同時に4000〜7000rpmの領域で最大トルク14.0kg・mの90%以上を絞り出す特性を実現した。また、高剛性タイプのクランクシャフトおよびフライホイールやトランスミッションケース直結タイプのオイルパンを装備し、低振動化を成し遂げる。ほかにも、カムカバー2本とベルトカバーを一体成型した見栄えのいいヘッド、排圧を低減させるためにプリマフラーを省いたうえで排気マニホールドからテールパイプまですべてをステンレス製としたエグゾーストシステムなどを装備した。
デビュー当時は5速MTのみの設定。ロードスターに乗りたいがためにMT免許を選択したユーザーもいたほど

車両デザインについては、抑揚のあるロングノーズ&ショートデッキの流麗なプロポーションを基本に、リトラクタブル式のヘッドライトや後方にきれいに格納できるソフトトップ、楕円形のリアコンビネーションランプなどを組み込む。適度なタイト感を有し、かつスポーティなブラック基調でまとめた内装デザインは、スポーツカーにふさわしい出来栄え。ショートストロークタイプで小気味いい変速が楽しめる5速MTも、ドライビングの楽しさを増幅させる要素となっていた。
2名乗車時で前後重量配分が50:50になる理想的な設計

入念な改良と車種設定の拡大で魅力度をアップ

発売と同時に大注目を集め、受注台数を大いに伸ばしたロードスターは、デビュー後も精力的に車種設定の拡大や中身の進化を図っていく。まず1990年3月には4速ATを追加。AT仕様は扱いやすさを重視して最高出力を110psに抑えた。同年8月には、渋いネオグリーンのボディ色にタンカラーの内装を組み合わせたVスペシャルを設定。翌91年7月にはサンバーストイエローのボディ色を纏った特別仕様車のJリミテッドを、同年12月にはグループ会社のM2が企画・製造した特別仕様車のM2 1001を発売する。1992年に入ると、8月に安全装備の強化を実施し、9月にビルシュタイン製ダンパーやBBS製アルミホイールなどを装備したSスペシャルを、11月に特別仕様車のM2 1002を、12月に特別仕様車のSリミテッドを発売した。
ブリティッシュグリーンのボディにタンカラーのインテリアをあわせたVスペシャル。ウッドのナルティ製ステアリングとシフトレバーが印象的

1993年9月(発表は7月)になるとマイナーチェンジが行なわれ、エンジンがBP-ZE型1839cc直列4気筒DOHC16Vユニットに換装される。ボア×ストロークは78.0×83.6mmから83.0×85.0mmに拡大。吸気抵抗の低減を図るために、ホットワイヤー式のエアフロメーター等を新採用する。同時に、バルブタイミングのさらなる高速化なども実施した。パワー&トルクは130ps/16.0kg・mを発生。過渡トルクも全般的にアップする。エンジンの換装に合わせて、5速MTのファイナルギアレシオの変更や足回りのセッティングの見直しなども敢行した。またこの時、新仕様としてVスペシャル タイプUを設定。12月には、特別仕様車のJリミテッドUを発表した。

1.8リッターエンジンの搭載によってパフォーマンスを向上させたロードスター。しかし、一部のファンからは「軽快感が失われた」というデメリットが指摘される。これに対応するため、開発陣は1995年8月に加速フィーリングなどを向上させる改良を実施した。エンジン制御のECUは、8bitから16bitに変更。これにより、高回転域での燃焼の最適化やレスポンスの向上を実現する。また、軽量フライホイールの採用により慣性抵抗を軽減させ、同時にファイナルギアレシオを4.100から1.6リッター時代の4.300へ戻して加速重視の設定にリファインした。

進化の歩みを続けたユーノス・ロードスター/MX-5は、デビューから8年半あまりが経過した1998年1月にフルモデルチェンジを実施し、第2世代となるNB型系のマツダ・ロードスター/MX-5に移行する。初代の生産累計は43万台超を記録。スポーツカーとしては大ヒットといえる好成績だった。

ロードスターの成功に欧州メーカーが刺激を受ける

ライトウェイトスポーツを現代の技術で蘇らせた初代ロードスター/MX-5は、世界中のマーケットで人気を博し、販売台数を大いに伸ばした。マツダのこの成功を、ライトウェイトスポーツの発祥地である欧州のメーカーが黙って見過ごすはずがない。1990年代に入ると、矢継ぎ早に欧州メーカー産の2シーター・ライトウェイトスポーツが発売された。ローバー・グループのMGブランドではMR方式のMG F(1995年デビュー)、フィアットではFF方式のバルケッタ(1995年デビュー)、BMWではFR方式のZ3(1995年デビュー)という2シーターオープンタイプのライトウェイトスポーツを設定。メルセデス・ベンツはFR方式で電動開閉式ハードトップの“バリオルーフ”を纏ったSLK(1996年デビュー)をリリースする。日本メーカーでもトヨタがMR方式のMR-S(1999年デビュー)、ホンダがFR方式のS2000(1999年デビュー)を市場に放った。見て、乗って、操って楽しいライトウェイトスポーツの特性を再認識させた記念碑――それが初代ロードスター/MX-5の真骨頂なのである。

 

    あなたにピッタリのマツダロードスターはコレだ!                                2017年6月24日

 

我々の長期レポート車に、待望のマツダ「MX-5 ミアータ・クラブ」が加わった。マツダ「MX-5 ミアータ(日本名:ロードスター)」にスポーティな装備を加えた仕様だが、スペック自体は標準のMX-5と共通だ。ところで我々は最近、MX-5のもう1つのバリエーションに試乗する機会を得た。「MX-5 ミアータ RF」(日本名:ロードスター RF)の上級グレード「グランド・ツーリング」だ。これら2台は同じシートメタルから生まれたが、驚くほど異なるクルマだった。というわけで、我々はこの両車を比較し、あなたが自分にぴったり合ったボディ・スタイルやトリム・レベルを選ぶためのガイドをお届けしたいと思う。

 

髪をなびかせて運転したいなら

 

 

太陽光を浴びて、髪をなびかせるようにドライブしたいという方には、ソフトトップのMX-5がぴったりだ。この手動開閉式ルーフの機構は、事実上、他のどんなコンバーチブル・モデルのルーフよりも早く開け放つことができる。突然の雨も、同様に簡単に防ぐことが可能だ。ルーフの開閉は、運転席に座ったまま、片手で簡単に素早く行うことができる。実質的に全方向から風を浴び、開放感が得られるのは、完全なコンバーチブルならではと言えるだろう。一方、風で髪が乱れるのは嫌だけれど、太陽光だけ受けたいという方にとっては、RFの方がベターな選択だ。こちらのリトラクタブル・タルガトップも作動は素早く、わずか13秒で開けることも閉めることもできる。タルガトップは格納して、サイド・ウィンド

ウは閉めたままにしておけば、存分に陽射しを浴びることができ、風の流入は最小限に抑えられる。そして、ひとたびウィンドウを降ろせば、新鮮な空気が入り込んで来る。とはいえ、ファストバックのピラーが視界に入るため、ソフトトップほどの開放感は味わえない。しかし、風を防ぐことに価値を置く人にとっては、大した問題にならないだろう。

 

日常的に使い、時には長距離旅行も楽しみたいなら

 

 

多くのミアータは週末の楽しみ用として所有されているが、このクルマのアピール・ポイントの1つとして、日常使いに十分な荷室と高い信頼性を備えることが挙げられる。普段の通勤にミアータを使い、さらに長距離旅行もしたいと考えている方には、写真のようなRFの「グランド・ツーリング」トリム(3万2,620ドル≒約364万円)がお勧めだ。依然として静かなクルマとは言えないが、RFのハードトップの方が高速走行時には距離を問わず快適だからだ。
グランド・ツーリングのトリムを薦めるにはいくつかの理由がある。その最たるものは、寛容なサスペンションだ。路面からの突き上げを見事に抑えてくれるだけでなくハンドリング

の愉しさも損なわれていない。また、グランド・ツーリング・トリムには、下位グレードのミアータではオプションまたは装着不可となる魅力的な装備が含まれている。ナビゲーション・システムやシート・ヒーター、レザー・シート、自動防眩ルームミラー、ガレージドア・オープナーなどが標準で装備されているのだ。

 

週末にはサーキットで暴れたいなら

 

 

何よりもパフォーマンスを重視するというのであれば、「クラブ」トリムの中でも、伝統的なソフトトップのミアータ(2万8,800ドル≒約320万円)が一番だ。「RF クラブ」もソフトトップのクラブと同等の装備を持つが、キャンバス地のルーフなら車重を約45kgも軽減できる。固めのスプリングとビルシュタイン製ショックアブソーバー、そして何より肝心の機械式LSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)が装備されるクラブを選ぶことは必須である。
クラブにはオプションとしてブレンボ/BBSパッケージ(3,400ドル≒約30万円)が用意されており、これを選ぶと美しいBBS製の17インチ鍛造メッシュ・ホイールやサイドスカー

ト、リップスポイラー、ブレンボ製フロント・ブレーキが付く。我々の長期レポート車にはこのパッケージが装着されている。見た目がカッコイイだけではなく、ブレーキ性能も強化されるので、サーキットやジムカーナでもタイムに差が出る。

 

予算が限られている方は?

誰もがミアータに好きなだけ装備を付けられるほどの資金を持っているわけではない。しかし幸いなことに、ソフトトップのベース・グレードである「スポーツ」でも十分に楽しめ、価格は2万5,790ドル(約290万円)からとなっている。このモデルでも他の全グレードと同じ155hpのエンジンと素晴らしいギアボックスが搭載されている。サスペンションはグランド・ツーリングと共通だから、轍の上でも荒れた路面でも快適だろう。他にもエアコンや、USBとBluetooth接続が可能なオーディオ、クルーズコントロール、革巻きステアリング・ホイールとシフトノブなど、基本的な装備は揃っている。
ここで、このベース・モデルに欠けている点も挙げておくが、それほど心配することもない。省略されている装備で最も重要なのは、LSDがないことだ。これは、マニュアル・トランスミッションのクラブだけに搭載され、スポーツやグランド・ツーリングにはオプションでも用意されていない。しかし、上で挙げたような筋金入りのスポーツ走行派でない限り、LSDがなくてもそれほど気にならないだろう。
クラブのような外観にするためのアピアランス・パッケージはオプションで用意されているが、さらに出費が嵩むことになる。我々は長期レポート車のクラブの外観を気に入っているが、予算に余裕がないなら無理して付ける必要はない。ただし、少なくとも我々のクルマと同じ素敵なセラミック・メタリックのペイントなら、追加料金なしで選ぶことが可能だ。

 

 

 

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